中学受験 学習用資料 短歌〈4〉 (ま〜わ行)

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★  ★ ★   

五十音順に並べました。
★ 黄色のボードにある歌は、模試や入試で
出題頻度の高い作品です。
★ 「
柿本人麻呂」のように名を紫色で表示したものは、江戸時代以前(奈良〜江戸時代)の歌人です。
★ 作品は随時追加していきます。★俳句には
季語を必ず一つ読み込むことが作法となっていますが、短歌にはそのような決まりはありません。
音数の数え方…ひらがな一文字を一音とする。ただし、「きゃ」「ちゃ」などの拗音(ようおん)や「ぱっ」「たっ」などの促音も一音とする。
句切れ…歌の途中で、文としての意味の流れが途切れるところ。
枕詞(まくらことば)…特定の語の前に添(そ)え調子を整える形式的な修飾語で、実質的な意味はもたない。多くは五音からなるが、古くは三音、四音、六音のものもあった。

 例:乳根(たらちね)の → (母)
   
青丹(あをに)よし → (奈良)
   
枕(くさまくら) → (旅)
     
そらみつ → (大和) ※四音

★  ★ ★   



ま行

 
まくら辺(べ)に子をすわらせて、
 まじまじとその顔を見れば、
逃(に)げてゆきしかな

(石川啄木)

病のために臥(ふ)している私の枕元に、我(わ)が子を呼んで座らせ、まじまじとその顔を見つめていると、私の真剣な眼差(まなざ)しにただならぬものを感じてか、ふいに私から逃(に)げるようにして、この部屋を去って行ってしまったことだ。

死期を予感する啄木(たくぼく)の、愛する我が子への慈(いつく)しみの眼差しが印象深く心に刻みつけられる歌である。(句切れなし)

※まくら辺(べ)… 枕元(まくらもと)。

※啄木が枕元に呼び寄せたのは、当時5歳の長女京子である。啄木はまもなく、明治45年(1912年)4月、26歳で肺結核のため逝去(せいきょ)。また、京子は昭和5年(1930年)に、急性肺炎のため二児を遺(のこ)し25歳の若さで亡くなっている。
「また電話しろよ」「待ってろ」
 いつもいつも命令形で愛を言う君

(俵万智)

「また電話しろよ」「待ってろ」などと、日頃よく命令口調で私に言うあなた。でも、そんな言葉の一つひとつからさえ、あなたの私への愛はしっかりと伝わってきています。

「愛しています」という直接的な言葉でなくても、恋人の普段の何気ない命令口調の言葉から伝わる愛を素直に受け止め、彼を深く慕う作者の思いが伝わってくる。

俵万智のチョコレートBOX

街をゆき子どものそばを通る時
 みかんの香(か)せり冬がまた来る

(木下利玄)

街を歩いていて、子どもとすれ違ったとき、ほのかにみかんの香りが漂(ただよ)ってきた。ああ、そうか、もう冬がやって来たのだなあ(四句切れ)

※俳句では「みかん」は冬の季語。
まっさきに気がついている君からの手紙
 いちばん最後にあける

(俵万智)

家のポストに届けられていた幾通かの郵便物の中に、あなたからの手紙をまっ先に見つけ出していながら、じれったさを楽しむかのように、私はその手紙を開封するのをわざと後回しにして、いちばん最後に開封したことだ。

嬉(うれ)しさや期待、ときめきや急(せ)く気持ちとともに、逆に楽しみは後に取っておきたいような気持ちやじれったさを楽しむような気持ちが混在している様子がよく伝わってくる。

俵万智のチョコレートBOX

松の葉の葉ごとに結ぶ白露(しらつゆ)の
 置きてはこぼれこぼれては置く

(正岡子規)

松の細い葉の一本一本に、白露(しらつゆ)が玉のように結んでいる。その白露が、零(こぼ)れ落ちたかと思うとまた新たに露を結び、結んだかと思うと、また露は零れ落ちて、とまることなく繰り返されている。

自然の細かい動きやありようを繊細(せんさい)に写生した歌である。(句切れなし)

※白露(しらつゆ)… 白く光って見える露。俳句では秋の季語。
水ぐるま近きひびきにすこしゆれ
 すこしゆれいるこでまりの花

(木下利玄)

水車小屋の傍(かたわ)らに咲いているかわいらしい小手毬(こでまり)の白い花が、よく見ると、回る水車の響きが伝わって、かすかに揺(ゆ)れ動いている。

静かな農村で、小さなかわいらしい小手毬の花に優しい目を注ぐ作者の姿が目に浮かぶ。(句切れなし)

※水ぐるま… 水車。
※小手毬(こでまり)… 春、小さい白い花が毬(まり)のような形にかたまって咲く。


みちのくの母の命を一目見ん
 一目見んとぞただにいそげる

(斎藤茂吉)

