ダイエー・王貞治監督(64)が7日の日本ハム戦で、監督通算1000勝目をマークした。松中、井口、城島ら秘蔵っ子が祝砲を競演し“世界のホームラン王”にふさわしい豪快な白星で、メモリアル勝利を演出。巨人監督時代の本拠地、東京ドームで、巨人・長嶋茂雄元監督に続く史上11人目の大記録にたどりついた。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
ダイエー 0 3 3 0 0 1 1 1 0 9
日本ハム 1 0 1 0 1 0 0 0 3 6
[勝]グーリン 11試合5勝2敗
[敗]入来 4試合1勝1敗
[本]ズレータ13号3ラン(入来・2回)
松中19号3ラン(入来・3回)・20号(加藤・6回)
セギノール22号(グーリン・3回)
井口12号(井場・7回)、城島20号(井場・8回)
小笠原7号3ラン(佐藤・9回)
花束とウイニングボールを誇らし気にスタンドに掲げた。スタンディングオベーションに包まれ、胸を張った。世界の王が、名実ともに名将の仲間入りを果たした。
かつての古巣である東京ドームで、手塩にかけて育てた松中、城島、井口が祝砲を放つド派手な勝ちっぷり。「リーチが掛かってすぐで、こんなにいいことはない。華々しかったね、ウチらしいと言えば、ウチらしい。選手たちも意識してくれていたみたいだ」と声のトーンが弾んだ。
巨人の5年間と、ダイエーのユニホームに袖を通して10年目での大台達成。振り返れば、順風満帆ではなかった。84年の初白星は開幕4戦目の4月10日の中日戦(ナゴヤ)までお預けとなった。95年にダイエーの監督に就任してからも、3年間は勝率5割を下回る苦しいタクトが続いた。しかし、常に前だけを見据えての戦いを貫いてきた。
東京都内の自宅には栄光の“足跡”は、ほとんど残っていない。「本当に野球選手の家らしくない。タイトルを何度も取った選手の家とは思えない」と苦笑いする。トロフィー、盾などをポンと知人にプレゼントしたり、行方が分からないお宝グッズもある。「終わったことにはとらわれない方だから」燦然(さんぜん)と輝く記録を残した偉大な男は、ユニホームを着ている限り現状に満足することはないのだろう。
すぐ上の歴代10位は、永遠のライバルであるミスターが1034勝で名前を連ねている。今季、残り試合を勝率5割で行っても上回ることが出来る計算だが、目標はあくまで1つだけ。「監督というのは何勝したとかいうのでなく、優勝争いのポイントとなる戦いの方が興奮する。でも、ひとつでも積み重ねていけば、優勝争いするわけだからね。これからも勝ち続けていきます」2年連続の日本一のゴールを目指し、いつものように立ち止まることなく歩み続ける。(島尾 浩一郎)
▼H王監督が1000勝 ダイエー・王貞治監督(64)は7日、対日本ハム13回戦(東京ドーム)に勝ち、監督通算1000勝(868敗60引き分け、勝率・535)をマークした。プロ野球11人目。初勝利は巨人監督時代の84年4月10日対中日1回戦(ナゴヤ)。
[スポーツ報知 2004年6月8日]