ダイエー王さん、監督通算5割へあと1


 王ダイエーが“累積債務”完済へ、あと一歩と迫った。就任7年目の王貞治監督(60)は、今季の22勝14敗を含め、ダイエーでの監督通算成績は411勝412敗。8日からのオリックス2連戦(富山)に、待望の「5割到達」をかける。

 世間は不況だが、王ダイエーは8日にも“借金完済”を果たす。就任7年目の王監督は、7日までの通算成績が411勝412敗13分け。「通算5割」へあと1勝だ。

 「そんなに借金生活が続いていたんだな。一度でも最下位になると、取り戻すのは大変なことだからね。じゃあ、いきたいね! 貯金生活」

 この日、小久保、松中らの主力を含め、大半の選手が休日返上練習に取り組んだ富山で、王監督の声に力がこもった。苦難の過去と、一気にオサラバの日が目前とあっては、それも当然だ。

 平成7年にダイエー監督に就任したが、長く低迷が続き、2年目には最下位。4年目に初の勝率5割を達成したが、累積した借金は『46』。しかし、そこからV2、そして、今季と“王道”を歩み始めた。4年間の借金を、この2年半でチャラにできるところにまで、ついに到達した。

 4日からの敵地・大阪での近鉄3連戦では、延長2試合を含め、すべて1点差勝ち。追いつかれても、抜き返す。リードすれば、逃げる。そのしたたかさこそが、王者の風格の表れだ。

 「この前の近鉄が、最初の3年のウチみたいな感じだった。相手のパターンになると、こっちが勝手に『あーっ』って感じになる。でも、今は逆になってきたからね」

 8日からは、2・5ゲーム差をつけている2位・オリックスとの直接対決。「まだ頭ひとつ抜けたとはいえない状態だよ」と慎重だが、待望の“累積債務完済”は、イコール、独走状態を築くことを意味する。

[サンケイスポーツ2001年05月08日]