俳句&短歌つあー 中学受験 学習用資料 俳句・短歌 作品及び通釈

(本日は番目のアクセスです。また昨日は人のご来場者がありました)

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学習用資料 俳句の通釈と鑑賞 学習用資料 短歌の通釈と鑑賞
〈1〉俳句作品 (あ行)
〈2〉俳句作品 (か〜さ行)
〈3〉俳句作品 (た〜は行)

〈4〉俳句作品 (ま〜わ行)


※現在「俳句」のコンテンツについて全面的に追補・修正、およびイメージ画像添付等の作業中です。ご迷惑をお掛け致します。
※いつ終わるかわかりません。(2010年3月〜)
〈1〉短歌作品 (あ行)
〈2〉短歌作品 (か〜さ行)

〈3〉短歌作品 (た〜は行)
〈4〉短歌作品 (ま〜わ行)

※「短歌」のコンテンツについて全面的に追補・修正を行い、イメージ画像も添付する予定ですが、作業開始時期は現在のところ未定です。ご迷惑をお掛け致します。
季語一覧表はこちら 

短歌には季語を詠(よ)み込むという決まりはありませんが、俳句には季語を必ず一つ詠み込むのが作法となっています。
枕詞一覧表はこちら 

俳句には季語を必ず一つ詠(よ)み込むことが作法となっていますが、短歌にはそのような決まりはありません。
 旧暦・西暦の相互変換 

掲載俳句:作者名・作品一覧
江戸時代の俳人・作品一覧(五十音順)

明治時代以後の俳人・作品一覧(五十音順)

■現在、以下「俳句」のコンテンツについて全面的に追補・修正、
およびイメージ画像添付等の作業中です。
「や行」の途中までひととおり作業が済んでおります。
その後、再度全面的な見直しを行う予定ですが、作業開始時期は未定です。
ご迷惑をお掛け致します。
■いつ終わるかわかりません。(作業開始:2010年3月〜)
■記事に関する誤り等、ご指摘いただければ幸いです。メール
■池西言水(いけにしごんすい)
 木枯の果はありけり海の音 (冬)

■上島鬼貫(うえじまおにつら)
 ・秋風の吹きわたりけり人の顔 (秋)
 ・
行水の捨てどころなし虫の声 (秋)
 
■榎本其角(えのもときかく) 後、宝井其角(たからいきかく)
 ・
鶯の身を逆に初音かな (春)
 ・
鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春 (春)
 ・名月や畳の上に松の影 (秋)
 ・
夕立や家をめぐりてなく家鴨 (夏)
 ・
我がと思へば軽し笠の上 (冬)
 

■大島蓼太(おおしまりょうた)
 ・五月雨やある夜ひそかに松の月 (夏)
 ・
世の中は三日見ぬ間に桜かな (春)

■加賀千代女(かがのちよじょ)
 ・
朝顔につるべ取られてもらひ水 (秋)
 ・月の夜や石に出て鳴くきりぎりす (秋)

■小林一茶(こばやしいっさ)
 ・
秋の夜や障子の穴が笛を吹く (秋)
 ・蟻の道雲の峰よりつづきけん (夏)
 ・石仏誰が持たせし草の花 (秋)
 ・
牛の子が旅に立つなり秋の雨 (秋)
 ・
うまさうな雪がふうはりふうはりと (冬)
 ・馬の子の故郷はなるる秋の雨 (秋)
 ・大ぼたるゆらりゆらりと通りけり (夏)
 ・是がまあ終の栖か雪五尺 (冬)
 ・すず風の曲がりくねって来たりけり (夏)
 ・すず風や力いっぱいきりぎりす (夏)
 ・雀の子そこのけそこのけお馬が通る (春)
 ・大根引き大根で道を教へけり (春)
 ・ともかくもあなたまかせの年の暮 (冬)
 ・
鳴く猫に赤ん目をして手毬かな (新年)
 ・亡き母や海見る度に見る度に (無季語)
 ・夏山や一足づつに海見ゆる (夏)
 ・寝返りをするぞそこのけきりぎりす (秋)
 ・春雨や喰はれ残りの鴨が鳴く (春)
 ・
麦秋や子を負ひながらいはし売り (夏)
 ・椋鳥と人に呼ばるる寒さかな (冬)
 ・名月をとってくれろと泣く子かな (秋)
 ・目出度さもちう位なりおらが春 (新年)
 ・やせ蛙負けるな一茶これにあり (春)
 ・やれ打つなはえが手をすり足をする (夏)
 ・
雪とけて村いっぱいの子どもかな (春)
 ・われと来て遊べや親のないすずめ (春)

■斯波園女(しばそのめ)
 ・負うた子に髪なぶらるる暑さかな (夏)

■宝井其角(たからいきかく) ※榎本其角(えのもときかく)
 ・鶯の身を逆に初音かな (春)
 ・鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春 (春)
 ・名月や畳の上に松の影 (秋)
 ・
夕立や家ををめぐりてなく家鴨 (夏)
 ・
我が雪と思へば軽し笠の上 (冬)
 
■炭太祇(たんたいぎ)
 ・
橋落ちて人岸にあり夏の月 (夏)
 ・麦秋やほこりにかすむ昼の鐘 (夏)

