平成27年12月31日

養生の灸 もとだ鍼灸治療院 福岡県八女市国武459−2

元田英明 電話番号:0943−23−3345 携帯:090−1870−0611

ナルコレプシー針灸治療法の大公開

この文章はナルコレプシー(過眠症)に0年来悩み、一回のお灸治療で完治した患者様より、「ナルコレプシーで苦しんでいる私なんかよりもっと人生の時間がある人達がいっぱいいる。今の時代インターネットがあるのだからみんなに早く知らせてほしい!」と切望され筆をとるものです。

結論から申し上げますとナルコレプシーは鍼灸治療がとても効果があります。しかも基本的には自分で治療出来ます。

全国に30万人といわれているナルコレプシー、私個人的にはその予備群を含めるとさらに相当数にのぼると思われます。

ここではナルコレプシーの概要は省き治療法に特化して述べます。

まずナルコレプシーの治療はその対極にある不眠症の治療をそのまま行います。過眠症も不眠症も同じ睡眠障害ととらえるからです。よって、これから述べる事は、そのまま不眠症の治療に応用出来ます。

◎治療法

※失眼穴の多壮灸 100壮以上! これだけです。

正確にはこれだけで大方7,8割の方に効きます。誰でも出来ます。他はより効果を上げる補完的目的に治療を行いますが、この部分はプロの鍼灸師の力量の範疇となります。詳細は臨床例を詳しく分析し、伝統医学、学会等の機会を得て発表します。他の症状も解消する事でQOL(生活の質)の向上を計り、再発防止に繋がります。

それでは臨場感がある方がより理解して頂けると推察し、本日(平成27年12月31日)の臨床例をありのままに綴ります。

患者 男性37才、会社員、同じくナルコレプシーだった患者様の紹介

主訴。ナルコレプシー、頻尿(薬の副作用と思われる。)

28才からナルコレプシーが強度にひどくなった。発作的といえる程、急激に眠くなる。それ以前から眠気があったが、いつからかはわからない。又思いあたる様なストレス、ショック等もない。

28才の時、会社から病院へ行って来いと言われ、1日検査入院。頭部に電極のようなものをつけられ、データからナルコレプシーと診断。以来薬物治療。服用すると数時間は眠気はこないが薬がうすくなると眠くなる。同じ薬が効かなくなると薬がコロコロ変わった。薬物が強すぎると頻尿が増す。現在尿もれするようになった。夜は不眠で4,5年前から睡眠導入剤が必要。目覚めが悪い。眠くならないよう通勤には薬を飲んでバイクを使う。仕事で接客時は眠くならないようまず薬を服用している。眠くなるので会社でいつも怒られている。その為が?暗い印象で常に遠慮ぎみな態度であった。ダンマリで口数が少ない。よって付き添いの奥様との会話となる。今日はあえて朝から薬を飲まずに来た。

所見。姿は体格よく健康的で普通に見える。

治療。まず診台ベットにうつ伏せになってもらう。足先を触れるとやはり冷えがある。いつも腰から下が冷えているという。失眠穴に半米粒大のもぐさを軽くひねり施灸(直接灸)。熱感なし。そのまま両足のカカトに施灸し続けること30分〜40分、100壮以上。突然アチッチと言って足を動かし始めた所で終了。本人に聞くと、うつ伏せになっていつものように最初は眠気がきたが、その後全く眠気がないという。又黙っている夫と違って快活な奥様と治療しながら楽しく会話していると、途中から患者である夫も会話に加わってきた。段々明るくなってきた。段々下半身がポカポカ暖かくなり、気分がさえてきたとの事。(不眠症の場合、逆に眠くなる。イビキをかいて眠ってしまう人もいる。)

以上のように唯、ひたすら足のカカトの中央にある失眠穴に施灸し続けただけである。これなら誰でも出来る。ここだけでも効く。このツボは睡眠障害だけでなく腰や膝の痛みを初め、全身のムクミ、肩こり、頭痛、ウツ病等々、万病に効果がある。失眠穴の具体的効果、治療法についての詳細は別の機会で述べる事とする。

この患者様は遠路はるばる年末年始の短い休日を使って、たぶん半信半疑?で来院されていること等を鑑み治療はまだ続く。刺激過多に留意しながら体を触診するとやはり肩や背中を中心に硬結圧痛が多い。又、眼の疲れ、ドライアイ、手指のムクミが散見される。要は通常の鍼灸治療である。まず肩、背中特に肩甲骨の内縁部に強い硬結圧痛がある。治療点を丁寧に探し、そこへ半米粒大の小灸を各1壮ずつ。失眼穴の効果を上げる。又はバランスをとる意味で頭頂部にある百会穴に小灸5壮、手の井穴刺絡、目の攅竹穴から刺絡等、行った。12月31日という事もあり、他の患者がいないので、リラックスした会話を含め接した時間は約1時間20分位。その間、眠気は全く無し。目がスッキリして景色が楽に見えるとの事、特に首の動きが良くなったととても喜ばれた。手の井穴刺絡の効果なのか、奥様の指摘でムクミが減っていた。

今までナルコレプシーに鍼灸治療という選択肢そのものがなかったという。来院時の重たい足取りと違い表情は明るくなり、軽い足取りの背中を見送った。くりかえすが素人が失眠にラフに灸をすえても効果がある。失眠由に。

重要なのは、この足のカカト中央にある失眠穴というツボを使って、遠隔からいかにして体の中枢にすさぶりをかけるか!にある。遠隔刺激であるからこそ、アンバランスな状態をリセット出来るカギがある。と私はこれまで約25年間5万症例から推測するに至っている。帰り際、付き添いの奥様より「鍼灸は自然治癒力を目覚めさせるですね。」という言葉が印象的であった。

最後に、患者様に趣味を尋ねた。パチンコとたまに海釣りだという。私はパチンコを辞め、大いに海釣りを楽しんだらいかがですかと勧めた。海と太陽のエネルギーをいっぱい浴び、釣った魚という大自然のめぐみを家族と共に食す。我々は大自然の調和と循環の中で生かされている。