王監督、長嶋さん“再会”「よかった」


 復帰した盟友の笑顔が、12連勝の喜びを倍増させてくれた。王監督がテレビの画面を通じて、ミスターと“再会”したのは、福岡ヤフードームから、福岡市内の自宅マンションへ向かう車中だった。「皆が待ち望んでいただけに、長嶋さんの笑顔が見られて、良かったですね。これからもどんどん、ファンの前に元気な姿を見せてほしい」球団広報を通じてのコメントでは、表し切れない思いがあった。

 自慢のアーチ攻勢でつかんだ白星にも、ユニホームを脱いだ後は、心ここにあらずだった。早めの帰り支度を整えると「(巨人戦の)中継は何時からだ」と、球団関係者に確認して、車に乗り込んだ。試合前には「ミスターが野球をするんだったら、見るけど、そうじゃないからね」とコメントしたものの、やはりONのきずなは変わらない。気がつくと、備え付けのテレビを食い入るように見つめていた。

 お見舞いに行きたい気持ちをグッと抑え、この日を待ち続けていた指揮官。固い握手を交わすことができるのは、チームが2年ぶりに、日本シリーズの舞台に立つときと信じている。そのためにも「この流れを大事にしたい。いつかは(連勝も)終わるだろうけど、そんなことは考えずに一戦一戦を戦う」ミスターに会う日まで、王監督は目の前の戦いだけに集中する。

[スポーツ報知 2005年7月4日]