■内藤丈草(ないとうじょうそう)
 ・
鶯や茶の木畑の朝月夜 (春)

■野沢凡兆(のざわぼんちょう)
 ・
長々と川一筋や雪野原 (冬)

■服部嵐雪(はっとりらんせつ)
 ・梅一輪一輪ほどの暖かさ (春、または冬)
 ・黄菊白菊その外の名は無くもがな (秋)
 ・蒲団着て寝たる姿や東山 (冬)
 


■松尾芭蕉(まつおばしょう)

 ・あかあかと日は難面も秋の風 (秋)
 ・秋深き隣は何をする人ぞ (秋)
 ・荒海や佐渡に横たふ天河(天の川) (秋)
 ・あらたふと青葉若葉の日の光 (夏)
 ・いざ子ども走りありかん玉霰 (冬)
 ・いざ行かむ雪見にころぶ所まで (冬)
 ・埋火や壁には客の影法師 (冬)
 ・馬ぼくぼく我を絵にみる夏野かな (夏)
 ・馬をさへ眺むる雪の朝かな (冬)
 ・海暮れて鴨の声ほのかに白し (冬)
 ・梅が香にのっと日の出る山路かな (春)
 ・おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな (夏)
 ・枯枝に烏のとまりけり秋の暮 (秋)
 ・潅仏の日に生れあふ鹿の子かな (夏)
 ・菊の香や奈良には古き仏たち (秋)
 ・君火をたけよき物見せむ雪丸げ (冬)
 ・草臥れて宿借るころや藤の花 (春)
 ・木枯に岩吹きとがる杉間かな (冬)
 ・この道や行く人なしに秋の暮れ (秋)
 ・
五月雨を集めて早し最上川 (夏)
 ・閑かさや岩にしみ入る蝉の声 (夏)
 ・白露もこぼさぬ萩のうねりかな (秋)
 ・旅人と我が名呼ばれん初時雨 (冬)
 ・旅に病んで夢は枯野をかけめぐる (冬)
 ・夏草や兵どもが夢の跡 (夏)
 ・葱白く洗ひたてたる寒さかな (冬)
 ・野ざらしを心に風のしむ身かな (秋)
 ・箱根こす人もあるらし今朝の雪 (冬)
 ・初時雨猿も小蓑をほしげなり (冬)
 ・花の雲鐘は上野か浅草か (春)
 ・ひばりより上にやすらふ峠かな (春)
 ・吹きとばす石は浅間の野分かな (秋)
 ・古池やかはづ飛びこむ水の音 (春)
 ・ふるさとや臍の緒に泣く年の暮 (冬)
 ・ほろほろと山吹散るか滝の音 (春)
 ・道のべの木槿は馬に食はれけり (秋)
 ・名月や池をめぐりて夜もすがら (秋)
 ・物言へば唇寒し秋の風 (秋)
 ・やがて死ぬ気色は見えず蝉の声 (夏)
 ・やせながらわりなき菊のつぼみかな (秋)
 ・山里は万歳遅し梅の花 (春)
 ・山路来て何やらゆかしすみれ草 (春)
 ・行く春や鳥啼き魚の目はなみだ (春)
 ・よく見れば薺花さく垣根かな (春)
 ・六月や峰に雲置く嵐山 (夏)

■向井去来(むかいきょらい)
 ・動くとも見えで畑打つ男かな (春)
 ・君が手もまじるなるべし花薄 (秋)

■山口素堂(やまぐちそどう)
 ・
目には青葉山ほととぎす初がつを (夏)

■与謝蕪村(よさぶそん)
 ・朝顔や一輪深き淵の色 (秋)
 ・愁ひつつ岡に登れば花いばら (夏)
 ・斧入れて香に驚くや冬木立 (冬)
 ・五月雨や大河を前に家二軒 (夏)
 ・夏河を越すうれしさよ手に草履 (夏)
 ・菜の花や月は東に日は西に (春)
 ・春雨やものがたりゆく蓑と傘 (春)
 ・春の海終日のたりのたりかな (春)
 ・不二ひとつうづみ残して若葉かな (夏)
 ・牡丹散ってうち重なりぬニ三片 (夏)
 ・宿かせと刀投げ出す吹雪かな (冬)
 ・柳散り清水かれ石ところどころ (冬・秋)
 ・山は暮れて野は黄昏のすすきかな (秋)
 ・夕立や草葉をつかむ群雀 (夏)

■その他
 ・うたたねの顔へ一冊屋根にふき (川柳)


■芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)
 ・青蛙おのれもペンキぬりたてか (夏)

■阿波野青畝(あわのせいほ)
 ・
赤い羽つけらるる待つ息とめて (秋)

■飯田蛇笏(いいだだこつ)
 ・
秋たつや川瀬にまじる風の音 (秋)
 ・芋の露連山影を正しうす (秋)
 ・折りとりてはらりとおもき芒かな (秋)
 ・くろがねの秋の風鈴鳴りにけり (秋)

■飯田龍太(いいだりゅうた)
 ・
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな (秋)

■石田波郷(いしだはきょう)
 ・
雀らも海かけて飛べ吹き流し (夏)
 ・吹きおこる秋風鶴を歩ましむ (秋)

■荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)
 ・
月光ほろほろ風鈴に戯れ (無季自由律)
 ・棹さして月のただ中 (無季自由律)
 ・空はさびしよ家あらば烟をあげよ (無季自由律)
 ・わらやふる雪つもる (無季自由律)

■尾崎放哉(おざきほうさい)
 ・犬よちぎれるほど尾をふってくれる (無季自由律)
 ・入れ物がない両手で受ける (無季自由律)
 ・咳をしても一人 (無季自由律)
 
■加藤楸邨(かとうしゅうそん)
 ・鰯雲人に告ぐべきことならず (秋)
 ・
寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃 (冬)
 木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ (冬)
 ・しづかなる力満ちゆきはたはた(ばった)とぶ (秋)
 ・
長き長き春暁の貨車なつかしき (春)
 ・
初つばめ父子に友の来てゐる日 (春)
 ・冬の浅間は胸を張れよと父のごと (冬)
 
■川端芽舎(かわばたぼうしゃ)
 ・
一連の露りんりんと糸芒 (秋)
 ・金剛の露ひとつぶや石の上 (秋)
 ・ぜんまいののの字ばかりの寂光土 (春)

■河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)
 ・
赤い椿白い椿と落ちにけり (春)
 ・一軒家もすぎ落葉する風のままに行く (無季自由律)
 ・この道の富士になりゆく芒かな (秋)
 ・
曳かれる牛が辻でずっと見廻した秋空だ (秋)

■黒田杏子(くろだももこ)
 ・
白ねぎのひかりの棒をいま刻む (冬)

■斎藤空華(さいとうくうげ)
 ・
短夜のあさきゆめみし寝冷かな (夏)

■西東三鬼(さいとうさんき)
 ・算術の少年しのび泣けり夏 (夏)
 ・春園のホースむくむく水とおる (春)

■篠原梵(しのはらぼん)
 ・
葉桜の中の無数の空さわぐ (夏)

■高野素十(たかのすじゅう)
 ・
ひっぱれる糸まっすぐや甲虫 (夏)
 ・方丈の大庇より春の蝶 (春)

■高浜虚子(たかはまきょし)
 ・
秋空を二つに断てり椎大樹 (秋)
 ・遠足のおくれ走りてつながりし (春)
 ・大空に羽子の白妙とどまれり (新年)
 ・大空にまたわき出でし小鳥かな (秋)
 ・風吹けば来るや隣の鯉幟 (夏)
 ・桐一葉日当たりながら落ちにけり (秋)
 ・金亀子擲(なげう)つ闇の深さかな (夏)
 ・たたずめば落ち葉ささやく日向かな (冬)
 ・遠山に日の当たりたる枯野かな (冬)
 ・流れゆく大根の葉の早さかな (冬)
 ・
白牡丹といふといへども紅ほのか (夏)
 ・
春風や闘志いだきて丘に立つ (春)
 ・山おりて人なつかしや夕蛙 (春)


■種田山頭火(たねださんとうか)

 ・
分け入っても分け入っても青い山 (無季自由律)

■富安風生(とみやすふうせい)
 ・秋風に山羊をつないで雲遠し (秋)
 ・秋晴れや宇治の大橋横たわり (秋)
 ・まさをなる空よりしだれざくらかな (春)

■内藤鳴雪(ないとうめいせつ)
 ・
矢車に朝風強き幟かな (夏)
 ・わが声の吹きもどさるる野分かな (秋)

■中村草田男(なかむらくさたお)
 ・乳母車揺るる林檎を持ちつづけ (秋)
 ・校塔に鳩多き日や卒業す (春)
 ・下雲へ下雲へ夕焼け移り去る (夏)
 ・松籟や百日の夏来たりけり (夏)
 ・蒲公英のかたさや海の日も一輪 (春)
 ・
万緑の中や吾子の歯生え初むる (夏)
 ・降る雪や明治は遠くなりにけり (冬)
 ・町空のつばくらめのみ新しや (春)
 
■中村汀女(なかむらていじょ)
 ・風邪の子が留守あづかるといひくれし (冬)
 ・春暁や水ほとばしり瓦斯燃ゆる (春)
 ・咳の子のなぞなぞ遊びきりもなや (冬)
 ・外にも出よ触るるばかりに春の月 (春)
 ・わかし湯に切っ先青き菖蒲かな (夏)

■夏目漱石(なつめそうせき)
 ・うかうかと我門過る月夜かな (秋)
 ・雲の峰雷を封じて聳えけり (夏)
 ・凩や海に夕日を吹き落とす (冬)
 ・叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな (夏)
 ・
東西南北より吹雪かな (冬)
 ・菜の花の中へ大きな入日かな (春)
 ・ぶつぶつと大なるたにしの不平かな (春)
 ・わが影の吹かれて長き枯野かな (冬)
 ・別るるや夢一筋の天の川 (秋)

■橋本多佳子(はしもとたかこ)
 ・
暖炉燃え末子は父のひざにある (冬)
 ・星空へ店よりりんごあふれをり (秋)

■原石鼎(はらせきてい)
 ・
頂上や殊に野菊の吹かれ居リ (秋)

■日野草城(ひのそうじょう)
 ・
船の名の月に読まるる港かな (秋)

