ダイエー・新外国人は問題児の従兄弟…



 キャンプ・イン目前に大激震! ダイエーの新外国人、トニー・ミッチェル外野手(30)とペドロ・バルデス外野手(27)が30日、福岡市内のホテルで入団会見。ミッチェルは、かつて米大リーグSFジャイアンツなどで活躍後、ダイエーに所属してシーズン中に無断帰国した問題児、ケビン・ミッチェルの従兄弟であることが新たに判明。寝耳に水の球団は大慌てだ。また同日、横浜の新外国人、デーブ・ドスター内野手(30)が横須賀練習場で打撃&守備練習し、『ポスト・ローズ』への評価を高めた。

 名前が同じ。それは分かっていた。でも、まさか…。ダイエーの新助っ人、トニー・ミッチェルは、王ダイエー1年目の平成7年、シーズン中に無断帰国、その後も年俸問題で訴訟を起こしたケビン・ミッチェルの親戚だった。

 「ケビンはオレの従兄弟なんだ。でも、最近は全く話してない。アドバイス? 受けてないよ。日本でプレーすることに関しても話してない」

 仰天の真実は、本人の口からアッサリと漏れた。さらに驚いたのは、球団側がその関係をこの日まで知らなかったということ。まさに二重のビックリだ。

 「もし、事前にその事実が分かっていたとしても、契約には関係なかった」と獲得にあたった水守管理部次長は断言したが、王監督の就任イヤーを滅茶苦茶にした世紀の問題害人との関わりを知らなかったとは恐れ入る。

 トニーの代理人は、かつて阪急やダイエーでプレーしたブーマー・ウエルズ氏。来日3年目の守護神・ペドラザとは97年に米独立リーグの同じチームでプレーした経験もある旧知の仲。日本をかき乱したケビンと違い、日本野球に順応できる“条件”が整っていたからこそ自信を持って獲得したと球団は主張した。

 「ペドラザとはチームメートだったわけだし、すぐにチームに溶け込んでくれるだろう」とは王監督。この日はペドラザ、ラジオも交えての昼食会を開き、“熱い血”を引き継いだミッチェルとのスキンシップを図った。

 昨季も起用法の不満からニエベスが試合途中に無断帰宿するなど助っ人野手のトラブルが多発しているダイエー。『反乱従兄弟』にならなければいいが…。

 <トニー・ミッチェル(Tony Mitchell)> 1970年10月14日、米国生まれ、30歳。89年にパイレーツ入団。以後メジャー経験はなし。97年から米独立リーグでプレー。昨季はドゥルースに所属。73試合に出場して、打率・352、26本塁打、87打点。年俸1500万円。1メートル90、105キロ、右投げ右打ち。

 ●…メジャー実働10シーズンで1070安打を放っていたケビンは、王監督就任1年目の95年、年俸4億円でダイエーへ入団。開幕試合の西武戦でいきなり郭から満塁弾を放つ華々しい日本デビューを飾ったが、右ひざ痛を理由に5月中旬から試合を欠場。同月下旬には無断帰国した。その後は契約問題のこじれから、球団と訴訟問題にまで発展。日本での成績は結局、37試合で39安打、8本塁打に終わった。96年からはメジャー復帰したが、3シーズンで103安打止まり。

[サンケイスポーツ2001年01月31日]