―――　あたたかい

何もかもなくした、空っぽな筈のあたしの心に……
触れてくれた、小さな手。

不思議な子だね、りん　あんたは。

怖くはないのかい？
恐ろしくはないのかい？

あんたを酷い目にあわせようとしたのに
あんたを攫ったこともあるのに……

それでもあんたはあたしを見て、目を丸くするだけ。
無邪気に語りかけ、自覚の無い恋の相談。


敵わないよ、あんたには。


……そして、あたしの事を覚えていてくれるんだね。

ありがとう、りん。
そんなあんたが、あいつの側にいてくれる。
そう思うだけで、あたしの心は満たされる。

何もかも、なくした筈なのに。
こんなにも自由で、こんなにも満ち足りて。

ありがとう、ありがとう　―――



ああ、やっと。
今　あたしは自由なんだ　―――







「りんどう亭」様の５万ＨＩＴの後ニアピンでサイトマスターの真壁さんより頂いたリクエスト権ｖ
　 図々しくもリク内容を拙作の挿絵風か殺りんで自然の中にいる二人、とリクを出させていただいたら、こちらの神楽追悼ＳＳからの一場面を、イラストにしてくださいました♪

アナログで色鉛筆イラストを１枚・１枚仕上げられるその手間と温もりを感じる作品です。このＳＳを書いた時の、神楽とりんちゃんとの間に流れた温かさとも通じるようで、とても嬉しい私なのです

滅多にキリバンなど狙わない私ですが、真壁さん宅はどうしても踏みたくて、張り込んでいた甲斐がありました。本当にありがとうございます！！


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