NAUGHTY製作解説
1.主翼の製作

さて、しょっぱなから製作の最大の難関、
プランク構造の主翼の製作です!
ぶっちゃけた話、主翼さえ作っちゃえば
後はARF機を作るのと大差無い、というより
バルサ製ARF機よりも簡単かも?!
(その他でメンドクサイのは動翼のPPテープ貼りぐらいデス!)
ここではモチロン、カトちゃん流の主翼製作方法を紹介しているワケですが
「テマヒマかかっても正確な主翼が出来る方法」
として考えた方法です。
EPP機の製作に馴れている方は
ご自分の馴れた方法で作って差し支えないと思います。
ただし、補強だけは紹介している仕様でシッカリと行って下さい。
なお、写真は「よ〜てぃ」制作時の物を使っています。

始めに

主翼の組立には全て3Mの使用を推奨します。瞬間接着剤を使用する場合、プランク材に瞬間接着剤がにじんでプランク材
と作業台が接着されてしまう事がありますので手早く硬化促進剤を併用する必要があります。また、瞬間接着剤が染みこん
で硬化したEPPは硬くなりますので完成後、墜落した場合などに割れやすくなります。主翼は全面に強い力が加わりますの
で接着部分が粘り強くなる3Mの方が好適です。また接着不良は本機の場合、重量増加以上に性能に悪影響を及ぼします。
EPP機の製作に不慣れな方は軽量化を意識して接着剤を節約するより、多少重くなっても充分な量の接着剤を使用して確
実な接着を心がけて下さい。また、
接着剤が未乾燥の内に次の工程を開始すると接着した部分が剥がれ、精度や強度の低
下を招きます。面倒でも接着剤が完全に乾燥してから次の工程にかかって下さい。


と、取説の方に記していますが、とにかく接着剤が乾かない内に次の工程を始めるのは失敗の元です!3Mの接着剤は乾燥
が早く、1〜2時間程度で充分に次の工程にかかれる様になります。短時間で完成させてしまおうとせず、1つ1つの工程で
曲がりやねじれが出ていないかチェックを入れながら、ノンビリペースで製作する事をお勧めします。
1−1 プランク材の切り出し
3oEPP600×890oを430〜440×890oにカットしてプラン
ク材にします。(最小必要幅は398×860oですが、作業しやす
い様にやや大きめに切り出します)真っ直ぐな曲がりグセを付ける
ため、プランク材が正確な長方形になるようカットして下さい。
カットした端材は後で使用します。(底辺50o、高さ75oの二等辺
三角形1枚、幅4×300の長方形2枚を切り出します。その他工作
補助にも使用します)

1−2 プランク材の曲がりグセ付け
柔らかいEPPシートを使って正確な翼断面とねじれの無い主翼を
作るためには、プランク材が前縁のリブに無理なく沿う事が重要な
ポイントになります。そのために各部品を接着し始める前にプランク
材に曲がり癖を付けておきます。プランク材の長さ890oの辺を
きれいに合わせてヒノキ角棒と目玉クリップで挟んで固定し、平らな
台の上でL字形アルミ型材をプランク材の上に乗せます


ハイ、この段階で既にねじれのない主翼を作る勝負は始まっちゃっ
てるのです!ナゼわざわざ端を合わせて閉じるかと言うと、そうしな
いと曲がりグセの折り目が真っ直ぐに入らないからなんです。EPP
と言うのは均質では無く、部分的に密度がばらついているため、
端をフリーにしたままでは柔らかい所が曲がって真っ直ぐじゃない
曲がりグセが付いちゃうんです。正確に長方形にカットする事も、
端をきれいに合わせて閉じる事(コレ、重要デス!キレイに正確に
合わせられない様ならいっそ、ヒノキ角棒で閉じずにアルミ型材を
プランク材の上に置くだけで曲がりクセを付けにかかる方が良い結
果が得られると思います)も、なかなか簡単では無いんですが、
ここでの苦労が後々の仕上がりに影響して来ます!

