ON対決で巨人日本一なら直接の経済効果は約2400億円



24日にプロ野球で読売巨人軍がリーグ優勝したことで、経済波及効果が期待されるほか、オリンピックも盛り上がりを見せており、上昇の気配
を見せない個人消費を刺激することが予想される、との声が、エコノミストの間から聞かれている。


身近なデータと経済効果を結びつける分析で知られるさくら証券チーフエコノミスト、宅森昭吉氏は、日本シリーズが、巨人とダイエーの対決と
なり、巨人が日本一になれば、個人消費に与える経済波及効果は約2400億円にのぼる、との見方を示している。


中身としては、巨人の優勝セールで、600億~700億円の売り上げが期待できるほか、優勝記念品などによる3百数十億円が加わり、
約1000億円の売り上げが計算できるという。さらに宅森氏によると、その1000億円に、95年産業連関表の民間消費支出の生産誘発計数
を掛けると、経済波及効果は1600億円にのぼる、という。


同じくダイエーのリーグ優勝による効果が約800億円見込まれ、合計2400億円程度の経済効果が期待できる、というのが宅森氏の予想だ。

宅森氏によると、個人消費だけでなく、マクロ的な経済効果ももたらす可能性があるという。「日本が実質安定成長に入った1973年以降、
巨人は10回リーグ優勝したが、阪神を除く4球団が優勝したときの実質GDPと比べると、巨人が優勝したときのGDPは、1.8%程度高く
なる統計が出ている」と話す。宅森氏は、その理由について、「中小企業のオーナーなどは、そのときのムードに左右されるということかもしれ
ない。大金を出して獲得した選手が働かないと投資する気がなくなるもの。今年の江藤選手のように、費用対効果が優れる選手を見れば、設備投
資もやってみるムードが出てくる。個人消費もそうだが、経済というものは、そのときのムードに流されやすいのが実体だと思う。人気球団の巨
人が日本一になり、ムードが良くなれば、経済の推進剤となることは十分にあり得るはずだ」と述べている。

(東京 25日 ロイター)