Gドン・川上氏も長嶋政権バックアップ



 巨人のOB総会が3日、東京・文京区の東京ドームホテルで行われ、過去最多の133人がかけつけた。藤田元司会長(69)=巨人前監督、現評論家=をはじめ、“確執”も伝えられた川上哲治氏(80)=巨人元監督、同=と、広岡達朗氏(68)=元西武監督、同=ら重鎮も揃って、チームへの全面支援態勢を確認するなど、21世紀に王国建設を目指す長嶋巨人に、頼もしい応援団が結成された。            
 会場いっぱいに巨人応援歌『闘魂こめて』の大合唱が響き渡る。過去最高、133人の激戦の兵たちが集ってのOB総会。21世紀へ向かう長嶋巨人の強力応援団の旗揚げだ。

 「OB会は、決してチームに対する圧力団体ではない。今年は特にOB全員でバックアップしていこうと確認しあいました」

 力強く号令をかけたのは、来年度の再任が決まった藤田会長だった。これまでのOB会といえば、後輩たちに対する苦言、叱責が渦巻くのが定番。特に3年連続でV逸した昨オフの総会には、川上氏ら巨人の重鎮OBが揃って欠席するなど、チームに対する冷ややかなムードが漂った。それが、6年ぶりの日本一を機に? 180度転換。完全無欠の“応援団”結成となった。

 今年は会場を昨年までの静岡・熱海のホテルから都心の東京ドームホテルに移したこともあいまって、総会は過去最高の出席者。昨年、欠席した川上、広岡両氏も姿を見せた。

 「巨人がプロ野球をリードしてきた20世紀最後の年に日本一となり、こんなにうれしいことはない。21世紀も先頭に立ってリードしていって欲しい」という川上氏の乾杯の音頭に乗るように、OB会幹部もさっそく不滅の長嶋王国建設に積極的な意見を並べた。

 「勝ってなんぼの世界。3割30本打てる野手を集めるのがベストだから。(巨人OBの横浜)森監督も巨人戦では遠慮してもらわないとね」と藤田会長。去就で揺れる横浜・ローズの獲得の勧めを説くとともに、森新監督に“協力要請”。また藤田会長とともに再任が決まった広岡副会長も「補強はフロントが先先と手を打っていかないといけない」と熱く語った。

 藤田会長を先頭に、川上、広岡とこれまで“確執”が伝えられる両氏も揃って、長嶋巨人にエール。OB会が文字通り一致団結の応援態勢が整った。

 「OBの方々には迷惑をかけてきましたが、4年ぶりで優勝でき、ようやく目的を成就しました。変わらぬご支援をお願いします」

 OBの熱いエールに長嶋監督も興奮気味だ。総会に続いて行われたパーティーでは、約5分間にもわたるロングスピーチ。王国建設を約束していた。

[サンケイスポーツ2000年12月04日]