故郷山形にいる母、私を生み育ててくださった最愛の母が今、臨終(りんじゅう:今にも死のうとする時)を迎えようとしている。命あるうちに母に一目でも会おうと、ただひたすらに急いだことだ。

「一目見ん一目見んとぞ」の反復には、何としても母の臨終に間に合いたいという作者の切実な願い、焦(あせ)りが強く感じられる。(句切れなし)

※みちのく… 東北地方。斎藤茂吉(さいとうもきち)の故郷は山形県の堀田村。
※一目見ん… 一目でも見るのだ、という強い意志が表されている。
※ただに… ひたすらに。
※急げる… 急いだことだ。

※大正2年5月23日、茂吉(もきち)が31歳の時、母守谷いくが脳溢血(のういっけつ)のため亡くなっている。享年(きょうねん)58歳。この時茂吉は母の死に目に会うことが叶(かな)っている。

※「のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にいてたらちねの母は死にたまふなり」の項を参照のこと。
道のべに清水(しみず)流るる柳(やなぎ)かげ
 しばしとてこそ立ちとまりつれ

(西行)

道のほとりに清水(しみず)の流れるこの柳(やなぎ)の木陰(こかげ)には、ほんの少しの間休もうと思って立ち止まったのだったが、涼(すず)しくて心地よかったので、つい長居(ながい)してしまったことだ。

旅に生きた西行(さいぎょう)らしい自然へのなつかしい眼差(まなざ)しとさわやかな情感が流れている歌である。(句切れなし)

※道のべ… 道のほとり
※清水(しみず)… 清い泉。清く冷たい水。
※しばしとてこそ… ほんの少しの間だけ休もうと思って。
※立ちとまりつれ… 立ち止まったのだったがなあ。
道のべのたき火かこめる人びとの
 中にわけ入りあたらせてもらう

(前田夕暮)

寒さ厳しい冬のある日、近所を散歩をしていると、道端で焚(た)き火を囲んで数人が談笑している。暖かそうな焚き火と、人々の和やかさにについ誘われて、自分も一緒にその火にあたらせてもらったことだ。

寒さを共感する者同士の和やかなやりとりが想像される。(句切れなし)

※道のべ… 道端(みちばた)、道のほとり。
道ひろげる土地測量の人たちが
 巻尺(まきじゃく)のばすぼくらの枯れ野に

(作者不詳)

ある時、道路拡張(かくちょう)のための土地測量をするために大人たちがやって来て、「ぼくら」の枯れ野に勝手に巻尺(まきじゃく)を伸(の)ばして測量を始めた。前からこの枯れ野は、「ぼくら」だけの遊び場なのに。(四句切れ)
みづ(ず)うみの氷は解けてなほ(お)寒し
 三日月の影波にうつろふ(う)

(島木赤彦)

諏訪湖(すわこ)の湖面に張っていた氷もようやく解けたというのに、ここ信濃(しなの:長野県)の春はまだ遠く、寒さが身に染みる。三日月の弱々しい姿が、湖面の波に揺(ゆ)らいでいることだ。(三句切れ)

※みづうみ… ここでは長野県の諏訪湖のこと。

※大正13年の作。「信濃路(しなのじ)はいつ春にならん夕づく日入りてしまらく黄なる空の色」の項を参照のこと。
都をば霞(かすみ)とともに立ちしかど
 秋風ぞ吹く白河(しらかわ)の関(せき)

(能因法師)

私が都(みやこ:京都)を出発したのは春霞(はるがすみ)が立つ頃だったが、ここ白河(しらかわ)の関(せき)に着いてみると、もはや秋風が吹く時分になってしまっていたことだ。(句切れなし)

※霞(かすみ)とともに立ちしかど… 春霞が立つ頃に出発したのに。
※白河の関… 奥州の入口にあたる関所。当時の都人には遥かな遠い地と認識されていた。


※「立つ」は、春霞が「立つ」と、旅に出発する意の「立つ」をかけている。

※能因法師(のういんほうし)が実際に東北行脚(あんぎゃ)に出て作歌したものではない。
み吉野の象山(きさやま)の際(ま)の木末(こぬれ)には
 ここだも騒(さわ)く鳥の声かも

(山部赤人)

吉野の象山(きさやま)の山間(やまあい)の木々の梢(こずえ)には、他のところと違って、これほどまでに数多く鳥たちがさえずっていることだなあ。

山の深い静けさが、数多くの鳥たちの鳴き声によっていっそうその深まりを感じさせる。また、吉野の象山の爽(さわ)やかな心地よい気分も伝わってくる。

上(かみ)三句には「の」が多く用いられ、流れるようにたたみかけて主題を絞(しぼ)っていき、全体にはカ行音、特に「こ」を多く用いることで鳥の騒ぎを直(じか)に感じさせる音楽的な響きがある。(句切れなし)


