仰天! ダイエー・王貞治監督が、メジャー移籍がささやかれる巨人・松井秀喜外野手に対し、“駅前留学”を厳命していたことが明らかになった。
世界の王、ならではのアドバイスだ。松井の父、昌雄さん(59)がこう明かした。「共通の知人を介し、北陸遠征中の王さんとお会いしたことがあるんです。その時、ぜひ秀喜に心がけてほしいことが2点ある、と言われました。もちろん、すぐに秀喜に伝えましたよ。イチローさんがメジャー入りする以前の話ですから、さすが、王さんには先見の明がおありですね」。
このビッグ・ワン指令の第1が「英語を習得すること」であり、第2が「八方美人はダメ。球界に敵をつくるくらいがちょうど良い」というものだった。
「王さんは、メジャーへ行けという意味でおっしゃったわけではない。これからは球界も国際化の時代を迎えるはずだから、日本を代表する選手としてやっていくなら、英語くらいはできた方がより多くのものを吸収できるはず、と言いたかったのだと思います」と昌雄さん。
確かに、2003年に予定されているスーパーW杯、2004年アテネ五輪と、今後はプロ野球界も本格的に国際化の波へ巻き込まれていく。
一方で、松井が英語を習得すれば、メジャー移籍がよりスムーズなることも、間違いない。
第2の「敵をつくれ」指令は何を意味するのだろうか。王監督といえば現役時代、巨人・長嶋前監督とONコンビを結成。チームメートであると同時に、最大のライバルだった。あえて先輩の清原にも公然と牙をむき、自分のレベルアップにつなげていけ、と言いたかったのか。
あるいは、「メジャーでやってみたいというあこがれがあるのは確か。一方で巨人に対する愛着もある。ファンの声も気になる。最後の最後まで迷うでしょう」(昌雄さん)という松井の現状を考え合わせれば、「人生最大の選択は、ひんしゅく覚悟くらいの気持ちで、自分に正直に決断しろ」という意味にもとれる。
3日は、故郷の石川県内で、星稜高の同窓会に出席した松井。「英語? 勉強してねえよ。マルちゃんにも、『ここは日本だから、日本語で話してくれ』と言っていたくらいだもの」とオトボケ。しかし、同窓生から、メジャー入りを勧める署名入りの「連判状」を受け取った。
松井はメジャー移籍の話題を意識的に避けているが、周囲から外堀を埋められつつある印象がある。とりあえず、東京ドームに近いJR水道橋駅前の、某大手英会話スクールに入学してみる?
[夕刊フジ2002年1月4日]