始めは折り曲げたプランク材のほぼ中央に乗せ、時間と共にプラン
ク材がつぶれて行くにしたがって前にL字形アルミ型材を移動させ
て行きます。

最初は写真1のようにボワンと膨らんだ状態ですから、最初から
曲がりグセを付ける部分を狙ってL字形アルミ型材を置く事はムリが
あります。それにプランク材全体のたわみも真っ直ぐじゃない曲がり
グセを作る原因になりますので、ここは先ず端を閉じたヒノキ角棒の
近くにL字形アルミ型材を角棒に平行に置いてプランク材をつぶし始
め、型材の重さでプランク材がつぶれたら少し前に、という具合にし
て型材を前進させて行きます


2,3回に分けて曲げの上までL字形アルミ型材を移動させたところ
で一昼夜以上放置し、プランク材の曲げ部分がリブW2の前縁のR
に自然に沿うようになるまでクセを付けておきます。

写真4の状態くらいまでつぶしてやると、曲がりグセのセンターが
わかり易いので次の作業の精度を高くする事が可能です。
しかし、パッと見ではここまでプランク材をつぶしたら、リブに自然に
沿わなくなるように感じられますが、これはグニャグニャのEPP!
実際はこれくらいまでシッカリつぶした方が、リブをプランク材の内側
に沿わせやすくなります。

!!注意!!
短時間で曲がりグセを付けようとして、紙を折りたたむ様に力を入れ
てプランク材を曲げてはいけません。短時間で曲げたEPPシートは
曲がりグセがすぐに抜けてしまうため、この後の工程が難しくなり、
主翼のネジレや接着不良の原因になります。面倒でも一昼夜以上
時間をかけてしっかり曲がりグセを付けて下さい

1−3 部品接着位置のマーキング
プランク材の曲がりグセを付けた部分に前縁側のリブW2をあて
がい、スパーの接着位置を正確にマーキングします。
必ず左右両端共マーキングして下さい。

写真5の様にリブの先端、Rのセンターにボールペンでマーキング
してから曲がりグセにあてがうと、より正確にスパーを接着する
位置、図3の基準線のマーキングが出来ます!


マーキングにはボールペンが使い易いでしょう。

写真でご覧に入れないと説明のしようが無いので取説にはボール
ペンで、と書いたんですが、実は!
リブをあてがった状態で写真6の様にしてカッターで切り込みを入れ
るマーキングの方がベターです!

何の作業でも、ボールペンのマーキングを頼りにすると
線の幅の分だけの誤差が生じる事が多いんです。
しかし、切り込みを入れてマーキングに使うと
写真7の様にして定規を当てて正確な線引きが出来ますし、
アルミ型材の位置決めも誤差ナシで行えます。


左右のマーキングをつないだ線が図3の
基準線になります。

これが図3です。クリックしたら大きい図が開きますよン♪
基準線はコレ!って具合に図の左の方に矢印で示してあります

大きい図の方はtiff形式のファイルとしています。
PCの設定によってはクリックしても大きい図が開かない場合があり
ますので、その場合は一度対象ファイルを保存して、ウインドウズの
「アクセサリ」に入っている「イメージング」を使って開いて下さい。

この基準線を基に図3に示した各部品の接着位置をプランク材に
正確にマーキングして下さい。
中心線だけはプランク材の裏表両面に引いておいて下さい。
この後の作業がやりやすくなります。
マーキングが終了したら図3に示す位置で一辺をカットします。
スパーにもリブの接着位置と中心線をマーキングしておきます


ご自分でちゃんとわかるようにマーキングすれば線の本数は省略
してもOKですが、
中心線だけは材料の全長に渡って、必ずプランク材の裏、オモテ、
両面に正確に入れておいて下さい。

主翼のプランクが上手く作業出来ているか、
要所要所でのチェックにも使いますので。

それとボールペンは銘柄によってEPPに良く書ける物、
ゼンゼン書けない物、差が激しいです!
傾向としては細書きの物の方が良く書ける物が多い様です。
10
11 さて、イヨイヨ勝負!でゴザイマス!
左の図4の@からDまで、先ずはよ〜く読んで下さいなっ。
取説には上面のプランクの前に練習しろ、と書きましたが
全部の工程で練習や仮組のチェックをやるくらいの気合いで
かかって下さい。
ただし、焦らず急がず、接着剤が確実に乾いてから
次の工程に進んで下さいね〜。
12 1−4 スパーとリブ、サーボマウントの接着
主翼の組立は必ず平らな作業台の上で行って下さい。最初に下面
側の作業となりますが、この作業ではプランク材が滑って台の上で
動かない様にテープ(グラステープ、又はPPテープを推奨)でプランク
材の後縁と翼端部分を台に止めておくと良いでしょう。プランク材の
マーキングの上に最初にスパーW1を接着します。スパーW1の
接着は主翼の精度を左右する重要な作業となりますので、スパーに
物差しやL字形アルミ型材をあてがいながら真っ直ぐに接着して
下さい。