※み吉野… 吉野。現奈良県南部。奈良時代には離宮(りきゅう)があった。
※象山(きさやま)… 現奈良県吉野郡吉野町の宮滝の近くの山。
※際(ま)… 間(ま)。ものとものとの間。辺り。
※木末(こぬれ)… 梢(こずえ)。木の枝。
※ここだも… こんなにも多く。
※騒(さわ)く… 騒ぐ。当時は「さわく」と清音(せいおん)であった。
※鳥の声かも… 鳥の声がするなあ。


※聖武(しょうむ)天皇が吉野に行幸(ぎょうこう:天皇が外出すること)され、山部赤人(やまべのあかひと)がお供をした時に詠(よ)んだもの。

み吉野の山の秋風さ夜(よ)ふけて
 ふるさと寒く衣(ころも)うつなり

(藤原雅経)

吉野の山から吹きおろす秋風は、夜が更(ふ)けてひとしお寒くなり、古い都のあったこの吉野の里では衣(ころも)を打つ砧(きぬた)の音が寒々と聞えてくることだ。

折(おり)しも、砧(きぬた=木づちで布を打って柔らかくすること)の音も心にしみる、吉野山の秋の夜の寒さと寂(さび)しさの感慨(かんがい)を詠(うた)っている。(句切れなし)

※み吉野(よしの)の… 吉野山(よしのやま)の。
※さ夜(よ)ふけて… 夜が更(ふ)けて。
※ふるさと… 旧都(きゅうと)。昔吉野に離宮(りきゅう)があったが、当時既に荒廃(こうはい)していたことから。
※衣(ころも)うつ… 布をやわらかくするために、木や石などの台の上で木槌(きづち)で打つこと。


★小倉百人一首所収。
み吉野の山の白雪(しらゆき)踏(ふ)み分けて
 入(い)りにし人のおとづ(ず)れもせぬ

(壬生忠岑)

吉野山(よしのやま)の白雪(しらゆき)を踏(ふ)み分けて入ってしまった人が、その後どうしたことか、まったく便り一つよこさないことだ。

吉野山に隠棲(いんせい)し、その後便りをよこさない相手を心配し詠(よ)んでいる。(句切れなし)

※み吉野… 吉野。現奈良県南部。奈良時代には離宮(りきゅう)があった。
※白雪(しらゆき)… 真っ白な雪。雪の美称。
※入(い)りにし人の… 山の奥へ入ってしまった人が。ここでは、世を逃れて隠棲(いんせい)した人のことだろう。
※おとづ(ず)れもせぬ… 便りもよこさないことだ。

※吉野山は当時、世を逃(のが)れた人の住むわびしい所だった。
み吉野は山も霞(かす)みて白雪(しらゆき)のふりにし里に
 春は来(き)にけり

(藤原良経)

ここ吉野の地は、里はもとより山までも春の霞(かすみ)がかかって、ついこの間まで白雪(しらゆき)が降っていた、この古里(ふるさと)にも春がとうとうやって来たことである。(句切れなし)

※み吉野… 吉野。現奈良県南部。奈良時代には離宮(りきゅう)があった。
※白雪(しらゆき)… 真っ白な雪。雪の美称。
※ふりにし里… @降った里、の意と、Aふるさと、の二つの意味をもたせた掛詞(かけことば)。ここでの「ふるさと」は、旧都(きゅうと)の意。
※来にけり… 来たのだなあ。

見わたせば花ももみじもなかりけり
 浦(うら)のとまやの秋の夕暮(ゆうぐれ)

(藤原定家)

ずっと辺りを見渡しても、春の花や秋の紅葉といった趣(おもむき)深いものは何一つない。海辺の苫葺(とまぶ)き小屋の辺りの秋の夕暮れの景色は、まことに寂(さび)しく、あわれの深いことである。

「浦の苫屋の秋の夕暮れ」のわびしい光景に、閑寂(かんじゃく)な美を見出している。(三句切れ)

※花も紅葉(もみじ)もなかりけり… 四季でもっとも趣(おもむき)深い春と秋の、それぞれの美を代表する花も紅葉もないことだ。
※浦(うら)… 入り江。湾。
※苫屋(とまや)… 苫葺(とまぶ)きの小屋。菅(すげ)や茅(かや)などで葺(ふ)いた粗末な小屋。ここでは猟師の小屋だろうか。

群鶏(むらどり)の数を離れて風中(かざなか)に
 一羽立つ鶏(とり)の眼(まなこ)ぞ澄(す)める

(宮柊ニ)


作成中





めぐり逢(あ)ひ(い)て見しやそれともわかぬ間(ま)に
雲がくれにし夜半(よわ)の月かな

(紫式部)

