ミスター日本一報告で“永久政権”確約



 巨人・長嶋茂雄監督(64)が30日、東京・大手町の読売新聞本社を訪れ、渡辺恒雄オーナー(74)に日本一達成を報告。改めて“永久政権”を約束され、来季への戦力補強に乗り出した。

 日本一の興奮に酔っている暇はない。その暗黙の了解が、長嶋監督に新たなパワーを生み出していた。

 「過去にも契約年数の話をしたことはないんです。すべてをお預けしていますし、オーナーの心中1つですよ」

 東京・千代田区の読売本社に、渡辺オーナーを訪ねての日本一報告会。約1時間半に及ぶ会談の中で、注目の契約年数は出なかったもようだが、確かに今、改めて話し合う必要もない。すでに同オーナーも「長嶋監督には10年やってもらう」と明言しており、あ・うんの呼吸で確認されたのは“永久政権”だった。

 21世紀に向けた巨人の王国作り。来季の補強について「具体的に出ませんでした。FAも白紙です」と長嶋監督だが、やはり、渡辺オーナーがすでに公言しているのが、2年連続日本一に向けての大補強だ。

 真っ先にリストアップされそうなのが韓国球界のエース、150キロ右腕の鄭ミン台だ。96年から5年連続2ケタ勝利(今季18勝=最多勝)をマーク、シドニー五輪でも活躍した。昨オフも触手を伸ばしたが、獲得がつぶれた経緯がある。問題となったFA権を鄭が今年取得したことで、巨人が再度動き出す可能性が高い。

 また、米国に目を向ければ、佐々木の入団で放出要員となっているマリナーズのホセ・メサ投手がいる。メジャー通算138セーブは、抑え不在を解消する格好の目玉だ。

 「補強に関しては、これからの話し合いで時期が来れば出てくるでしょう。オーナーも野球には精通されてるし、経緯もわかっていますから」と長嶋監督。巨人の新世紀は、今オフの大補強からスタートする。

[サンケイスポーツ2000年10月31日]