図4−@の作業工程です。
写真6,7の切り込みをめくってアルミ型材を当てて
正確に位置決めをします。
あとはスパーをペタッと貼るだけなんですが...
型材に沿わせながら接着しただけでは
真っ直ぐに接着出来ていない事がほとんどです!
何せ、EPPはグニャグニャですので油断大敵、
スパーを型材に沿わせたら、写真14の様に物差しを使って
スパーを型材に押しつけて(サンドイッチにしながら)プランク材に
接着して下さい。
型材は接着剤が乾くまでそのままにしておきます。
はみ出た接着剤で型材がくっついちゃったりしますが、
接着剤が半乾燥状態で型材を外す時にスパーが型材にくっついて
せっかく真っ直ぐだったスパーが曲がっちゃうよりはずっとマシです!
型材がくっついててもカッターでチャイチャイと切ってやれば
簡単に取れます。

ここは一つ、
スパーさんには真っ直ぐな型材ごとプランク材にくっついて頂いてェ、
立派に!真っ直ぐに!接着されていただきましょう!

なんて書いたら大変な作業に聞こえますけど...(^^;)

接着剤の適量がわかってくると
たくさん接着剤をはみ出させる事もナシに作業できますから
型材がシッカリくっついちゃう事もありません。
接着剤が乾燥してから軽くカッターでなぞって簡単に剥がせます
接着剤を塗る量はどれくらいが適量か?端材を使って一度試して
見て下さい。接着剤の適量の加減がわかってからいよいよ本番、
スパーに適量の接着剤を塗って接着するときっと上手く行きます
接着剤の適量を把握出来れば機体全体を軽く、
接着不良ナシに丈夫に完成させる事も出来ますので
3Mの接着剤を初めて使う方はゼヒ一度、製作にかかる前にテスト
しておくことをお勧めします。
13
14
15 次に後縁側のリブW3(サーボリードの通し穴の開いている物)を
中央に、W4(穴が無い物)を他の位置に接着します。このとき、スパ
ー前縁側にL字形アルミ型材をあてがい、プランク材の下にヒノキ角棒
等を敷いてスパー、プランク材とリブがフィットするようにスパーの角度
を調整しておきます(図4−A)。


リブがスパーとプランク材に上手くフィットしているかどうかの確認は、
必ず左右両サイドで行っておいて下さい。型材の下に敷いたヒノキ
角棒がスパーと平行になっていなかった場合、片側だけのチェックで
は見抜く事が出来ずに主翼の後半分がねじれて組み上がってしまう
原因になります。
充分にチェックしたらイヨイヨ、リブを3Mの接着剤でペタペタと接着
していく作業デス!この作業はどんどん形が出来ていくので楽しい
デスよ!(^^)
接着剤を塗って貼り付けたらスグに一度リブを剥がして、接着剤を軽
く乾燥させてからもう一度張り直すと、接着剤がスグに乾いてアッと
いう間にしっかりくっついてくれます。リブを接着する時も細長いEPP
のリブは曲がりがちです。物差しなど真っ直ぐな物をリブにあてがい
ながら作業するとリブも真っ直ぐ接着出来て主翼の精度を一段良く
する事が出来ますよン♪(写真17)
ここで大切な事が一つ!接着剤を塗ると、EPPは延び縮みしちゃう
んです!これ、詳しくはケミカルストレスという応力による現象で、
接着剤の溶剤が揮発し尽くすとほとんど収まってくれるんですが(厳
密には接着剤の収縮で少し縮みます)リブをどんどん接着して行くと、
このケミカルストレスと接着剤の収縮で、接着剤が乾燥し始めたリブ
がプランク材を引っ張って後縁が台から少し浮き上がってきます!
これを作業中に見つけて「アレ〜、オカシイなァ?(?_?)」なんて思って
型材(スパー)の角度を再調整したり、リブを剥がして接着し直したり
したらサア大変!接着剤が乾燥したリブが次々に違う強さでプランク
材を引っ張って、主翼の後縁がダイナミックに波打ってねじれた主翼
が出来ちゃいます!全部のリブに同じ様に接着剤を塗って同じよう
に接着すれば、全部のリブが同じように収縮して、同じようにプランク
材を引っ張って、同じように後縁を持ち上げて、接着剤が完全に乾燥
したら...!ちゃ〜んと後縁は真っ直ぐになります!!
(イヤ、上手くしたモンですわ...(^^;) )
プランク材の後縁が浮いてるのを見ても、途中でスパーの角度を調整
したり、リブの接着のやり直しをしたりしないようにして下さい。
(コレ、経験者は語る、ってヤツです(^^;) )

次にエルロンサーボマウントW5、W6を接着し、プランク材にサーボ
取付穴を開けておきます。
!!注意!!
エルロンサーボマウントW6の穴はWAYPOINT 060に合わせて
あります。他のサーボを使用される場合は穴を広げたりEPPの端材
を接着してサーボとの隙間を詰める等して下さい。