久しぶりにめぐり遭(あ)って、確かに以前見た月であったかともわからないうちに、雲に隠(かく)れてしまった夜中の月であることよ。

(久しぶりにめぐり遭(あ)って、遭ったのがあなたかどうかともはっきりしない間に、慌(あわただ)しく帰ってしまったあなたであることよ。)

久しぶりに会った幼友達(おさなともだち)が、すぐに帰って行ってしまった名残惜(お)しさを、月を友にたとえて詠(よ)んでいる。(句切れなし)

※めぐり遭(あ)ひて… 「月にめぐりあって」という意味の内に、「友にめぐり遭ったこと」の意味を含めている。
※見しやそれともわかぬ間に… 「見たのは、それ(月)かどうかとも区別がつかないうちに」という意味の内に、「会ったのはあなたかどうかということも、はっきりとわからないうちに」の意味を含めている。
※雲がくれにし夜半の月かな… 雲に隠(かく)れてしまった夜中の月であることよ。(そのように、慌(あわただ)しく姿を消して帰ってしまったあなたであることよ)


★小倉百人一首所収。
「もし」という言葉のうつろ
 人生はあなたに一度わたしに一度

(俵万智)



「もし、あなたに出会うことがなかったなら…」「もし、私がこの世に生まれていなかったなら…」

(作成中)


俵万智のチョコレートBOX


や行

 
やさしいね陽(ひ)のむらさきに透(す)けて咲く
 去年の秋を知らぬコスモス

(俵万智)

なんて優しいコスモスの花なのでしょう。秋の日差しを、紫色のそのやわらかな花びらに明るく透かして、今を、可憐(かれん)に咲いている。変わらない可憐さで同じようにコスモスが咲いていた、去年の秋など知らずに。


俵万智のチョコレートBOX

やは(わ)らかに柳(やなぎ)あを(お)める北上(きたかみ)の
 岸辺目に見ゆ泣けとごとくに

(石川啄木)

やわらかに柳(やなぎ)が芽吹(めぶ)いて青く色づいた、故郷の北上川の岸辺の風景が、うらぶれた私の目の前にありありと浮かび、なつかしくなって私の涙をさそう。(四句切れ)
山かげは日暮れ早きに学校の
 まだ終わらぬか本読む声す

(若山牧水)

山間(やまあい)では日の暮れるのが早い。それでも、学校ではまだ授業が続いているのだろう、子どもたちが本を読んでいる声が聞えてくる。

寂(さび)しく静かな山村(さんそん)の佇(たたず)まいである。(四句切れ)

※山かげ… 山のかげになって、日のよく当たらないところ。
※早きに… 早いので。
※終わらぬか… 終わらないのだろうか。

山里は秋こそことにわびしけれ
 鹿(しか)の鳴く音(ね)に目をさましつつ

(壬生忠岑)

山里は、普段でもそうなのだが、秋がとりわけもの寂(さび)しく辛(つら)い。鹿(しか)の鳴く声で、夜中に幾度(いくど)も目を覚まし覚ましすることだ。

山里の秋のわび住まいの様子が、しみじみと詠(うた)われている。

※目をさましつつ… 幾度も目を覚まして。

※鹿が鳴くのは妻を恋慕(こいした)ってのことといわれた。
山里は冬ぞさびしさまさりける
 人めも草もかれぬと思へ(え)ば

(源宗于)

山里は、ただでさえ寂(さび)しいのに、冬にはその寂しさがひとしお勝(まさ)って身にしみて感じられることだ。人の訪れも途絶えてしまうし、草も枯れ果ててしまうと思うと。(三句切れ)

※山里(やまざと)… 山中(さんちゅう)の村落。
※かれぬ…「人目(ひとめ)が離(か)れぬ=訪ねてくる人が絶えてしまった」という意味と、「枯れぬ=枯れてしまった」の意味との二つの意味をもたせてある。
※と思へ(え)ば… 〜と思うと。


★小倉百人一首所収。
山寺の石のきざはしおりくれば
 椿(つばき)こぼれぬ右にひだりに

(落合直文)

古い山寺の苔むした石の階段を降りてゆくと、深い静けさの中、はらり、はらりと椿の花が、私の右に、左にとこぼれ落ちていったことだ。

山の静けさ、椿の花の色の鮮やかさが伝わってくる。(四句切れ)

※きざはし… 階段。
山深(ふか)み春とも知らぬ松の戸に
 たえだえかかる雪の玉水(たまみず)

(式子内親王)

ここは奥深い山中なので、春がやって来てもそれとわからない草庵(そうあん)の、松で作った粗末な戸に、ぽたり、ぽたりと間遠(まどお)に落ちかかる雪どけの玉のような雫(しずく)よ。

