長嶋監督がペナント大胆予想!


 3・30開幕まであと2週間余り。巨人・長嶋監督が、「やはりウチと中日とのマッチレースでしょう」と、2001年ペナントレースの展開をズバリ予想した。

 14日、松山・坊ちゃんスタジアムで行われた日本ハムとのオープン戦試合前、長嶋監督は、松山が生んだ大スターの巨人長老OB、巨人OB会顧問の千葉茂氏の訪問を受けた。背番号『3』を受け継いだ縁があり、今回、千葉氏が『嗚呼!我が心の長嶋茂雄』という本を近々、出版することにもなり、大歓迎だ。

 「千葉先輩には背番号3を譲ってもらって以来、本当に格別のご縁がある。僕の本はいろいろ出ていますが、千葉先輩の書かれたものは特別ですよ。一気に読んでしまいました」

 こう言われた千葉氏がテレる一幕まであったが、監督室で談笑しただけではない。松山市長を伴って「カメラマンのいるグラウンドで写真を撮りましょう」と、わざわざスリーショットを演出する気配りまで見せたのだ。

 開幕まで2週間余り。投壊現象などと騒がれたりしているが、余裕タップリの長嶋監督だ。「ピッチャーのことをいろいろ言われているが、大丈夫ですよ。心配ありません」というのが強がりでないことを行動で示している。

 というのも、連覇を目指す2001年ペナントレースに関して、「結局、ウチと中日のマッチレースだな」という結論を出したからだ。

 これまでは森新監督が率いる横浜を徹底調査。さらに、「今年は広島が怖いですよ」と、親交のある山本浩二監督が復帰した広島を要注意にあげたりしていたが、最終結論は違った。

 「横浜はどうかな。ローズが抜けた穴がやはり大きいからね。投手陣も本当の柱がいない」と、今季最大の注目の遺恨戦・森横浜も一蹴する。6日、下関で周囲を仰天させた、天敵・森監督と歓談したのも、2人の接着剤、横浜・黒江ヘッドコーチが仲介したからだけではない。森横浜恐れるに足りずの結論があったからだろう。余裕のトップ会談といえる。

 開幕までの2週間余りは、16日に西京極で対戦する星野中日にターゲットを絞った最終チェックがメーンとなる。「中日はやはり投手力がいいからね。最後にモノをいうのは投手力だよ」と、声を大にする。

 8日のナゴヤドームの一戦では予期せぬ大乱戦になり、敗れているが、あくまで中日の強力投手陣復活を警戒している。

 巨人キラーを売り物にする、ヤクルトからFA移籍の川崎の加入。昨シーズン、不調に終わった左腕エース・野口、故障で1年間、棒に振った右腕エースの川上らが雪辱に燃えており、一昨年、リーグ優勝した強力な投手陣に戻っているからだ。

 連覇を目指す、元祖・燃える男の長嶋監督vsV奪回に執念をみせる、現役時代に巨人キラーで売った2代目・燃える男の星野監督の壮絶なバトルになる。

 そんな2人が率いる巨人vs中日のマッチレースの前には、横浜を率いる森監督はあくまでわき役に回され、影が薄くなる。


[夕刊フジ2001年03月15日]