W5,W6の接着はリブを接着していく途中で行う方が良いです。
リブとW5,W6の間に隙間が開かない様に、また、スパーとリブ、
プランク材がW5,W6に触れる部分は忘れないように全て、しっかり
接着して下さい。写真18のように、先ずはW5を接着してサーボの穴
をカットしてからW6とリブを接着すると良いかと思います。

ア!...fujita rcさんに指摘されて発見!取説の図1,2、番号振り
間違えてW5が飛び番になっちゃってます...m(_ _)m
2004 11 11追記
ご指摘頂いたので取説を訂正しました。同時に上のテキストも訂正
してあります。fujita rcさん、有り難う御座いましたm(_ _)m
16
17
18
19 最後に前縁側のリブW2を接着します。あらかじめスパーの上に定規
やL字形アルミ型材等を置いて重りにしておき、プランク材が出来るだ
けリブW2に自然に沿うようにL字形アルミ型材やヒノキ角棒、その他
真っ直ぐな物をプランク材の枕にするなどの工夫をしてから接着して
下さい(図4−B)。ここでは前縁の強いR部分の接着は行わず、
主翼下面の範囲の接着に留めておきます。


この作業でのコツはまず、
リブを接着する長さを欲張らずに、リブがきれいにプランク材にフィット
している部分のみを接着するにとどめて置く事
です。
欲張ってたくさん接着しようとしてリブとプランク材の間、隙間が開き
始めた部分に接着剤のカタマリが出来ちゃうと、前縁〜上面のプラン
クがキレイに出来なくなって主翼のネジレの原因になります。
更に、(写真に写っていないのですが、)プランク材は前縁に沿わせて
いる型材にベタベタとテープで止めてあります。そして型材もズレない
様にテープで台に固定してます。作業中の主翼もテープで台に止めて
います。その上型材をスパーの上に置いて重しをして、プランク材の下
に置いた角棒と前縁に当たっている型材で、プランク材を前縁のリブ
に沿う形にたわませているワケです。イメージとしては簡易なジグの
上に主翼を置いて、オモリとテープで固定してしまっている様な感じで
すね。グニャグニャなEPPでも、こうやって形を決めこみながら作業
するとかなり高い精度で主翼を作る事が可能なワケです。

主翼上面に被さるプランク材を型材にテープで止めておくと、
プランク材がジャマにならずに作業出来るのも、この工法の
メリットです。
20
21 1−5 前縁の接着
台の上にテープで固定した主翼をいったん剥がし、リブW3、W4を
接着した側の後縁をヒノキ角棒2本で挟み目玉クリップで固定します。
リブ、スパーを接着していない側のプランク材後縁を平らな台の上に
PPテープで固定します。リブW2の前縁、強いR部分に3Mを塗り、
片手にヒノキ角棒を止めた後縁を、もう一方の手にL字形アルミ型材を
持ってスパーにあてがい、リブ組した側をプランク材に強く押しつけ、
前縁の強いRをプランク材にフィットさせて接着します。(図4−C)

さて、ここで主翼上面全部を一気にプランクしちゃっても良いようなモン
ですが、プランク作業で一番ムツカシイのが実はココなんです。
ペラペラのプランク材を骨組みの上に被せながら引っ張りながら前縁の
Rに沿わせるよりも、少しでも強度のある骨組み側を持って、平らな台の
上に置いたプランク材の上に前縁のRを押しつけ、プランク材を巻き付け
るように作業する方が前縁のRをきれいに揃えられます。押しつけ巻き
付けする時にはいくらかの力が必要になってきますが、主翼後縁に挟ん
だヒノキ角棒を掴んで押しつけるのではなく、必ず型材でスパーを押して
プランク材に押しつけながら巻き付けて下さい。(写真21に型材、映って
ませんが、片手で写真撮らねばならないもので...)最初は主翼の上
面側(つまり未プランクの骨組み側)から、次に下面側から、押しつける
方向を切り替えながら徐々にヒノキ角棒で後縁を挟んだ骨組みを寝かし
て行きます。
一気に全部プランクしちゃわないのは未プランクの骨組み
側からも押しつけないときれいに作業出来ないためデス!接着剤を塗っ
ちゃうと骨組みを押さえられませんから...(^^;)それと一番難しい所だけ
にプランク材がリブから浮き上がっていないか、はたまたリブが押さえす
ぎて曲がったりしていないかを確認するためでもあります。


