世界の王“舌”好調で野村“口”撃



 全日本・王監督が舌好調。阪神・野村監督に強烈な一発をかませば、世界の王の後継者、巨人・松井には熱烈エール。50本の大台に乗せる秘伝を明かす。

 日米野球第5戦(大阪ドーム)試合前、ヤクルト・川崎がFA宣言したことを聞かされ、強烈な一発だ。

 「巨人を倒せるチームに行きたいって? それじゃ阪神はないな。横浜か中日か」と言い放ったのだ。

 思わずダイエー担当記者がのけぞる。毒ガス口撃がお得意の野村監督も真っ青の毒舌だ。

 お次は、世界の王の後継者、今季、二冠王の巨人・松井へゲキを飛ばす。

 「松井が50本台に乗せるには、一にも二にも固め打ちをすることしかない。いつもいつも調子がいいわけがないのだから、好調なときにまとめて打つしかないよね。ホームランもヒットも同じだが」

 固め打ち指令を出したあと、その極意を伝授する。

 「松井は待ちのバッターだよね。でも、オレのホームランのカウント別データもそうだが、やはり初球が一番多いんだよ」

 ジックリ待って打つタイプの松井に対して、初球から好球必打を説くのだ。868ホーマーを記録している、世界の王のデータに基づく言葉だけに、これ以上、説得力のあるものはないだろう。

 日ごろは刺激的な言動は控える王監督のひょう変ぶり。日米野球という晴れ舞台だからこそといえる。

 「868ホーマーのサダハル・オー」のビッグネームの前には、億万長者のメジャーリーガーたちも形無し。

 王監督へ記念品を求める攻勢はすさまじい限り。福岡ドームでは8年連続ゴールドグラブに選ばれたビスケス遊撃手(インディアンス)が、ツーショット写真をせがんできたし、大阪ドームでは元巨人のクロマティを代理人に立ててのサインボール要求まであった。

 直接、サインボールを求めるのがテレくさいメジャーリーガーは、あの手この手を使って王監督にアプローチするのだ。

 日米野球で王監督が指揮を執るのは、あと2試合。メジャーリーガーのアタックも一段と激しさを増し、正比例して、王監督の舌好調ぶりもさらにエスカレートする?

[夕刊フジ2000年11月09日]