(パ・リーグ、ソフトバンク6−1楽天、1回戦、ソフトバンク1勝、28日、ヤフードーム)。今年のパ・リーグは熱い!! ともに情報技術(IT)関連企業が親会社で「改革元年」の球界の象徴的な存在となる“IT初対決”は、ソフトバンクが楽天を6−1で下した。歴史的な1戦を制したソフトバンク・王貞治監督(64)は、ホークスの監督として2人目の通算700勝を達成した。
歴史的な“IT初対決”をメモリアル勝利で祝った。王監督の表情が自然と緩む。
大歓声の右翼席に大きく手を振った。ホークスの監督として通算700勝。平成7年4月1日の初勝利から約10年。大きな節目の1勝だ。「全然知らなかったよ」。大きな花束を受け取って目尻を下げた。
就任直後は3年連続Bクラスだったが、強力助っ人の援護や長期の強化方針が結実した。メモリアル勝利を贈ったのは来日3年目のズレータ。こちらは自らの30歳のバースデーを祝い、夫人のジェニファーさんにささげる1号ソロだ。
「今朝、(福岡市内で同居する)妻に『きょうはあなたのバースデーだから、絶対にホームランが打てる』って言われたけど本当にそうなった。自分のバースデーを最高の1本で飾れてハッピーだ」
逆転に成功した直後の六回、ホッジスの落ちるスライダーに狙いを定め、左翼席中段に運んだ。昨年は川崎に次いでチームで2番目の多い130試合に出場。37本塁打、100打点を挙げ、重量打線の中軸として君臨した。しかし、ユニホームが変わった今季、注目が集まったのは新助っ人カブレラ、バティスタのメジャーリーガーコンビ。負けん気の強いズレータは今季の目標を「偉大なミスター王に並ぶ55本塁打を打つこと」に置いた。
「見事なホームランだったね。去年みたいに華々しい一発は少ないけど、やっぱりすごいね」と王監督。日替わりでヒーローが誕生して、開幕から連続逆転勝利で3連勝。開幕ダッシュの気配が漂ってきた。
[サンケイスポーツ 2005年3月29日]