パ開幕を翌日に控えた23日、V3を目指すダイエー・王監督が開幕2カ月のめやすとして「貯金5あれば最高。それなら上位から離れないだろう」と豪語した。5月までの53試合、最低ノルマは29勝。昨季は5月終了時点で貯金は3にとどまっており、去年を下回ることはない、という指揮官の自信の発言だ。
2つの世紀をまたぐV3へ向け、余裕と自信の表れだ。開幕2カ月でダイエーの最低ノルマはわずか貯金『5』。王監督の口からサラリと、そんな数字がもれた。
「4月、5月で、貯金5。それくらいあれば最高だね。そんなに甘くは行かないだろうとは思うんだけど…。ま、オレの持論は、開幕の2カ月くらいで、その年の戦い方ができると思っているからね。本当の勝負は、その後からですよ」
つまり、エンジン始動段階で、5つの勝ち越しがV3への目安。その自信は十分にある。ルーキー・山田(立命大)が先発ローテ入り。開幕カードでは、若田部をリリーフでスタンバイさせ、永井にいたっては来月2日からの西武3連戦(西武D)をにらんで温存するという、ぜいたくな起用法。しかも、開幕投手は現在の調子より、過去2年、開幕戦で先発し、チームが優勝した“実績”を買って、西村を選ぶという余裕のさい配だ。
左背筋痛で、22日の練習を休んだ小久保も、この日は復帰。当然ながら開幕4番を務める。投打ともスキなしだ。
「いつでも、自分たちの力は出せる。監督7年目だけど、初めてそういう気持ちで、開幕を迎えられる。手ごたえを感じています」
5月までの53試合で29勝。ちなみに、昨年の同時期は貯金3。5つ貯めておけば、優勝は自然と転がり込んでくる−。まさに自信満々の開幕だ。
○…“強運”を買われて、3年連続5度目の開幕投手を務める西村。ヤクルト時代に2度、ダイエーでは一昨年と昨年、計4度の開幕を務め、いずれもチームは優勝している『V確率100%男』だ。「強運? それはチームが強いから。緊張の中で、どれだけ力を出せるか。相手も緊張してますから」。昨年5月に右ひじを手術し、復活をかけた晴れ舞台となる。
[サンケイスポーツ2001年03月24日]