「ルミナリエにまつわるエトセトラ」

その2
「カトちゃんのルミナリエ撮影法」



カトちゃんに言わせてもらえば、
ルミナリエの写真をきれいに撮ろうとするときに

最初に問題になるのは
露出と色温度補正です。

ルミナリエの公式サイトにも写真が展示されていますが...

一度でもルミナリエに足を運んだことのある方ならば
現物とは全然色が違う〜!
と思われるのではないでしょうか。

更には、自分で写真を撮られた方
赤茶けた色の仕上がりにガッカリ
された経験がおありでは無いでしょうか


この点、カトちゃんの写真は
現物のイメージに近い色をしています。
少し自慢しても良いかも知れませんね、エヘン!)

これは第1回ルミナリエからずっと
リバーサルフィルムを使って撮影しながら
露出と色温度変換フィルターの組み合わせを試行錯誤してきた結果、

第5回目のルミナリエの頃に
現物のイメージに近い色調が得られるセッティング
が掴めたためです。



ここで、
ルミナリエの色と色温度の関係
について説明しときますね。




公式サイトの写真では
電球1個1個が全て赤茶けた色で写ってます。

ルミナリエの現物を生で見ても
確かにやや赤みがかかってはいるんですが、
こんなに赤茶けた色ではありません。

やや暖かみが感じられる程度にほのかに赤い、と言った程度の赤みです。
それに青や緑、黄色などは
もっときれいで鮮やかな色をしていますし
赤とピンクの電球の色ももっとハッキリ色の違いが解ります。
しかし、
普通に写真を撮ると黄色もピンクも赤茶色...


これは
ルミナリエの
電球の光の「色温度」が非常に低く、

写真用のタングステン球に近い色温度の光を放っているのが原因です。

色温度が低い光は夕日の様に赤い色
になるのですが...

人間の目は光の色が赤かろうが青かろうが、
白い物は白く見るように出来ています。

そのため人間の目は電球の光の赤みをかなり補正して
白っぽく見えるように見てしまっているわけです。
ですから電球の光の色温度の低い、
赤〜い色に飲み込まれてしまう事無く

黄色ピンクに着色された電球は
その
着色された色で鮮やかに
目に
見えています

ところがフィルムやCCDは
赤く染まった光は素直に
その
赤い色で写真を写してしまう
ので
ルミナリエを写真に撮ると赤茶けた色に写ってしまいます。
黄色ピンクも電球の放つ赤い色の光に飲まれてしまって
違いがはっきりわからない
赤茶けた色にしか写ってくれません。


まあ、そんな理由があるのでルミナリエの写真は
普通に撮影してしまうと目で見た色よりもず〜っと
赤茶けた色に写ってしまうわけです。


それでは、
「目で見た色のイメージに近い色」
で撮影するには
どうすれば良いのか?


カトちゃんはそのために
「色温度変換フィルター」
を使っています。


しかし、
単純に色温度変換フィルターを使っただけでは
目で見たイメージの色には写ってくれません。
露出の多め、少なめによっても赤みが強い雰囲気になってしまったり、
明るくなりすぎると白っぽく飛んでしまったりします。

更に、カトちゃんの感じる所では
アップで撮るか、引きで撮るかによっても
生のルミナリエのイメージに近い写真に仕上げる
適正露出は変わっちゃうのです。

簡単に言ってしまえば
・アップは明るめが良し
・引きは明るからず、暗からず、色が最も強く出る露出が良し

という風に感じています。

どの程度の露出と色温度変換フィルターで
「らしく」写ってくれるか、
単純にデータで示してしまえば
カトちゃんの基準は感度400のフィルムの場合

露出    :1/40秒、F4
フィルター :FUJI FILM LBB−8


このセッティングで引きの写真のほとんどを撮影しています。
(1/80秒F2.8も1/20秒F5.6も使いますが、
「感度400、40の4!」
で覚えやすいもので...(^^;))

ちなみに1ページ目のガレリアの写真
50of1.4と20〜35of2.8の2本のレンズで撮影していますが
セッティングは全て上記の通り、1/40秒F4です。

また更にデータを示せば
今回フィルムは最近発売になったFUJIFILMの
「PROVIA 400F(RHPV)」
を使い、
エトセトラその1で述べた通り、
NikonのCOOL SCAN WEDを使って
700dpi、DIGITAL ICE ON
その外は全てオートの設定で取り込んだ物をjpegで圧縮しています。
(PHOTO SHOP等を使ってもう少しシャープに加工すれば
もう一段「らしく」仕上げられるのですが、あえて加工はしていません。)



引きで撮影する場合は上記のセッティングでだいたいOK、
まずまず満足出来る仕上がりが得られるんですが...

アップで撮影する場合は
アップの度合いによって
「らしく」写る露出が変わってきます。

と言いますのも
電球1個1個の形がはっきり写るぐらいのアップでは
電球の中心部はやや明るく、色が飛び気味で、
電球の縁にしっかり色が乗る程度の露出が
良い結果につながる様に感じていますので。

と言う事で
UPで撮影する場合の露出の目安としては、
「感度400、40の4!」をベースにして、
電球の中心部が明るく飛んでくれるように
1/3〜1段ほど余分に開けています。

ただし、どれだけ余分に開けるかは
アップの度合いによって変えています。
判断の基準はTTLの露出計と相談しながらですから
一口にまとめるのは難しいのでご勘弁を。
カトちゃんも手堅く押さえたい時は
ブラケティングする事もありますので。

ルミナリエの写真を撮りに行って、
赤茶けた仕上がりにガッカリした経験をお持ちの方、
一度リバーサルフィルムとLBB−8を使って
挑戦してみてはいかがでしょうか。

それから関東方面にお住まいの方、
多分、
(多分、ですよ。同じ人がディレクターをやっているので...)
東京のミレナリオも同じセッティングで
きれいに撮れるのではないかと思います。
よろしければ参考にしてみて下さい。