ダイエー王監督、他5球団は眼中になし



 他の5球団なんて眼中にない。ダイエー・王貞治監督(60)が17日、東京都内のホテルで行われたパ・リーグの監督会議に出席。昨年のV2達成で、他球団のマークは厳しくなることは承知の上で「文句をいわれるくらい強いチームにしていきたい」と、ONシリーズ再現&日本一奪回を旗印に掲げ、5球団の包囲網を完全無視の姿勢に出た。

 王監督が堂々の鷹包囲網、無視宣言。あくまで今年の目標は「日本一奪還なんだ。もっと高いところなんだ」。獅子だろうが猛牛だろうが関係なし。V3を前提に、しゃべり出した。

 「もっと完全な形で勝てるチームというかな。もう、文句を言われるくらい、勝てるチームの形に向かっていきたいんだな。麻雀なら、他の人たちが『もうトップは無理。なんとか2番手で終わろう』と思わせるくらいでないとね」

 昨季、開幕直後に正捕手・城島が骨折。10勝投手はいなかった。西武とロッテにも負け越した。そんな苦境でもV2。これを“礎”に、さらなるステップアップを狙う2001年。19年連続負け越し中の西武を含め、他の5球団に勝ち越しての完全優勝。オリックス・イチローがいなくなったバットマンレースでは「小久保が本塁打、松中が打点、城島と柴原が首位打者争い」と自軍による“3冠独占”までブチあげた。

 「今年は新しい監督がパにはいないしね」

 この日の監督会議では、もっぱら聞き役に務め、他チームの5将を“無視”。それもこれも、睨んでいるのは、秋の日本シリーズだから。

 「巨人が出てくるのは間違いないだろう。とにかく1勝1敗にはしないとな」

 目指すはONシリーズのリベンジのみ。王監督は、勝って勝って、勝ちまくるつもりだ。

 ○…監督会議に先立って行われたオーナー懇親会に中内新オーナーが出席。1月1日の正式就任後、公の場での仕事は、これが初。「議題にのっとって、いろいろ言わせてはもらいましたけど、あくまで懇談ですから。パ全体として、どう人気を作って、盛り上げていくか。ボクは純粋に、そこしか考えてない」。41歳の若手オーナー。その初陣は、おだやかに進めたようだ

[サンケイスポーツ2001年01月18日]