リブ組した側をテーブルに止めたプランク材の上に置き、スパーの上に
L字形アルミ型材を置いて接着剤を乾燥させると良いでしょう。


で、骨組み側をテーブルの上に置いちゃう所まで撒いたらスカサズ!写
真23のプランク材の中心線がキレイに重なっているかをチェックして下し
て下さい!前縁のプランクがきれいにリブに密着していなかったり、リブ
が変形していたら写真23みたいにキレイには中心線が重ならずにズレ
ています!ズレていたらスカサズ!スグに骨組みを持ち上げてどこが上
手く行っていないのかをチェックして下さい。このとき一気に接着部分を
剥がさず、どこに問題があったか良く見て確認しながら剥がして下さいね
何か原因(接着剤のカタマリが出来てたとか、リブが曲がってたとか)が
あったらそこを手直ししておかないと、何回やっても同じ結果になります
ので...。この作業も接着剤を塗る前に一度予行演習しておく事をお勧
めしておきます。
22
23
24 1−6 上面のプランクの準備
作業しやすい様にまず下準備をします。作業するとき主翼が台の上を
滑って動かない様に、部品を接着した側の翼端部分を台の上にテー
プで止めておきます。プランク材を主翼に被せ終わったら後縁をヒノキ
角棒2本と目玉クリップで閉じますので後縁が少々作業台の上からは
み出る位置に止めると良いでしょう。プランク作業時にプランク材を部
分的に引っ張ると主翼のねじれの原因になりますのでヒノキ角棒2本
でプランク材の後縁をはさみ、目玉クリップで止めておきます。本番の
接着ではヒノキ角棒を持ってプランク材を軽く引っ張りながらL字形ア
ルミ型材で押しつけて接着を行いますが、このとき、プランク材を強く
引っ張りすぎたり押さえ過ぎたりすると、リブやスパーが変形して主翼
の精度が損なわれます。ねじれの修正が可能なのは3Mが粘り始め
るまで、プランク材を被せ始めてからほんの2,3分の間だけです。微
妙な力加減と手早い作業が必要になりますので事前に良く練習して
から接着剤を塗って本番にかかってください

ここは取説のテキストの通りです。写真24の様に主翼後縁を台から
はみ出させておくと、接着剤が本格的に粘り始める前にねじれのチェック
にかかれるワケです。プランクし終えた瞬間に写真23の「中心線のズレ
のチェック」も出来ますよン(^-^)
25 1―7 上面のプランク
主翼前縁側のリブW2の未接着部分、スパー、後縁側リブ、下面側後
縁に3Mを手早くタップリと塗ります。プランク材の端に取り付けたヒノ
キ角棒を持ってプランク材全体をごく軽く引っ張りながら(プランク材の
引っ張りが強過ぎると主翼中央が持ち上ってしまい、ねじれの原因に
なりますので注意して下さい)L字形アルミ型材でスパー、リブの上に
押しつける様にして被せて行きます(図4−D)。後縁までプランク材を
被せたら表面を数回、
前縁から後縁方向にL字形アルミ型材で軽く押
さえながらこすってプランク材をしっかり密着させ、全体のねじれをチェ
ックして下さい。

ここまでサンザン、脅しておきながら何ですが、前縁のR部分さえキレイ
に接着出来ていたら、この工程は非常に簡単になります。(と言うか、
簡単にするためにリブをブ厚く丈夫にしました(^^;) )接着剤を塗ってプラ
ンク材を被せ、型材で表面を軽く押さえながらこすったら即、写真23の
「中心線のズレのチェック」をやって下さい。ズレていたらプランク材のど
こかが浮いています!即、プランク材を剥がしてやり直しにかかってくだ
さい。
それと
型材で表面をなでる時は必ず、前縁から後縁方向にこすって
下さい
ね!前から後にこすればプランク材をピンと貼る方向に力が加わ
りますから、プランク材が浮きかかっていた部分があってもピッタリ密着
して行くワケです。しかし逆方向!すなわち後から前にこするとプランク
材が浮いてたるむ方向に力を加える事になっちゃいます!