■星野立子(ほしのたつこ)
 ・
赤とんぼ葉末にすがり前のめり (秋)

■正岡子規(まさおかしき)
 ・赤とんぼ筑波に雲もなかりけり (秋)
 ・紫陽花やきのふの誠けふの嘘 (夏)
 ・
いくたびも雪の深さを尋ねけり (冬)
 ・
柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺 (秋)
 ・
鶏頭の十四五本もありぬべし (秋)
 ・山茶花を雀のこぼす日和かな (冬)
 ・
島々に灯をともしけり春の海 (春)
 ・大仏の足もとに寝る夜寒かな (秋)
 ・
年玉をならべて置くや枕元 (新年)
 ・
灯ともせば雛に影あり一つづつ (春)
 ・
糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな (夏)
 ・毎年よ彼岸の入に寒いのは (春)
 ・見下せば里は稲刈る日和かな (秋)
 ・夕風や白薔薇の花皆動く (夏)
 ・雪残る頂一つ国境 (春)
 ・若鮎の二手になりてのぼりけり (春)
 

■松本たかし(まつもとたかし)
 ・
玉のごとき小春日和を授かりし (冬)
 ・とっぷりと後ろ暮れゐし焚き火かな (冬)
 ・眼にあてて海が透くなり桜貝 (春)
 ・雪だるま星のおしゃべりぺちゃくちゃと (冬)
 

■黛まどか(まゆずみまどか)
 ・
妹を泣かして上がる絵双六 (新年)

■水原秋桜子(みずはらしゅうおうし)
 ・
池さびし菖蒲の少し生ひたれど (夏)
 ・
落ち葉焚くけむりまとひて人きたる (冬)
 ・
啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々 (秋)
 ・桑の葉の照るに堪へゆく帰省かな (夏)
 ・跳躍台人なしプール真青なり (夏)
 ・梨咲くと葛飾の野はとの曇り (春)
 ・麦秋の中なるが悲し聖廃墟 (夏)
 ・日焼け顔見合ひてうまし氷水 (夏)
 ・法師ぜみ鳴く新学期始まれり (秋)
 ・むさしのの空真青なる落葉かな (冬)
  
■村上鬼城(むらかみきじょう)
 ・生きかはり死にかはりして打つ田かな (春)
 ・街道をキチキチととぶばったかな (秋)
 ・川底に蝌蚪の大国ありにけり (春)
 ・小春日や石を噛み居る赤蜻蛉 (冬)
 ・残雪やごうごうと吹く松の風 (春)
 ・蝉取りのぢぢと鳴かして通りけり (夏)
 ・花散るや耳ふって馬のおとなしさ (春)
 ・
冬蜂の死にどころなく歩きけり (冬)
 
■山口誓子(やまぐちせいし)
 ・無花果のゆたかに実る水の上 (秋)
 ・海に出て木枯らし帰るところなし (冬)
 ・学問のさびしさに堪へ炭をつぐ (冬)
 ・匙なめて童楽しも夏氷 (夏)
 ・スケートのひも結ぶ間もはやりつつ (冬)
 ・つきぬけて天上の紺曼珠沙華 (秋)
 ・天よりもかがやくものは蝶の翅 (春)
 ・夏草に汽罐車の車輪来て止る (夏)
 ・ピストルがプールの硬き面にひびき (夏)

■山口青邨(やまぐちせいそん)
 ・咲きみちて庭盛り上がる桜草 (春)




掲載短歌:作者名・作品一覧

江戸時代以前の歌人・作品一覧(五十音順)

明治時代以後の歌人・作品一覧(五十音順)

■上記「俳句一覧」は各句リンク処理を終えていますが、
当欄「短歌一覧」でのリンク処理については、現在作業中です。
ホームページビルダーの機能的不具合
(リンクの文字色指定が実行されない、改段落指定が実行されない等)、また、
その他の事情により、作業終了時期が未定です。半年ほどかかる見込みです。
(作業開始:2013年9月14日)
ご迷惑をお掛けいたします。
「短歌」のコンテンツについて、
「俳句」のコンテンツ同様に全面的に追補・修正を行い、
イメージ画像も添付する予定ですが、
作業開始時期は現在のところ未定です。
ご迷惑をお掛けいたします。

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ペットボトル風車の作り方(CDを加工したキラキラ風車です)
ウインドサーフィン日記(ドラム練習日記)

■阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)
 ・天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも

■有馬皇子(ありまのみこ)
 ・家にあれば笥にもる飯を草まくら旅にしあれば椎の葉にもる

■在原業平(ありわらのなりひら)
 ・ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは
 ・名にしおはばいざ言問わむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
 ・世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

■在原行平(ありわらのゆきひら)
 ・立ちわかれいなばの山の峰に生ふる松とし聞かばいま帰り来む

■大江千里(おおえのちさと)
 ・月見ればちぢに物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど

■凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
 ・春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる
 ・わが宿に咲ける藤なみ立ちかへり過ぎかてにのみ人の見るらん

■太田道灌(おおたどうかん)
 ・わが庵は松原つづき海近く富士の高嶺を軒端にぞ見る

■大伴家持(おおとものやかもち)
 ・うらうらに照れる春日に雲雀あがり情悲しも独りし思へば
 ・春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ
 ・わが園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも
 ・わが宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも

■他田舎人大島(おさだのとねりおおしま)
 ・唐衣裾に取りつき泣く子らを置きてぞ来ぬや母なしにして
 
■小野老(おののおゆ)
 ・あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今さかりなり

■小野小町(おののこまち)
 ・花の色はうつりにけりないたづらに我が身よにふるながめせし間に

■柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
 ・近江の海夕浪千鳥汝が鳴けば情もしのに古思ほゆ
 ・東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ

■紀貫之(きのつらゆき)
 ・袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ
 ・人はいさ心も知らずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける

■紀友則(きのとものり)
 ・ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

■清原深養父(きよはらのふかやぶ)
 ・夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらん

光孝天皇(こうこうてんのう)
 ・君がため春の野にいでて若菜つむわが衣手に雪はふりつつ

■小式部内侍(こしきぶのないし)
 ・大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立

■西行法師(さいぎょうほうし)
 ・心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ
 ・鈴鹿山うき世をよそに振りすてていかになり行くわが身なるらむ
 ・道のべに清水流るる柳かげしばしとてこそ立ちとまりつれ

■坂上是則(さかのうえのこれのり)
 ・あさぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪

■志貴皇子(しきのみこ)
 ・石ばしる垂水の上のさわらびのもえいずる春になりにけるかも

■持統天皇(じとうてんのう)
 ・春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香具山
  (春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山)


■寂連法師(じゃくれんほうし)
 ・寂しさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕ぐれ

式子内親王(しきしないしんのう・しょくしないしんのう)
 ・玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする
 ・山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水

■舒明天皇(じょめいてんのう)
 ・夕されば小倉の山に鳴く鹿のこよいは鳴かずい寝にけらしも

■蝉丸(せみまる)
 ・これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬもあふ坂の関

■平忠度(たいらのただのり)
 ・さざなみや志賀の都はあれにしを昔ながらの山ざくらかな

■太上天皇(だじょうてんのう (後鳥羽上皇(ごとばじょうこう))
 ・ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山かすみたなびく

■橘曙覧(たちばなあけみ)
 ・たのしみはあき米櫃に米いで来今一月はよしといふとき
 ・たのしみは朝おきいでて昨日まで無りし花の咲ける見る時
 ・たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
 ・たのしみはすびつのもとに打ち倒れゆすり起こすも知らで寝し時
 ・たのしみはそぞろ読ゆく書の中に我とひとしき人をみし時
 ・たのしみは機おりたてて新しきころもを縫て妻が着する時
 ・たのしみは書よみ倦るをりしもあれ聲知る人の門たたく時
 ・たのしみはまれに魚煮て子らがみなうましうましといひて食うとき
 ・たのしみは三人の児どもすくすくと大きくなれる姿みる時
 ・たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時
 ・たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食て火にあたる時

■能因法師(のういんほうし)
 ・都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関

■藤原家隆(ふじわらのいえたか)
 ・志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づる有明の月

■藤原定家(ふじわらのていか・ふじわらのさだいえ)
 ・駒とめて袖うち払うかげもなし佐野のわたりの雪の夕ぐれ
 ・春の夜の夢の浮き橋とだえして峰にわかるる横雲の空
 ・見わたせば花ももみじもなかりけり浦のとまやの秋の夕暮

■藤原俊成ふじわらのとしなり・しゅんぜい)
 ・夕されば野辺の秋風身にしみてうづら鳴くなり深草の里

■藤原敏行(ふじわらのとしゆき)
 ・秋来(き)ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

■藤原雅経(ふじわらのまさつね)
 ・み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり

■藤原良経(ふじわらのよしつね)
 ・み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春は来にけり

■文屋康秀(ふんやのやすひで)
 ・吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ

■源兼昌(みなもとのかねまさ)
 ・淡路島かよう千鳥の鳴く声にいくよねざめぬ須磨の関守

■源実朝(みなもとのさねとも)
 ・大海の磯もとどろに寄する波割れてくだけてさけて散るかも
 ・箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ

■源経信(みなもとのつねのぶ)
 ・夕されば門田の稲葉おとずれて芦のまろやに秋風ぞ吹く

■源宗于(みなもとのむねゆき)
 ・山里は冬ぞさびしさまさりける人めも草もかれぬと思へば

■源義家(みなもとのよしいえ)
 ・吹く風をなこその関と思へども道もせに散るやまざくらかな

■壬生忠岑(みぶのただみね)
 ・み吉野の山の白雪踏み分けて入りにし人のおとづれもせぬ
 ・山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目をさましつつ

■本居宣長(もとおりのりなが)
 ・しきしまのやまと心を人とわば朝日ににほふ山ざくら花

■紫式部(むらさきしきぶ)
 ・めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな

■山上憶良(やまのうえのおくら)
 ・瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばましてしぬばゆ
  いずくより来たりしものぞ眼交にもとなかかりて安寝)しなさぬ(長歌)
 ・憶良らは今はまからむ子なくらむそれその母も吾を待つらむぞ
 ・銀も金も玉も何せんにまされる宝子にしかめやも