春の訪れの遅い山家(やまが)において、かすかな春の訪れを実感し、詠(うた)っている。(句切れなし)

※山深み… 山が深いので。
※春とも知らぬ… 春が来たともわからないでいる。
※松の戸に… 松の枝や板で作った粗末な戸。山家(やまが)のわび住まいを示す。
※たえだえかかる… 途切れ途切れに。
※かかる… 落ちかかってくる。
※雪の玉水(たまみず)… 玉のように美しい雫(しずく)。雪どけの雫を美しく言ったもの。

※式子内親王(しきしないしんのう・しょくしないしんのう)… 後白河天皇の皇女。兄は以仁王(もちひとおう)、甥(おい)は安徳天皇、叔父は崇徳(すとく)天皇。
病みがちの母は来ないことを知りながら
 参観日の教室にうしろふりむく

(作者不詳)

お母さんは病気がちなので、今日の参観日には来られない。でも、それをわかっていながら、教室の後ろにいるたくさんの保護者たちの中に、もしかしたら私のお母さんも来ているかもしれないと思って、私は振り向いてその姿を探してみる。(句切れなし)
病める児(こ)はハモニカを吹き夜(よ)に入りぬ
 もろこし畑(ばた)の黄なる月の出

(北原白秋)

病気にかかってしまい、外へ出て遊ぶこと出来ず、ただ家でひっそりと過ごすしかない子どもが、一人ぼっちの寂(さび)しさを紛(まぎ)らそうと、ハーモニカを吹き鳴らして遊んでいる。

何かもの悲しくその音色が響いているかと思ううち、いつしか陽はとっぷりと暮れ、宵闇(よいやみ)が訪れてしまっていた。窓の外を見やると、もろこし畑の上には、穏(おだ)やかに黄色く照り輝いた月が昇(のぼ)っている。

三句までの叙情(じょじょう)と、下二句の情景とがとけ合って、まるで童話のような印象的な世界を作り出している。(三句切れ)

※病める児(こ)… 病気の子。
※もろこし… イネ科の一年生の植物・穀物。葉や茎はとうもろこしに似るが本来は別品種。もろこしは地方によりトウキビとも呼ばれ、とうもろこしを指すことがある。

槍(やり)投げて大学生の遊ぶ見ゆ
 大きなるかなこの楡(にれ)の樹(き)は

(土岐善麿)

のどかな昼下がり、農科大学構内の楡(にれ)の木の傍(かたわ)らに佇(たたず)んで、運動場で学生たちが楽しげに槍投(やりな)げをして遊んでいるのを眺(なが)めている。それにしても、太くどっしりとした幹、天を覆(おお)うように伸び広がった枝、生き生きと葉を茂らせたこの楡の木をあらためて見上げて、何と大きく立派なことかと感嘆(かんたん)したことだ。(句切れなし)

※楡(にれ)… 落葉高木。日本にはハルニレ・アキニレ・オヒョウの三種があるが、一般にはハルニレを指す。ハルニレ…高さ約30mにもなる。春、黄緑色の小花を多数つける。材は家具、建築、船舶、器具、薪炭(しんたん)などに用いられ、街路樹などにも利用される。エルム。

※土岐善麿(ときぜんまろ)… 明治・大正・昭和時代の歌人。東京生まれ。歌集「NAKIWARAI(なきわらい)」でローマ字3行書き形式を試み、石川啄木に影響を与えるとともに、生活短歌を主唱した。
やわらかく指をぬけてはひらひらと
 黄いろき蝶(ちょう)の杉垣(すぎがき)を越(こ)ゆ

(作者不詳)

優しくそっと手に包み持っていた美しい黄色い蝶々(ちょうちょう)は、私の指と指の隙間(すきま)を抜けて、ひらひらと杉垣(すぎがき)を越えて飛び去っていった。

鮮やかな黄色をした蝶々が眼前から軽やかに飛び去っていく情景が印象的である。(句切れなし)
やわらかな秋の陽ざしに奏(かな)でられ
 川は流れてゆくオルゴール

(俵万智)

(作成中)

自然
寂しさ
楽しさ

川の水音
流れる川の動き
オルゴールの円筒の回転に似て静かにゆっくりと流れる



俵万智のチョコレートBOX

夕されば小倉(おぐら)の山に鳴く鹿(しか)の
 こよいは鳴かずい寝にけらしも

(舒明天皇)

夕方になるといつも決まって鳴く小倉(おぐら)の山の鹿だが、期待に反して今夜に限って鳴かない。夕方の静かなものさびしさの中、さてはもう安らかに寝てしまったらしいな。

