インスリンについて
インスリンを使うようなったから、『もう終わりだ』とか『これ以上糖尿病が良くならない』というのは間違いです。
血糖値のコントロールをしていくことが大切で、その方法がインスリンになったと考えてください。
内服薬でも血糖コントロールが悪ければ合併症を引き起こしやすくなります。

■インスリンの取り扱いと保存
1−余分のインスリンは冷蔵庫に保存する。
2−インスリンは凍らせない。
3−涼しい場所に保管してください。
4−旅行にもインスリンを携行してください。そして常に携帯してなくさないようにしてください。

■インスリン注射位置
同じ位置に注射していると、皮膚が変形したりインスリンの吸収が悪くなることがあります。
毎回注射位置は変えていく必要があります。注射の位置は 腕の外側、腹部、でん部、大腿の上外側です。

・ インスリン製剤 注射針

インスリン,注射針1 インスリン,注射針2 インスリン,注射針3

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糖尿病の診断基準
経口糖尿病薬
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■注射位置
打った部位のすべての位置を打ってから、別の部位へ変更するようにすると血糖値は安定しやすくなります。
インスリンの吸収速度は部位により違い、腹部>上腕>大腿>でん部の順になります。
部位により吸収速度が違うために、血糖値に差がでます。
注射をしてすぐに食事をするときには腹部に注射すると血糖値が安定しやすくなります。

■インスリンの種類

1 超速効型

ヒューマログ、ノボラピッド

効果のピーク 30分

2 速効型

ペンフィルR、ヒューマリンR

1〜3時間

3 中間型

ペンフィルN

4〜12時間

4 持続型

ヒューマリンN、ランタス

24時間

5 混合型

ペンフィル30R


・ インスリン製剤 ヒューマリン

インスリン1 インスリン2

■インスリン製剤比較表

フレックスペン

キット

カート

インスリンアナログ

超速攻型

インスリン 超速攻型

ヒューマログ注
キット
ヒューマログ注キット

ノボラピット注
カート
ノボラピット注カート

中間型

二相性製剤

インスリン 中間型

ノボラピッド30ミックス注フレックスペン
ノボラピッド30ミックス注 フレックスペン

ヒューマログミックス25注キット
ヒューマログミックス25注キット

インスリン 中間型

ヒューマログミックス50注キット
ヒューマログミックス50注キット

持効型

インスリン 持効型

レベミル注
フレックスペン
レベミル注 フレックスペン

ランタス注
オプチクリック
ランタス注オプチクリック

ヒトインスリン

速攻型

インスリン 速攻型

ノボリンR注
フレックスペン
ノボリンR注 フレックスペン

ヒューマカートR注
キット
ヒューマカートR注

中間型

NPH製剤

インスリン 中間型

ノボリンN注
フレックスペン
ノボリンN注 フレックスペン

ヒューマログN注
キット
ヒューマログN注キット

混合製剤

インスリン 中間型

ノボリン30R注
フレックスペン
ノボリン30R注 フレックスペン

ヒューマログミックス25注キット
ヒューマログミックス25注キット

インスリン 中間型

ノボリン50R注
フレックスペン
ノボリン50R注 フレックスペン


■インスリンの使用方法
1.強化インスリン、2.混合製剤(30R)の朝、夕の2回打ちの2つの方法が用いられます。
強化インスリンのほうが生理的ですが、実際の医療現場では2のほうも導入したりします。
0.2単位/体重1kgが目安。70kgなら14単位、朝:夕=2:1の配分で打ちます。
後は外来でSMBG(自己血糖測定)のデータを見ながら調節します。

■QOLを高める超速効型インスリンアナログ製剤

作用発現時間

ピーク

持続時間

超速攻型(リスプロ)

15分

30〜90分

3〜5時間

速攻型(R)

30〜60分

1〜3時間

5〜7時間


インスリンの持続性a
インスリンの持続性b
インスリンの持続性c

従来のインスリン製剤は皮下注射後、血中最大濃度に到達するまでに60分の時間が必要で、そのために食前30分の注射遵守が言われていましたが、そのために日常生活上での困難や、低血糖の誘発が問題となっていました。
2001年より既存のインスリン製剤に代わり、超速効型インスリン製剤が臨床使用されるようになっています。
超速攻型インスリンは食直前に打てるため、食事が出てから打て、患者さんのQOLが向上します。またシックデイのときに対処しやすいというメリットもあります。
食事量が少ない時は、食後に量を調整して打つことができます。また持続時間が短いので低血糖の頻度が少ないというのもメリットです。

2型糖尿病患者で十分量の経口薬を使用しても空腹時血糖が140mg/dl以上食後血糖200mg/dl以上、HbA1c8%以上であれば、積極的に超速効型インスリン製剤の導入を検討します。
また、罹患期間が短く(10年以内)、インスリン基礎分泌能が残存している場合では、インスリン療法を離脱し、再び経口血糖降下薬に戻ることもあります。ですから一度インスリンを導入すれば、一生インスリンを打ち続けるとは必ずしもいえません。

1−持続水溶性インスリン(glargine ;ランタス)
従来のインスリン製剤を改善。水溶性のために作用のピークが発現しにくく、24時間持続的に安定した作用が期待でき、また夜間の低血糖の発現頻度が低い。
ランタスは世界で一番使用されているインスリン製剤で、1日1回の投与で明らかな作用のピークを示さず24時間効果が持続する唯一のインスリン製剤です。そのためランタスは、基礎インスリン分泌パターンを1日1回の投与で再現することができます。

2−強化インスリン療法
健常者では血中インスリン分泌は基礎分泌と食後急峻に起こる追加分泌により構成されています。
強化インスリン療法とは、1.不足するインスリンの基礎量と追加量を補充すること、 2.頻回の血糖測定とそれに基づくインスリン投与量の修正を行うことを条件とし、厳格な血糖コントロールを行うインスリン療法のことをいいます。
熊本スタディでも、この強化インスリン療法が従来のインスリン療法に比べHbA1cの低下を示し、合併症の発症、進展を有意に減少させたとされています。

3−BOT(basal support oral therapy)
基礎インスリン(ランタス)に経口血糖降下薬を併用する療法です。


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