■山部赤人(やまべのあかひと)
 ・田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ不尽の高嶺に雪は降りける
  (田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
 ・春の野にすみれ採みにと来しわれぞ野をなつかしみひと夜ねにける
 ・み吉野の象山の際の木末にはここだも騒く鳥の声かも
 ・若の浦にしおみちくればかたをなみあしべをさしてたずなきわたる

■良岑宗貞(よしみねのむねさだ(僧正遍照(そうじょうへんじょう))
 ・天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ
 ・はちす葉のにごりにしまぬ心もてなにかは露を玉とあざむく

■良寛(りょうかん)
 ・かすみたつ長き春日をこどもらとてまりつきつつきょうもくらしつ
 ・子どもらと手まりつきつつこの里に遊ぶ春日は暮れずともよし
 ・月よみの光を待ちて帰りませ山路は栗のいがのしげきに

■その他
 ・あしひきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む(よみ人知らず)
 ・奥山にもみぢ踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき(よみ人知らず)
 ・白雲に羽うちかわしとぶ雁の数さえ見ゆる秋の夜の月(よみ人知らず)
 ・父母が頭かき撫で幸くあれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる
(防人歌より、丈部稲麻呂)
 ・ほのぼのと明石の浦の朝霧に島隠れゆく舟をしぞ思ふ(よみ人知らず)
 ・わが君は千代に八千代にさざれ石のいわおとなりて苔のむすまで(よみ人知らず)
 ・わが宿の池の藤なみ咲きにけり山ほととぎすいつか来鳴かん(よみ人知らず)

■会津八一(あいずやいち)
 ・あめつちにわれひとりゐてたつごときこのさびしさをきみはほほゑむ
 ・いかるがのさとのをとめはよもすがらきぬはたおれりあきちかみかも
 ・くさふめばくさにかくるるいしずゑのくつのはくしゃにひびくさびしさ

■石川啄木(いしかわたくぼく)
 ・雨に濡れし夜汽車の窓に映りたる山間の町のともしびの色
 ・石をもて追わるるごとくふるさとを出でしかなしみ消ゆる時なし
 ・いのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指の間より落つ
 ・かにかくに渋民村は恋しかりおもいでの山おもいでの川
 ・汽車の窓はるかに北にふるさとの山見え来れば襟を正すも
 ・薬のむことを忘れて、ひさしぶりに、母にしかられしをうれしと思へる
 ・こころよく我にはたらく仕事あれそれを仕遂げて死なむとぞ思ふ
 ・不来方のお城の草に寝ころろびて空に吸はれし十五の心
 ・そのかみの神童の名のかなしさよふるさとに来て泣くはそのこと
 ・それとなく郷里のことなど語り出でて秋の夜に焼く餅のにほひかな
 ・たわむれに母を背負いてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず
 ・東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹(とたわむる
 ・なつかしき故郷にかへ思ひあり、久し振りにて汽車に乗りしに。
 ・はたはたと黍の葉鳴れるふるさとの軒端なつかし秋風吹けば
 ・はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る
 ・馬鈴薯のうす紫の花に降る雨を思へり都の雨に
 ・晴れし空仰げばいつも口笛を吹きたくなりて吹きてあそび
 ・ふと思ふふるさとにゐて日毎聴きし雀の鳴くを三年聴かざり
 ・ふるさとのなまりなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく
 ・ふるさとの山に向かひて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな
 ・まくら辺に子をすわらせて、まじまじとその顔を見れば、逃げてゆきしかな
 ・やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに

石川不ニ子(いしかわふじこ)
 ・梨畑に袋かけをればジェット機は風に流さるるごとく過ぎゆく

■伊藤左千夫(いとうさちお)
 ・おりたちて今朝の寒さをおどろきぬ露しとしとと柿の落ち葉深く
 ・しばらくを三間うちぬきて夜ごと夜ごと子らが遊ぶに家わきかへる
 ・牀のうへ水こえたれば夜もすがら屋根のうらべにこほろぎの鳴く

■岡本かの子(おかもとかのこ)
 ・桜ばないのち一ぱい咲くからに生命をかけてわが眺めたり

■落合直文(おちあいなおぶみ)
 ・霜やけの小さき手してみかんむく我が子しのばゆ風の寒きに
 ・父君よ今朝はいかにと手をつきて問ふ子を見れば死なれざりけり
 ・父と母といずれがよきと子に問えば父よと言いて母をかえりみぬ
 ・山寺の石のきざはしおりくれば椿こぼれぬ右にひだりに

■尾上柴舟(おのえさいしゅう)
 ・つけ捨てし野火の烟のあかあかと見えゆくころぞ山は悲しき

■金子薫園(かねこくんえん)
 ・鳳仙花照らすゆふ日におのづからその実のわれて秋くれむとす

■北原白秋(きたはらはくしゅう)
 ・石がけに子ども七人こしかけて河豚を釣りをり夕焼け小焼け
 ・いつしかに春の名残となりにけり昆布干場のたんぽぽの花
 ・草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝て削るなり
 ・飛びあがり宙にためらふ雀の子羽たたきて見居りその揺るる枝を
 ・春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕べ
 ・昼ながら幽かに光る蛍一つ孟宗の藪を出でて消えたり
 ・病める児はハモニカを吹き夜に入りぬもろこし畑の黄なる月の出

