日米野球よりも、練習優先だ。ダイエー・王貞治監督(60)が1日、秋季キャンプ前の6日に、全体ミーティングを開いて、選手個々に直接、個人のテーマを通達するというプランを明らかにした。雁の巣で秋季キャンプが始まる7日は、夜に、福岡Dで日米野球の指揮を執るが、午前中は練習視察。10日からの高知・二次キャンプも指導、12日の日米野球(東京D)の指揮に間に合うように帰京する強行軍。V3へ向け、指揮官、もう、燃えてます。
休むヒマがない。というより、ヒマがあれば、練習をさせよう、選手たちを見たい…というのが本音。王監督、11月に入っても、スケジュールは、野球オンリー。頭の中は、6日に通達する『個々のテーマ』でいっぱいのようで…。
「オレから、言い渡すつもりだ。選手の課題を明確にして、キャンプに臨もうと思っているからね」
出身地別東西対抗の東軍監督を務めたこの日。気持ちはもう、来季へ飛んでいた。5日に、日米野球の指揮を、東京ドームで執るのだが、翌6日には福岡へ入り、全体ミーティングを開催。その場で、7日からスタートさせる秋季キャンプの個人テーマを、王監督自ら、通達するという。鳥越なら『打率・270への向上』。井口ならば『二塁コンバートの可能性』。篠原は『先発の適性を見る』といった、細かい目標だ。
日本シリーズで、巨人に敗れた。リベンジへの最低条件は、リーグ3連覇。だから、手は緩めない。7日夜には、福岡ドームで、日米野球の指揮を執るが、球場入りのギリギリまで、ドームから車で1時間のところにある雁の巣で、キャンプを視察。8日も大阪で指揮の後、9日には高知に入り、10日からの二次秋季キャンプで、陣頭に立つ。12日は、東京ドームの指揮をふるうが、帰京する11日のギリギリまで、グラウンドで視察の意向。そりゃ、もう、相当な意欲です。
「ウチの選手には、まだ絶対的なところが、ないんだからね。近鉄だって阪神から湯舟を獲ったり、ウチの3連覇阻止へ、ヨソは目の色、変えてるんだ!」
シーズン真っ只中のような、語気の勢い。来季開幕まで、半年ある。日本シリーズが終わったのは、先月28日。ほんの数日前のことなのに、王監督はもう2001年・戦闘モードだ。
[サンケイスポーツ2000年11月02日]