「中心線のズレのチェック」がOKならば主翼を台に止めてるテープを剥
がして主翼を持ち上げ、ねじれをチェックします

もし、ねじれている様なら手早くねじれを修正します。
ここで写真26、全体にわずかに湾曲しながら右に曲がってます!
写真左側が上面でまだ接着剤が乾燥していない側なんですが、前縁が
軽くたわんでリブとリブの間が少し凹んでのがわかるでしょうか?ここま
で平らな台の上で作業してるから曲がるわけが無いのに、この湾曲、
けっこう高い確率で起こってしまうと思います。
実はこれ、接着剤の溶
剤でプランク材とスパーが延びちゃってるんです!
接着剤の乾燥と
共にプランク材とスパーの延びが取れてほとんど真っ直ぐになりますから
どこかで急にクキッと曲がっていない限り、この湾曲は無視して下さい。
(クキッと曲がっていたらモチロン要修正です。スパーを真っ直ぐにする
方向に曲げながら、プランク材をこすってビミョ〜にずらして修正して下さ
い)接着剤の乾燥後もほんの少し湾曲が残ってしまう事が多いんですが
カーボンをスパーの上に接着する時、主翼の湾曲を真っ直ぐにする方向
に力を入れながら湾曲の外側(膨らんでいる側)に1枚目のカーボンを
接着して真っ直ぐに修正する事が出来ます。(カトちゃんの初号機もよー
てぃもこの方法で修正しました。この段階で上手く真っ直ぐに出来上がっ
たのは3型MIGHTYだけ...接着剤のビミョ〜な収縮の差がスパーの
湾曲になって残っちゃうんでしょうねェ...(-_-;))

ねじれの無い事を確認したら
ヒノキ角棒と目玉クリップで後縁を閉じ、
平らな台の上で3Mを完全に乾燥させます

写真27、接着剤を後縁に塗るとここでも延び縮みして後縁が波打ちぎ
みになっちゃいます!このままヒノキ角棒で真っ直ぐにせずほったらかし
て乾燥させたら...間違いなく、後縁がもの凄くダイナミックにウネリまく
った主翼が出来ちゃいます!真っ直ぐにするには真っ直ぐな形にして接
着剤を乾燥させる以外方法がありません!絶対に手を抜かず、ヒノキ角
棒とクリップででシッカリ後縁を閉じて、真っ直ぐな台の上に置いて、スパ
ーの上にも型材を置いたりetc...とにかく主翼全体を真っ直ぐな形に
押さえ込んで乾燥させて下さい。

ア〜しんどかった...(^ ^;A
後の作業は生地完までそんなに難しい物は有りません。リラックスして
行きましょう。
26
27
28
29 1−8 後縁のVカット
接着剤が完全に乾燥したら後縁からはみ出たプランク材の余分を
カットします。エルロンの舵角が最大60°取れるように主翼後縁を
Vカットして下さい

具体的には写真29みたいに台の縁とモノサシをカッターの当てにして
Vカットするとキレイにカット出来ますよン♪
写真30が出来上がりの写真、片側45°でカットして先端90°狙いで
カットしてます。

グラステープをヒンジにする機体では、このVカット(あるいは片面カッ
トの場合でも)をサボるとヒンジに隙間が出来て舵面のガタが大きく
なり、舵の効きが不正確になります。
Vカット先端に1〜2o厚さが残
ってもガタの点は大丈夫みたいです。切りすぎてヒンジラインがえぐれる
のが怖かったら、Vカット先端に少し厚さを残すつもりでカットして下さい。
それともう一つ、大事なコツと言いますか、
当て物をして作業しても、
カッターの刃を使い惜しみすると失敗します!
絶対に新品の刃を使って下さいね!片面のカットが終わったら
カッターの刃の一度使った部分は二度と使わず、新しい刃の部分を
使って反対面側をカットして下さい!EPPはカッターの刃をアッという
間になまらせてしまうのです。
もう、使い捨てにするくらいのつもりで行かないと、せっかく苦労して
作った主翼がヒンジラインを切り損なってえぐれ込んじゃったりして
台無しになっちゃいます!
30
31 1−9 スパー位置のマーキング
後でスパーの上下に幅4oに裂いたカーボンシートを接着しますが、
正確にスパーの上に貼る必要があります。翼端を閉じる前にスパー
の位置が正確にわかる様、スパーの位置を主翼表面にマーキング
しておきます。翼端からのぞき込んでスパーの前後にマチ針を打ち
(写真31)、1m定規をマチ針にあてがってマーキングすると簡単に
正確なマーキングが出来ます。
写真32、主翼の外面に飛び出たマチ針の先に1m物差しを当ててい
るワケです

カーボンは翼端から2番目のリブのより内側に接着しますので
必要な長さだけマーキングしておくと外観が汚くならなくて
良いでしょう。

写真33、マーキングの出来上がりデス!接着剤を塗る時にボールペン
のインクが滲んでしまいがちなので、上に貼る4o幅のカーボンよりやや
広めにマーキングが描かれるようにマチ針に1m物差しを当てる方向を
考えてマーキングすれば良いと思います。
(上にグラステープを貼りますから、マーキングの幅がカーボンより太く
なってもあまり目立たないんですが、インクの滲みはゴマカシが効きませ
ん(>_<)ノ)
32
33
34 1−10 翼端の工作
割り箸と目玉クリップを使い、翼端を閉じて接着します。先に後縁側を
接着しますが、主翼を横から良く見て、翼端がねじれない様に注意
します。

