「星野巨人」実現へ強い追い風!鷹・王監督も就任に賛成


 王さんも「巨人・星野」支持−。ソフトバンク・王貞治監督(65)は29日、低迷の続く巨人の来季監督に、OBの1人として『大胆に改革できる人』の就任を強く望んだ。最有力候補の阪神・星野仙一オーナー付シニアディレクター(58)=SD=にとって、強い追い風になりそうだ。

 黙ってみていることはできなかった。現役時代、大黒柱として巨人のV9を支えてきた王監督。阪神・星野SDが最有力候補として挙げられている古巣の来季監督問題について、初めて口を開いた。

 「今年はもう、思い切ったことをやればいいんだ。改革は目先のことを考えたらダメ。来年ではなく、5年先を見据えてやらないと。(ファンが)100人いたら100人に支持されることはないんだ」

 この日、福岡市内の飲食店で取材に応じた王監督は、スポーツ紙を飾る「巨人・星野」の見出しを眺めながら、報道陣に対して「星野はやるのか?」と逆取材。その直後「大胆に改革をしなければいけない」と熱弁を振るった。

 誕生すれば巨人史上初の“外様監督”となる星野SDに対して、直接就任を求めることはなかった。だが、王監督の言う「改革」は、星野SDが阪神監督を務めた2年間で行った内容と一致する部分が多い。選手を大幅にリストラする「血の入れ替え」を断行し、負け犬根性を払拭(ふっしょく)。FA補強、外国人補強に対しても広い人脈を活用し「戦う集団」へと変貌(へんぼう)させた。

 王監督は、このところ「本当に強くなった。いいチームだ」と、星野SDが土台を作り上げた阪神に対して、称賛を繰り返している。そんな中、今度は桑田・清原のKKコンビの去就など、巨人の方に問題が山積。王監督は有力OBの一人として「思い切った改革」を遂行できる巨人監督の就任だけを熱望している。

 「今まで巨人軍の長い歴史の中で、こういうことはなかった。本当のファンサービスとはチームが勝ち続けること。巨人が強くないと盛り上がらない」。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(69)とともに、渡辺恒雄球団会長(79)の信望が厚いといわれている王監督。地に落ちた盟主の再建を願う気持ちが、かつてのライバル関係をも過去のものにして「巨人・星野」実現への追い風になる。

[サンケイスポーツ 2005年8月30日]