鹿は妻を恋い慕(した)って鳴くものとされており、この歌の場合、鹿は妻を得て安らかに寝てしまったのだろうなあ、と想像しながら、期待していたその鳴き声の聞かれない寂(さび)しさを詠(うた)っている。印象深い、いかにも万葉調らしい響きをたたえた名作である。(四句切れ)


※夕されば… 夕方になるといつも。
※小倉の山… 奈良県桜井市内にある山。
※い寝にけらしも… 寝てしまったらしいなあ。

夕されば門田(かどた)の稲葉(いなば)おとずれて
 芦(あし)のまろやに秋風ぞ吹く

(源経信)

夕方になると、家の前の田の稲の葉を、さやさやと葉ずれの音をさせて、この芦(あし)ぶきの仮屋(かりや)に秋風が吹き寄せてくることだ。

夕方の、広々とした稲田(いなだ)を渡って吹いてくる秋風のすがすがしさが詠(うた)われている。(句切れなし)

※夕されば… 夕方になると。
※門田(かどた)… 家の前の田。
※稲葉(いなば)… 稲(いね)の植えられた田。
※芦(あし)のまろや… 芦(あし)で葺(ふ)いた粗末な仮小屋(かりごや)。


★小倉百人一首所収。
夕されば野辺(のべ)の秋風身にしみて
 うづ(ず)ら鳴くなり深草(ふかくさ)の里

(藤原俊成)

夕暮れになると、野辺(のべ)に吹く冷たい秋風が身にしみて、寂(さび)しく鶉(うずら)が鳴いていることだ。この深草(ふかくさ)の里に。

※夕されば… 夕暮れになると。
※野辺(のべ)… 野原。
※鶉(うずら)… キジ科の小鳥。全長約20cm。背は赤褐色で、白、黒のまだらがあり、尾は短い。グアッ、グルルル…と鳴く。
※深草(ふかくさ)の里… 現京都府伏見区の北部の地名。鶉や月の名所といわれている。

夕焼空(ゆうやけぞら)焦(こ)げきは(わ)まれる下(した)にして
 凍(こお)らむ(ん)とする湖(うみ)の静けさ

(島木赤彦)

空は、夕焼けで燃えるように真っ赤に染(そ)まり輝いている。そんな空の下にあって、厳(きび)しい寒気(かんき)の中で、今まさに凍(こお)りつこうとしている諏訪湖(すわこ)の静けさであることだ。

温(ぬく)もりを感じさせる空の鮮(あざ)やかな色彩(しきさい)と、その下に広がる冷たい湖の静けさとが対照的である。(句切れなし)

※焦げきわ(わ)まれる… 夕焼けで、空がこれ以上ないほど真っ赤に染(そ)まり輝いているようす。
※凍(こお)らむ(ん)とする… 凍(こお)りつこうとしている。


※赤彦は後に初句、二句を「まかがやく夕焼空の」と改めている。
牀(ゆか)のうへ(え)水こえたれば夜(よ)もすがら
 屋根のうらべにこほ(お)ろぎの鳴く

(伊藤左千夫)

洪水のために水が床の上にまで及んだので、床下(ゆかした)にいたこおろぎがいつの間にか屋根裏へ移ったらしく、夜通し屋根裏から寂(さび)しげな声を響かせていることだ。(句切れなし)

※牀(ゆか)… 床(ゆか)。
※水こえたれば… 洪水で床上(ゆかうえ)浸水したので。
※夜(よ)もすがら… 一晩中、夜通し。

※明治33年8月、洪水の時の連作「こほろぎ」の一つ。
雪降れば山よりくだる小鳥おほ(お)し
 障子(しょうじ)のそとにひねもす聞こゆ

(島木赤彦)

雪が降ると、山から里に下ってくる小鳥たちが多くなる。家の障子(しょうじ)の外からは、小鳥たちのさえずりが一日中にぎやかに聞こえてくることだ。(三句切れ)

※ひねもす… 一日中。
ゆく秋の大和(やまと)の国の薬師寺(やくしじ)の
 塔(とう)の上なるひとひらの雲

(佐々木信綱)

秋がいよいよ暮れようとしているある日、奈良の薬師寺(やくしじ)を訪れると、ゆかしい塔(とう)の上には一片(いっぺん)の白い雲が浮かんでいた。去りゆく秋のものさびしさであることだ。(句切れなし)
世の中に絶えて桜のなかりせば
 春の心はのどけからまし

(在原業平)

もし、世の中に桜というものがまったくなかったならば、春における人々の心は、どれほどのどかなものであったことだろう。

桜というものがこうして世の中にあるために、人々は、開花を待ち遠しく思ったり、花の散るのを惜しんだりして、ひと時も落ち着いてはいられない。それほど桜というのは、魅力があってすばらしいものなのだ。(句切れなし)

