王ダイエー、巨人顔負けの大爆発


 今季初めて“箱庭ドーム”にやってきたダイエー打線が5本塁打の大爆発だ。18安打13得点で、24日の日本ハム戦(東京ドーム)に快勝。王監督の監督通算750勝を飾るにふさわしい、祝砲ラッシュだった。

 両翼100メートル、中堅まで120メートルの東京ドーム。サイズ的には福岡ドーム(100メートル、122メートル)と大差ない。しかし、東京ドームは左中間のふくらみがほとんどなく、フェンスも低いため、久々にグラウンドに出たダイエーナインは「狭い!」を連発。

 日本ハムの先発は前回、福岡ドームで2安打完封された下柳だったが、苦手意識を狭い球場が吹き飛ばした。気圧の高いエアドーム構造も加わり、福岡ドームなら高さ約8メートルのフェンスに阻まれていた打球が、次々とスタンドに消えた。

 四回に左翼へ流し打ちの3号2ランで、連続安打を15に伸ばしたバルデスは「これまではフェンス直撃の二塁打になっていた当たりだったけどね」と低いフェンスに感謝。七回に6号ソロを打った井口も「フェンスに当たるかな、と思ったけどね」と同じように振り返った。

 逆にダイエー・バッテリーは「ここでやるときが一番神経を使う」という捕手の城島を中心に狭さ対策。「ここはボールが飛ぶから低めに集めていけ」と投手陣に指示。星野、篠原のリレーでホームの日本ハムの一発攻勢を防いだ。

 すべてが好回転した王監督は「やっぱりここは狭いな。福岡から来ると全然違うよ」と笑顔。日頃から「ウチが東京ドームを本拠地にしていれば、200本じゃきかない。小久保と松中は40本は打っている」と、長嶋巨人の200発打線をこき下ろしている王監督にとっては、まさに自説の正しさを裏付ける一発攻勢となった。

 自身の記念の勝利については「おれのことは関係ない」とコメントしなかった王監督だったが、「狭い球場でもホームランを欲しがって大振りしてないのがいいね」と、残る2試合でも打線の爆発を期待していた。


[夕刊フジ2001年04月25日]