868ホーマーの世界の王ことダイエー・王貞治監督が、メジャー入りする松井秀喜に熱烈エール。「メジャーで55本を目指せばいい」と、日本では達成できなかった55本の数字をあげた。
7日、ナゴヤドームで行われた出身地別東西対抗、『NPB SUPERSTAR BASEBALL 2002』でイースト(東軍)の4番・松井と顔を合わせたイーストのコーチの王監督。
「思い切ってやれと激励したよ」と、かわいい巨人の後輩に対し、直々に激励した。
日本球界首脳に大ショックを与えた松井のメジャー行きを、全面支援しているからだ。
「松井にしかできない決断だったんだからね。よく決断したと思うよ。メジャーへ行きたくても行けない人たちも大勢いるんだからね。そういう人たちにとっても、よかったんじゃないか。目先だけのことでなく、将来的にみたら、日本球界にとってもいいことだと思う」
同時に、メジャーリーガー松井に大きな目標を持つように説く。
「メジャーは日本よりも数字がすべての世界。1年目が勝負だよ。30本は打つだろう。が、さらに高い目標を設定、日本で打てなかった55本をメジャーで打つつもりでやればいい」
30本クリアに太鼓判を押したが、さらなる高い目標を要求したのだ。
巨人入団時に、世界の王が持つシーズン本塁打日本記録の55本超えを目指し、背番号『55』を付けた松井に新指令。メジャーで新たに55本を目標にしろという。
今季、西武・カブレラ、昨シーズン、近鉄・ローズが、世界の王に並び、「55」という数字が色あせてきたが、メジャーでの55本ならば、話が全く違ってくる。
誰もが松井を世界のホームラン打者として認めるだろう。
「いくらホームラン王になれと言っても、73本も打つ選手(バリー・ボンズ)がいるから、これは無理だろう」という王監督。55本塁打は、世界の王認定、ホームランキング同然の価値がある。
メジャーリーガー・松井のスタートは、日米野球になる。9日の巨人とのエキシビションがオープニングゲームになる『日米野球2002』は、格好の舞台になる。
「なにしろ日米野球で来日したメジャーの連中が松井のことを認めているんだから、たいしたもんだね」と松井に賛辞を贈る王監督。
「日米野球はメジャーのボールを使うから、ちょうど感触がつかめていいよね」と、メジャーリーガー・松井の事実上のスタートととらえている。
日米野球でボンズ(SFジャイアンツ)をはじめとする、メジャーのスーパースターたちの度肝を抜く名刺代わりの一発で景気付け。来季、世界の王超えをする松井の雄姿が見られるか。
[夕刊フジ2002年11月8日]