※絶えて… まったく。少しも。
※なかりせば… もしなかったならば。
※春の心… 春における人の心。
※のどけからまし… のどかであったことだろう。

四百円にて吾(あ)のものとなりたるを
 知らん顔して咲くバラの花

(俵万智)

お花屋さんで、美しいバラを買い求めた。四百円で私のものになったというのに、ポット(花瓶)に生けられたバラは、自尊心に満ちた高貴なご婦人のように、私の部屋で誇(ほこ)らしげに、すまして咲いている。

俵万智のチョコレートBOX


ら行

 
ラジオ講座学ぶ女工に
 夜警所の机ゆずりて
巡視に立てり

(作者不詳)

自分の休憩(きゅうけい)時間にラジオの通信講座を聞かせてほしいと、一人の女工に頼まれた。働く身でありながら、志(こころざし)を胸に懸命に学ぼうとしている彼女の思いに打たれ、「この机を使いなさい」と言って夜警所(やけいじょ)の中の机を譲(ゆず)り、そのまま私は巡視に立ったことだった。

志を抱く女工に対する夜警のあたたかい思いやりが感じられる。(句切れなし)

※ラジオ講座… ラジオによる通信講座。現在も語学教育などさまざまな通信教育が行なわれている。
※女工(じょこう)… 工場などで働く女性。
※夜警(やけい)… 夜間、施設(しせつ)や敷地内(しきちない)で火事や盗難(とうなん)などの警戒(けいかい)をすること。また、その人。
※巡視(じゅんし)… 警戒のために見回りをすること。

隣室(りんしつ)に書(ふみ)よむ子らの声聞けば
 心にしみて生きたかりけり

(島木赤彦)

私が重い病のために臥(ふ)せっているその折に、隣(とな)りの部屋には本を読んでいる子どもたちの声が聞えている。いたいけで健やかなその声を聞いていると、それがしみじみと深く心に染み入って、無性にいとしまれてならない。自分はもっともっとあの子たちのために生きていたいと、心の底から思われたことだ。

逆らいがたい運命の残酷さとともに、愛する子どもたちへのいっそう深い愛情を新たにした作者の悲痛が、読み手の魂(たましい)を激しく揺(ゆ)さぶる。(句切れなし)

※隣室(りんしつ)… 隣(とな)りの部屋。
※書(ふみ)… 書物。
※生きたかりけり… もっと生きたいと思うことだなあ。

※大正15年3月末、胃がんのため赤彦が51歳で歿(ぼっ)する一週間前に詠(よ)まれた歌。
列車にて遠く見ている向日葵(ひまわり)は
 少年のふる帽子のごとし

(寺山修司)

ふるさとへ向かう列車の中でぼんやりと窓の外を眺(なが)めていると、遠く向日葵(ひまわり)の花がこちらを向いて咲いている姿が目に入った。夏の日差しを浴びて、明るく、まるい形のその花は、私のために帽子をふって、ふるさとへと迎えてくれているようである。

向日葵の姿に、ふと少年の日の作者自身の姿を見たのかもしれない。(句切れなし)

※作者寺山修司(てらやましゅうじ)がネフローゼ(腎臓病のひとつ)で入院し、その後退院して一時青森に帰郷した頃に詠(よ)まれた。


わ行

 
わが庵(いお)は松原つづき海近く
 富士の高嶺(たかね)を軒端(のきば)にぞ見る

(太田道灌)

私の粗末な住まいと言えば、松林の続く海の近く、富士山の雄姿を家の軒から眺望(ちょうぼう)できるような所です。

作者、太田道灌(おおたどうかん)が上洛(じょうらく:京都に上ること)し、室町幕府八代将軍、足利義政に謁見(えっけん:貴人に会見すること)した際、義政に武蔵野の風景を尋ねられて詠んだ歌。

※太田道灌(おおたどうかん)… 室町時代の武将。1457年に江戸城を築いた。築城、兵馬、和歌など文武に優れた。
わが君(きみ)は千代(ちよ)に八千代(やちよ)に
 さざれ石のいわおとなりて苔(こけ)のむすまで

(よみ人知らず)

私のお仕え申し上げるあなたさまは、千年も幾(いく)千年も限りなく長生きをなさいますように。細かな石が成長して大岩となり、それに苔(こけ)が生えるようになるまで、長く長く栄えますように。

自分の使えている君(きみ)が、いつまでも長生きであるようにと願う長寿の歌である。(二句切れ)

※君(きみ)… 自分の使えている君(きみ)のこと。天皇をさすとは限らない。
※千代に八千代に… 千年にも幾(いく)千年にも。限りない年数を表す。
※さざれ石… 小さな石。
※巌(いわお)… 大きな岩。小さな石が成長して大きな岩となるというのは、長い年月の経過を象徴している。
※むす… 生える。大きな岩に苔(こけ)が生えるというのも、長い年月の経過の象徴。

