(パ・リーグ、ソフトバンク3−1日本ハム、1回戦、ソフトバンク1勝、26日、ヤフードーム)。新庄のバットが空を切る。「ヨシッ!!」。王監督がガッツポーズ。新球団の1勝に雄たけびをあげた。
「ファンもオーナーも興奮する試合だったんじゃないかな。よかったね」
楽な試合ではなかった。松中、城島の主軸に元メジャーリーガーを補強した自慢の重量打線が、日本ハム・ミラバルの前に4安打と沈黙。しかし、自信を持って開幕マウンドに送りこんだ和田がセギノールの一発のみに抑える快投を見せた。
「誰もが納得する人選をした。和田は本当によかった。スライダーが特にね」と絶賛。お立ち台に上がった和田も「緊張せずに投げられました。(ソフトバンク)ホークス元年を優勝で飾りたい」と力強い言葉で締めくくった。
王監督は前夜「気になったから」とサッカーのW杯アジア最終予選・日本−イラン戦を最後まで観戦。睡眠時間は約5時間だったが、午前7時前には自宅前に元気な顔を見せた。健康のために今年から玄米食に変え、練習中はノックの捕球役も買って出る。今年5月で65歳を迎えるが、年齢を感じさせない。
「まだ136試合の中の1試合だから…。これからが長いよ」
球団が新しくなっても全力プレーの姿勢は変わらない。話題だけではなく実力も兼ね備えた新生ホークス。シーズンの勝率1位ながらプレーオフで敗れた昨年の悔しさを晴らすべく、ヤフードームで新しい一歩を記した。
[サンケイスポーツ 2005年3月27日]