ダイエー・藤井将雄投手(31)が13日夜、福岡市内の病院で急死した。藤井は昨年、26ホールドを挙げ、パ・リーグのホールドのタイトルを獲得しダイエーV1に貢献したが、ことし1月下旬、間質性肺炎のため入院。5月に一度、退院して、二軍戦に登板したが、7月に入って再び病状が悪化し、再入院。この日も午前中までは元気に知人と会話していたという。
ON決戦直前のダイエーに衝撃波が走った。昨年のホールド王が突然、この世を去ったのだ。球団関係者によると「この日午前までは病院のベッドの上で元気に会話をしていた」。午後7時頃に容体急変し、呼吸が止まり、10時すぎに死去した。
病院に駆けつけた王監督もあまりのショックから「言葉が見つからないのでコメントは避けたい」と広報担当を通じて談話を残しただけだった。
王監督が最も信頼を寄せ、中継ぎ投手陣のリーダー格に異変が生じたのは昨年の日本シリーズ直前のメディカルチェック。肺に異常が見つかったものの、軽症ということで、シリーズにも登板。中日を倒してのダイエー球団初の日本一に貢献した。
しかし、年が明けたことしのキャンプ直前に再検査した結果、入院することに。病名は「間質性肺炎」だった。
その後、回復し、5月中旬からは二軍戦に登板。王監督も「必要な戦力。後半戦に間に合ってくれれば」と後半戦の戦力として計算を開始したほどだった。
しかし、7月に入って再び症状が悪化し、再入院。10月7日の胴上げの際に、入院中の藤井を慕うナインが背番号「15」をつけた人形を掲げていたのが印象的だった。
まさかの急死。ダイエーナインが死に報いるには、弔い合戦で長嶋巨人を倒すしかない。
[サンケイスポーツ2000年10月14日]