※平安時代中期の「和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)」には、初句が「君が代は」となっている。今日の日本の国家の原典となった。
わが園に梅の花散る
 
ひさかたの天(あめ)より雪の流れ来るかも

(大伴旅人)

我が家の庭園に梅の花が散っている。いや、これは、大空から雪が流れ落ちて来るのだろうかなあ。

梅の花が散る美しい光景に心を奪われている中で、ふと、それが舞い落ちる雪に錯覚された際の情調が詠(うた)われている。(二句切れ)

※わが園に… 私の家の庭園に。
※梅の花散る… 梅の花が散る(散っている)。
※天(あめ)より雪の… 空から雪が。
※流れ来るかも… 流れて来るのかなあ。
※かも… 〜だなあ、〜かなあ。「かも」は平安時代以降は「かな」に取って代わる。

★「ひさかたの」は、「天(あめ)」にかかる枕詞(まくらことば)。
枕詞一覧表

※天平二年(730年)正月十三日、太宰府の長官だった旅人邸で梅花の宴(うたげ)が催された際に詠(よ)まれた。
若(わか)の浦(うら)にしおみちくればかたをなみ
 あしべをさしてたずなきわたる

(山部赤人)

若の浦(わかのうら)に潮が満ち、干潟(ひがた)が消えてしまうと餌(えさ)をとることが出来ないので、葦(あし)の生える岸辺を目指して、鶴(つる)の群れが鳴きながら飛んで行く。

美しい入江の海上の風景を動的にとらえ、写像(しゃぞう)も鮮明である。(句切れなし)

※若の浦(わかのうら)… 現和歌山市和歌浦の玉津神社付近。
我(わ)が母よ死にたまひ(い)ゆく我が母よ
 我(わ)を生まし乳(ち)足(た)らひし母よ

(斎藤茂吉)

私の母よ、死んでゆかれようとする私の母よ。私を生み育ててくださった、愛する母よ。(句切れなし)

※大正2年5月23日、茂吉(もきち)が31歳の時、母守谷いくが脳溢血(のういっけつ)のため亡(な)くなっている。享年(きょうねん)58歳。

※「
のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にいてたらちねの母は死にたまふ(もう)なり」の項を参照のこと。
わが宿に咲ける藤(ふじ)なみ立ちかへ(え)り
 過ぎか(が)てにのみ人の見るらん

(凡河内躬恒)

私の家の庭に咲いている藤(ふじ)の花を、門口(かどぐち)を往来する人が、皆引き返しては、さも通り過ぎにくそうにして眺(なが)めやっているのはどうしてなのだろう。私の家の藤が、よほど美しく人を魅了(みりょう)するらしい。(句切れなし)

※わが宿の… 私の家の庭。
※藤なみ… 垂(た)れなびいて咲く藤の花。
※立ちかへ(え)り… 一度行き過ぎてから、また引き返して。
※過ぎかてに… 通り過ぎにくそうにして。
※のみ… 〜ばかりして。
※見るらん… 見るのだろうか。

わが宿の池の藤(ふじ)なみ咲きにけり
 山ほととぎすいつか来(き)鳴かん

(よみ人知らず)

私の家の池のほとりの藤(ふじ)の花房(はなぶさ)が咲きそろったことだ。山ホトトギスはいつここへやって来て鳴いてくれるだろうか。早く来て鳴いてほしいものだ。

藤の花が咲いた折(おり)、ホトトギスの到来を心待ちにする思いを詠(うた)っている。(三句切れ)

※わが宿… 私の家の庭。
※藤なみ… 垂(た)れなびいて咲く藤の花。
※山ほととぎす… 夏になるとホトトギスは山から里に出て来て鳴くと考え、まだ里に出る前のホトトギスを「山ホトトギス」という。

わが宿のいささ群竹(むらたけ)吹く風の
 音のかそけきこの夕(ゆうべ)かも

(大伴家持)

私の家の庭に少しばかり群がり生えている竹の、その茂みに吹く風のかすかな音が寂(さび)しくしみじみと感じられる、この夕暮れであることだ。(句切れなし)
わずかに見えし余光(よこう)のあかね
 海は昏(く)れて嵐(あらし)を避(さ)くるタンカーの灯ら

(近藤芳美)

暮れた空には、わずかに余光(よこう)の茜色(あかねいろ)が見えてはいるものの、海は既に暗い闇(やみ)に包まれて静まっている。やがて襲来する嵐(あらし)を避(さ)けて、じっと身を潜(ひそ)めるようにして停泊するタンカーらの、いかにも頼りなげな灯(ひ)が、暗い海上の所々で見えている。

嵐が来る前の海上の不穏(ふおん)な情景である。(句切れなし)

※余光(よこう)… 日没後にも残る空の明るさ。

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