■木下利玄(きのしたりげん)
 ・妹の小さき歩みいそがせて千代紙買いに行く月夜かな
 ・遠足の小学生徒うちょうてんに大手ふりふり往来とほる
 ・子どもらは列をはみ出しわき見をしさざめきやめずひきいられ行(ゆ)く
 ・卵だきじっとふくらむめん鶏のすゑゐる眼の深きするどさ
 ・牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置の確かさ
 ・街をゆき子どものそばを通る時みかんの香せり冬がまた来る
 ・水ぐるま近きひびきにすこしゆれすこしゆれいるこでまりの花

■木俣修(きまたおさむ)
 ・あますなく小草は枯れて風に鳴るかなたに小さき山の中学

■窪田空穂(くぼたうつぼ)
 ・赤とんぼ早く現はれ捕りて食へ
 ・つばくらめ飛ぶかと見れば消え去りて空あをあをと遥かなるかな
 ・鳴く蝉を手握りもちてその頭をりをり見つつ童走せ来る

■五島美代子(ごとうみよこ)
 ・あけて待つ子の口のなかやはらかし粥運ぶ我が匙に触れつつ
 ・亡き子来て袖ひるがへしこぐとおもふ月白き夜の庭のブランコ
 
■近藤芳美(こんどうよしみ)
 ・わずかに見えし余光のあかね海は昏れて嵐を避くるタンカーの灯ら

■斎藤茂吉(さいとうもきち)
 ・朝あけて船より鳴れる太笛のこだまは長し並みよろふ山
 ・草の実のはぜ落つる音この谷のところどころに聞こえつつおり
 ・しずかなる峠をのぼり来し時に月の光は八谷を照らす
 ・死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかわず天に聞こゆる
 ・
のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にいてたらちねの母は死にたまふなり
 ・
みちのくの母の命を一目見ん一目見んとぞただにいそげる
 ・
我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足らひし母よ

■佐佐木幸綱(ささきゆきつな)
 ・噴水が輝きながら立ち上がる見よ天を指す光の束を

■佐々木信綱(ささきのぶつな)
 ・幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ
 ・ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲

■島木赤彦(しまぎあかひこ)
 ・清らなる山の水かも蟹とると石をおこせば水の流らふ
 ・この朝け霧おぼろなる木の影に日のけはいして鳥鳴きにけり
 ・信濃路はいつ春にならん夕づく日入りてしまらく黄なる空の色
 ・高槻の木末にありて頬白のさえづる春となりにけるかも
 ・福寿草の蒼いとほしむ幼な子や夜は囲炉裏の火にあてて居り
 ・みづうみの氷は解けてなほ寒し三日月の影波にうつろふ
 ・夕焼空焦げきはまれる下にして凍らむとする湖の静けさ
 ・雪降れば山よりくだる小鳥おほし障子のそとにひねもす聞こゆ
 ・隣室に書よむ子らの声聞けば心にしみて生きたかりけり

■釈迢空(しゃくちょうくう)
 ・葛の花踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり
 ・沢がにをもてあそぶ子に銭くれて赤きたなそこを我は見たり
 ・人も馬も道ゆきつかれ死にけり。旅寝かさなるほどのかそけさ

■俵万智(たわらまち)
 ・いつもより一分早く駅(えき)に着く一分君のこと考える
 ・思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ
 ・親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト
 ・今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海
 ・さくらさくらさくら咲き初め咲き終りなにもなかったような公園
 ・「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
 ・自転車のカゴからわんとはみ出してなにか嬉しいセロリの葉っぱ
 ・死というは日用品の中にありコンビニで買う香典袋
 ・四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら
 ・水平線を見つめて立てる灯台の光りては消えてゆくもの思い
 ・散るという飛翔のかたち花びらはふと微笑んで枝を離れる
 ・トーストの焼きあがりよく我が部屋の空気ようよう夏になりゆく
 ・何層もあなたの愛に包まれてアップルパイのリンゴになろう
 ・なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き
 ・白菜が赤帯しめて店先にうっふんうっふん肩を並べる
 ・はなび花火そこに光を見る人と闇を見る人いて並びおり
 ・母と娘のあやとり続くを見ておりぬ「川」から「川」へめぐるやさしさ
 ・ぶらんこにうす青き風見ておりぬ風と呼ばねば見えぬ何かを
 ・「また電話しろよ」「待ってろ」いつもいつも命令形で愛を言う君
 ・まっさきに気がついている君からの手紙いちばん最後にあける
 ・「もし」という言葉のうつろ人生はあなたに一度わたしに一度
 ・やさしいね陽のむらさきに透けて咲く去年の秋を知らぬコスモス
 ・やわらかな秋の陽ざしに奏(かな)でられ川は流れてゆくオルゴール
 ・四百円にて吾のものとなりたるを知らん顔して咲くバラの花
 
■土屋文明(つちやぶんめい)
 ・この三朝あさなあさなをよそほひし睡蓮の花今朝は開かず
 ・ただひとり吾より貧しき友なりき金のことにて交絶てり

■寺山修司(てらやましゅうじ)
 ・列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし

■土岐善麿(ときぜんまろ)
 ・槍投げて大学生の遊ぶ見ゆ大きなるかなこの楡の樹は

■長塚節(ながつかたかし)
 ・稲刈りてさびしく晴るる秋の野に黄菊はあまた目を開きたり
 ・馬追虫のひげのそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし
 ・白埴の瓶こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり
 ・
たらちねの母がつりたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども
 ・唐きびの花のこずえにひとつずつ蜻蛉をとめて夕さりにけり
 ・萩の上に雀とまりて枝ゆれて花はらはらと石にこぼるる

