衝撃!長嶋激怒でついに読売と決別か



 4年ぶりのリーグ優勝、6年ぶりの日本一を祝うハワイV旅行を堪能している巨人・長嶋茂雄監督。大みそかには、20世紀最後の仕事として初のNHK紅白歌合戦の仕事が待っているが、その楽屋裏では読売グループとの決別情報が飛び交っている。

 これまで何度か出演依頼があっても断ってきた長嶋監督が、なぜNHK紅白にゲストとして出るのか。

 世紀末に念願のONシリーズを実現、しかも6年ぶりの日本一を奪回した歴史的な年。それだからこそ、20世紀最後を飾る国民的なイベントといえる紅白にも出演する。これが一般的な見方だろう。

 ところが、長嶋監督のNHK出演にはもっと深い意味があるとささやかれている。

 「公約不履行の読売首脳、巨人フロント首脳に対する抗議の意味もある」と、巨人関係者が語る。

 「今年のオフは去年以上の補強をやる。V9を超えたV10を実現するためには毎年、大補強をする」とぶち上げていた渡辺恒雄オーナーが一気にトーンダウン。

 「もう補強はいいだろう。野球は9人でやるもんだから」と、唐突な撤退宣言。

 それに合わせて、日本テレビ・氏家斉一郎社長が長嶋監督批判。

 「メジャーのストッパーなど必要ないだろう。岡島もいるし、内部で何とでもなる」と、長嶋監督が来季の最大のポイントとしているメジャーリーガーのストッパー獲りを一刀両断したのだ。

 巨人監督人事権を握る巨人軍最高経営会議の主要メンバーの2人がひょう変。勝ち続けるためには強欲な補強をすると公約しておきながら不履行。

 長嶋監督がその気なってメジャーの一流ストッパー獲得を打ち出したとたんに、ハシゴを外したようなものだ。

 しかも、渡辺オーナー、氏家社長という読売グループ最高首脳2人の変身には仕掛け人説が流れている。長嶋監督ラインの巨人OBがこう言う。

 「長嶋監督と天敵関係にあるフロント首脳が、『メジャーリーガーのストッパーは不要』と2人の耳元でささやいたのだろう。大物大リーガーを連れて来る自信がないからね。獲得に失敗したら、自分の責任になる。不要ということになれば、失態を避けられる」

 そんな動きを察知した長嶋監督が激怒。早ければ来オフにも勇退問題が再燃するが、読売グループ離れをデモンストレーションするために、あえてNHKの看板番組の紅白歌合戦に出演することをOKしたというのだ。

 NHKを選択肢に入れているのがもし事実ならば、NHK側にとって願ったりかなったりだろう。というのも、今年も水面下で長嶋監督獲得へ準備万端だったからだ。フロント首脳との確執に疲れた長嶋監督が続投か勇退か、揺れていたころ、NHKのトップが長嶋獲りへ出馬のタイミングを図っていたのだ。

 「まだ早すぎます。もう少し待った方がいいのでは」というNHK現場サイドの意見でスタンバイ。結局、幻の長嶋獲りに終わっているが、NHK首脳の長嶋監督待望論は高まるばかり。紅白出演は、一気に太いパイプ作りの格好のチャンスになる。

 長嶋監督の紅白歌合戦初出演は、勇退後の争奪戦ぼっ発の口火にもなるのだ。

[夕刊フジ2000年12月14日]