具体的な手順としては写真34の様にザックリと翼端の後縁側をカット
しておき、前縁側のプランク材もリブの前縁のセンターの線(最初に付
けた曲げグセのセンターですね)でカットしておきます
接着剤を塗る前に
一度割り箸で挟んで翼端を閉じ、写真35の様に横から良く見て、上下
に傾いていないか良くチェックします。このチェックの時、翼端を前側から
見て写真36の様にほぼ上下均等な形で口が開いていたらOK、正確
にねじれていない状態で後縁側を閉じていると考えて良いでしょう。
接着剤を塗って翼端の後縁側をシッカリ接着して下さい。忘れずに
スパーにも接着剤を塗って接着して下さいね!




次に前縁側を同様にして接着して閉じます。翼端は墜落時に
衝撃を受けやすい部分ですのでしっかりと接着して下さい。

NAUGHTYの翼端は前縁側も真っ直ぐ、つまり単純な三角形で良い
と思います。何と言っても単純な三角形は作りやすくて左右も簡単に
揃いますし、翼端から墜落した時にも頑丈な様です。
ちなみに初号機は苦労して丸みを付けて作りましたが、主翼の性能、
翼端失速の起こりにくさという点では三角に尖らせた形に作った3型も
差を感じません。(実は...3型の翼端前側は失敗して真っ直ぐになっ
ちゃったんです。性能が悪くなったかも?と思って少しガッカリしたん
ですが、飛ばしてみたら差が無かったワケですね(^^;)
 
モチロン翼端の前縁は丸く作る方がカッコ良いので、丸くするなり真っ
直ぐにするなりは、ここは一つお好みと言う事で良いでしょう。


接着剤が乾燥したら後縁にエルロンをあてがい、(左右エルロンの間隔
は70oです)現物合わせでカットして翼端の外形を整えます。
カットにはハサミが使い易いでしょう。
35
36
37
38 1−11 主翼の補強
主翼の補強はカーボンシートの接着(長さの異なる物の3枚重ね)、
木綿糸によるワイヤリング、グラステープ貼り付けによって行います。


やる事いっぱいありますので、図5、よ〜く見ておいて下さいね〜!
39 カーボンシートは主翼の裏、表両面に接着します。幅4oに裂いた
カーボンシートを図5に示す長さにカットし、最初に一番長い物を3Mで
正確にスパーの上に接着します。
簡単にEPPに接着剤を塗ってカーボンをペタリ、と貼るだけでは剥離し
やすいので、ここは一つ、マスキングしてしっかり接着しましょう。
動翼はここまでやる必要はありませんが、大きな力が加わる主翼は
少しでも接着がアヤシイと全開パニック1発でカーボンが剥離します。
(剥離しても接着し直せば簡単に直りますが、あまり気分の良いモン
じゃありません)。
用意する物は3Mの接着剤、マスキングテープ、爪楊枝、ティッシュ、
アルコールです。
40 カーボンを貼る位置はマーキングしてるので、マーキングの線に沿って
マスキングテープを貼ります。接着剤でマーキングのボールペンのイン
クが溶けて滲みますので、マーキングの線をテープの端でカバーしな
がら貼り付けるカーボンの現物の幅より少し広めに間隔を開けて貼っ
て下さい。
接着剤を塗ったら爪楊枝で接着剤を平らにならします。こうしてならして
やれば接着剤がEPPの目の中に押し込まれて行くので、それだけで
カーボンが剥離しにくくなるワケです。EPPの表面にチョット接着剤が
付いてるだけでは、強い力が加わったら簡単にEPPの表面がむしれ
てカーボンが剥がれちゃうワケですね。。。
41 カーボンにも接着剤を塗って所定の位置に置いたら、アルコールを多
めに染みこませたティッシュで押さえつけてカーボンを密着させます。
接着剤の余分の押し出しとふき取りを一度にやっつけちゃうワケです!
ティッシュに染みこませるアルコールの量が多すぎてEPPに滲むと
インクが滲みます。しかし、少なすぎると接着剤がきれいにふき取れ
ません。まあ、様子を見ながら加減して下さい。ティッシュもマメに替え
たり折り直したりして下さい。
42 2004 10 23 New!