■橋田東声(はしだとうせい)
 ・遠き樹にひぐらしのこゑ鳴きそろひゆふべとなれば母のこひしき

■樋口一葉(ひぐちいちよう)
 ・いづくにかしるしの糸はつけぬらむ年々来鳴くつばくらめかな

■前田夕暮(まえだゆうぐれ)
 ・ひまわりは金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ
 ・道のべのたき火かこめる人びとの中にわけ入りあたらせてもらう

■正岡子規(まさおかしき)
 ・いちはつの花咲きいでて我が目には今年ばかりの春行かんとす
 ・瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり
 ・ガラス戸の外にすえたる鳥かごのブリキの屋根に月うつる見ゆ
 ・ガラス戸の外のつきよをながむれどランプのかげのうつりて見えず
 ・くれなゐのニ尺のびたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る
 ・寝しずまる里のともしびみな消えて天の川白し竹藪の上に
 ・松の葉の葉ごとに結ぶ白露の置きてはこぼれこぼれては置く

■宮柊ニ(みやしゅうじ)
 ・あたらしく冬きたりけり鞭のごと幹ひびき合ひ竹群はあり
 ・おとうさまと書き添へて肖像画の貼られあり何という吾が鼻のひらたさ
 ・群鶏の数を離れて風中に一羽立つ鶏の眼ぞ澄める

■与謝野晶子(よさのあきこ)
 ・海恋し潮の遠鳴り数えては少女となりし父母の家
 ・川ひとすぢ菜たね十里の宵月夜母が生まれし国美くしむ
 ・清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みな美しき
 ・金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に
 ・白雲のうつるところに小波の動き初めたる朝のみづうみ
 ・その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
 ・夏のかぜ山よりきたり三百の牧の若馬耳ふかれけり

■若山牧水(わかやまぼくすい)
 ・幾山河こえさりゆかばさみしさのはてなん国ぞきょうも旅ゆく
 ・いついつと待ちしさくらの咲き出でていまはさかりか風吹けど散らず
 ・ 一疋がさきだちぬれば一列につづきて遊ぶ鮒の子の群
 ・うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かんとすなり山桜花
 ・白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
 ・鈴鳴らす橇にか乗らむいないな先づこの白雪を踏みてか行かむ
 ・山かげは日暮れ早きに学校のまだ終わらぬか本読む声す

■その他 (作者不詳)
 ・帰り来ぬものを轢かれし子の靴をそろえ破れし服をつくろう
 ・かがやける少年の目よ自転車を買い与へんと言ひしばかりに
 ・戦争の話やめよと隣室の母するどければみな息ひそむ
 ・千メートル泳ぎ切りたる賞状を病気の父は笑みてうなずく
 ・亡き父のめがねをかけてふざけいる弟に父のおもかげしのぶ
 ・寝よ寝よと母の言う口ぐせを聞きながら解けぬ問題一つになやむ
 ・ふくらみて卵を抱けるめん鶏の眼をみすえてわれうたがえり
 ・へんとうせん切りて寝ている鼻先にみりんぼしやくにおいが流れる
 ・道ひろげる土地測量の人たちが巻尺のばすぼくらの枯れ野に
 ・病みがちの母は来ないことを知りながら参観日の教室にうしろふりむく
 ・やわらかく指をぬけてはひらひらと黄いろき蝶の杉垣を越ゆ
 ・ラジオ講座学ぶ女工に夜警所の机ゆずりて巡視に立てり




★ 本コンテンツにおける通釈・注釈は以下の文献、および諸ウェブ・サイト掲載記事を参考に行いました。記事内容における誤り等、ご指摘くだされば幸いです。尚、作品は随時追加してまいります。

参考文献
・「中学受験 ランク順 国語 俳句・短歌・詩152」 学研
・「中学入試 俳句・和歌・詩」 精選問題集 旺文社
・「通解 名歌辞典」(武田祐吉・土田知雄共著)創拓社
・「評解 名句辞典」(麻生磯次・小高敏郎共著)創拓社
・「要説 芭蕉・蕪村・一茶集」日栄社
・「要説 万葉・古今・新古今」日栄社
・「古典・読解と演習 芭蕉・蕪村・一茶名句集」(村井信彦著)朋友出版
・「文法全解 おくのほそ道」(飯田満寿男著)旺文社
・「文法全解 芭蕉名句」(湯沢賢之助著)旺文社
・「文法全解 蕪村・一茶名句」(川口芳秋著)旺文社
・「文法全解 古今集」(久保木哲夫著)旺文社
・「文法全解 新古今集」(斎藤純著)旺文社
・「文法全解 万葉集」(大久保廣行著)旺文社
・「評論 小倉百人一首」(三木幸信・中川浩文共著)京都書房
・「原色シグマ新国語便覧」 文英堂
・「社会人のための国語の常識(第二版)」 大修館書店、ほか

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 作成:2005年4月30日〜