巨人・村田真、攻守にいい仕事



 【巨人6―0ダイエー】七回にはダメ押し2ランを放った村田真が、ルーキー高橋尚を好リード。実は公式戦では高橋尚が先発した23試合中マスクをかぶったのは1試合のみ。「その1試合も覚えてない。高橋尚とは話したこともほとんどないし、ブラウン管で見て頑張っとるなと思っていたぐらいで、よう知らんのや。出たとこ勝負」と村田真。「短期決戦だからな。ベテランの経験だよ」と起用した長嶋監督の期待に応えるあたり、さすがベテラン。

 ○…36歳のベテラン川相が八回、マルティネスの代打で登場。無死一、二塁から三塁前に絶妙の送りバントを決め、直後の高橋由のダメ押し2点打につなげた。「いいところに転がせたよ。打席ではドキドキしてたけどね」と満面笑み。4点リードから石橋を叩き、成功した長嶋監督も「どうしても追加点が欲しかったんだよ。あのバントは他の人じゃできない」と“職人”の技に陶酔していた。

 ○…江藤が五回、前日26日の第4戦に続き、左翼席へ2試合連続の2号ソロ。貴重な中押し弾で、シリーズ初登板初先発の高橋尚を援護した。「低い弾道でどうかな…と思ったけど、よく入ってくれました。ようやく感じがつかめてきたね」。前日は宮崎シリーズ合宿中の女性スキャンダルが発覚、お立ち台でも表情が硬かったが、この日は終始笑顔だった。

 ○…松井が第4打席で中前打を放ち、5試合連続安打をマーク。試合後は「あす、決めてほしいね」とポツリ。実は試合前、ベンチ前で円陣を組み選手による“声かけ”を続けている。ただいま清原の声かけで連勝中。「あす負けて7戦目になると、オレ(の順番)になっちゃうんだけど…」。松井は1戦目に声かけをして負けているだけに、第6戦必勝を唱えていた。

[サンケイスポーツ2000年10月28日]