主翼の表面のEPPにカーボンを貼り付け終えたらスグ、マスキング
テープを剥がします。
主翼のスパーが湾曲していた時はここでカーボンの上から主翼をしご
きながら湾曲の修正をして下さい。
後は更に2本、瞬間接着剤でカーボンを重ね貼りすればカーボン補強
の出来上がりです。
次に2番目に長い物を、最後に一番短い物を重ねて中粘度瞬間
接着剤で接着します。
43 カーボンの接着が完了したら図5の位置(6カ所)に縫い針を使って
木綿糸を通して軽く縛ってワイヤリングを行い、緩み止めのため木綿
糸に低粘度瞬間接着剤を少量しみこませます。

まあ、写真43みたいに主翼の下面側からカーボンに沿って
針を真っ直ぐプスッと突き刺して、反対側(上面))で写真44みたいに
とって返してまた反対側(下面)に抜いて...軽くキュッと縛って瞬間
接着剤を上面側、下面側両方に一滴垂らす、と。
糸は2本がけ(って言うんですかね?針に糸を通したら、糸2本で縫う
事が出来るでしょ。あの状態で作業すれば、1度縫うだけで糸2本で
縛れますよね!)「ボタン付け用」と書いてある、細くても丈夫そうな糸
を使って下さい。
簡単な作業ですが、針を面に対して垂直に刺して貫く事だけは注意し
ておいて下さい。
主翼の中で糸が斜めになってたら効果が半減しちゃいます!

!!注意!!木綿糸によるワイヤリングは主翼の強度を格段に向上
させます。省略すると強度不足となり、特に風のあるアウトドアで飛行
させる際、ダイブさせて急激な操作をするとスロットルを閉じていても
カーボンが破損して主翼が折れてしまう事があります。面倒でも必ず
行って下さい。


この補強、冗談ヌキで、もの凄く重要です!
サボったらスナップロール1発で主翼がバンザイする恐れ
大です!

大した手間もかからず、重量増加もとても少ない方法ですが
効果はバツグン!必ずやって下さい。
また、他のEPP機でも主翼のバンザイ&カーボンの破損が多発する
場合、このワイヤリングが効果を発揮する場合が多いと思います。
44
45
46 グラステープは墜落時にEPPが裂けてしまうのを防止するために使
用します。図5以上に余分に貼っても主翼の強度は強くならず重量
増加を招きますので図5に示す幅に適宜引き裂きながら貼って下さい
。テープの端に切り込みを入れると簡単に手で裂く事が出来ます。

47 翼端部分のグラステープ補強、こんな感じです。
グラステープを貼る前に、翼端のEPPの端面を軽く面取りしたり
して仕上げておくとキレイに出来ます。
ペーパーがけで仕上げる場合はあまり目の粗い物は使わない方が
無難デス!少なくとも120番以上をお勧めしておきます。

ちなみにカーボンの上はグラステープ省略しても良いかも...
...いや〜、
やっぱり何だかカーボンの角でEPPがこすれたりしてちぎれそうな感じがするので
貼っておいた方が無難...でしょうねェ(^^;)

48
1−12 中央部プランク材のカット
胴体内に収まる主翼の中央部のプランク材は強度的には不要です。
図5に示す部分をカットして取り除きます。(前縁側はバッテリー収納
部に、後縁側はリポの冷却のための空気の通り道になります。)
このカットは胴体に主翼を取り付ける直前に行うと良いでしょう。


カットするとき、後縁側30o程は必ず残して下さいね!
49 一度にきれいに切ろうとせず、少し小さめに穴を開けてからリブの内面
に沿ってカットして下さい。スパーと前縁のグラステープを貼った部分は
傷を付けないように慎重に!
50 プランク材中央部のカット完了〜!
あと1工程で主翼は完成デス!
51 カットしたら主翼中央部のむき出しになったスパーの中央と両端
(図5参照)に、グラステープを一周巻き付けて貼っておきます。
これは木綿糸によるワイヤリングと同様、カーボンの破損を防止
するための補強です。必ず行って下さい。


これも大事な補強デス!左右の幅5oほどは糸で代用してもOKで
しょう。しかし、中央の幅広のテープは受信器を貼り付ける台座も兼ね
てます。グラステープを貼っておかないとマジックテープが剥がれ易いと
思いますのでサボらず補強しておいて下さい。

お疲れ様でした〜!
主翼さえ出来れば後は簡単デス!
と言いつつも...
まだまだやる事はイッパイあるのだったたた。
(まだ手間はかかります...(^^;) )
でも、一番大変な主翼が完成したんですから
頑張って最後まで作って下さいね〜!