AEC-7726Hの導入
既に半年前に発売された物ですが、何時か値下がりするだろうと待っていましたが一向に値下がる気配が無いので (^_^;)、購入に踏み切りました。
札幌ツクモで、10,989円でした。前モデルのAEC-7720UWと比べて3〜4K位高いのでしょうか・・・・
簡単に何物かを説明すると、IDE-SCSI変換コネクタ、と言うのでしょうか?IDEのHDDをSCSI-IFに繋ぐ事が出来るコネクタです。
前モデルのAEC-7720UWがATA33>UltraWIDEと言う変換に対して、今回のAEC-7726HはATA66/100/133>Ultra160(LVD)変換と言う物だそうです。
当然PC-9821で使用する場合それに見合ったSCSI-IFの都合上、Ultra2(最大転送レート 80MB/sec)と言う事になります。
表面的には安価なIDE-HDDを繋ぐ事が出来る”優れもの”なのですが、本当の使い勝手や性能は如何な物でしょうか?
ベンチマークの結果より
マシン環境
PC-9821 V200MZD2 K6-IIIE+550@600MHz (FSB66MHz) NV4下駄使用、ALL-DIMM 128MB with Turbo-Mode、アイオーデータSC-U2PS、
(比較用)互換機 Intel 815Eマザー PentiumIII-S 1.4G@1.4G(CPU/133,Memory/133,AGP/66設定) Memory 384MB(2-2-2-7/9)オンボードIDE使用
今回比較用に使用したものはMaxtor D540X 4D040H2と言う5400rpmなHDDです。
このHDDは某掲示板で相性の良いHDDとして書きこみが有ったので、信用して選びました。
比較用にAEC-7720UWの結果も載せました。(SC-U2PSのWideコネクタに接続)
HDBENCH
HDBENCH Ver3.30 |
HDBENCH Ver3.40β6 |
||||||
Read |
Write |
Copy |
Read |
Write |
RRead |
RWrite |
|
Intel 815E オンボードIDE (ATA100) | 35753 |
35407 |
5783 |
35892 |
36222 |
7771 |
29066 |
V200MZD2 SC-U2PS+AEC-7726H | 35104 |
36093 |
20931 |
35249 |
35866 |
7592 |
28772 |
V200MZD2 SC-U2PS+AEC7720UW | 29366 |
28731 |
16872 |
29049 |
28796 |
7198 |
27219 |
シーケンシャルのスピードはほぼ同一と言って良いでしょう。HDBENCHのCOPYの数値は余り当てにならないので比較としては無視しています。^^;
AEC-7720UWの限界も大体29MB/sと言う所なのでしょう。
WinBench 99 Disk Transfer Rate
Intel 815E ChipSet ICH2
V200MZD2 SC-U2PS+AEC-7726H
これもシーケンシャルのスピードなので、予想通りと言いましょうか、明確な差は見つかりませんでした。
V200MZD2 SC-U2PS+AEC7720UW
これも予想通りと言いましょうか、約29MB/sで転送速度が頭打ちになっている様子が判るでしょう。
HDB98
これはMS-DOS上で計測するHDDベンチでシークタイムや読込みの転送速度を測ります。細かい単位のファイルを測定する事でDISK-IFの特徴やHDDの比較に有効なソフトだと思います。但しPC-9821専用なので、比較対象はHDBENCHがほぼ似通った数値を出すST39204LWです。
尚、IDE-HDDはMS-DOS上で認識させる為に32Gグリップで計測しました。
このソフトのtxtの説明を見ると、シークタイムの数値は少ない方が優秀、Grain sizeの大きい方(左側)と小さい方(右側)の差が少ない方が、SCSIコマンドの処理が速いと言う事になります。(アクセス単位が小さいほどオーバーヘッドが大きくなる)
Disk interface : SC-U2PS Disk drive name : ST39204LW [ SCSI固定ディスク ID #0 A0h 総容量 8750(MB)] Grain size: 32768 16384 8192 4096 2048 1024 512 (B) ------------------------------------------------------------------------ Speed(top): 37449 37449 26214 15420 8456 4443 2286 (KB/sec) Speed(end): 24576 24576 24576 15420 8456 4443 2286 (KB/sec) Seek time : 299 points.
Disk interface : SC-U2PS U2 Disk drive name : Maxtor D540X 4D040H2 32G-GRIP+AEC7726H [ SCSI固定ディスク ID #0 A0h 総容量 32253(MB)] Grain size: 32768 16384 8192 4096 2048 1024 512 (B) ------------------------------------------------------------------------ Speed(top): 41391 28086 17096 9475 5073 2595 1321 (KB/sec) Speed(end): 23831 25368 17096 9475 5041 2586 1319 (KB/sec) Seek time : 292 points.
上の結果を見ると、純SCSIの物よりIDE-SCSI変換をした方が数値の下がり方が大きい、つまりSCSIコマンドの処理が遅い、と言う事になります。
つまりIDE-SCSI変換の段階で更にコマンド処理が入り、結果的にHDBENCHの結果ほど体感的に速くないと言う事になるもかもしれません。
参考までにUIDE-66で同HDDを計測してみました。
Disk interface : UIDE-66 Pr-Master Disk drive name : Maxtor D540X 4D040H2 32G-GRIP [ IDE 接続ディスク 内蔵#1 80h 総容量 32253(MB)] Grain size: 32768 16384 8192 4096 2048 1024 512 (B) ------------------------------------------------------------------------ Speed(top): 32768 27118 21254 14563 8738 4946 2504 (KB/sec) Speed(end): 23130 23831 20695 14298 8738 4946 2512 (KB/sec) Seek time : 327 points.
シークタイムはやや低い数値ですが、数値の下がり方はSCSI−HDDより優秀と言えるでしょう。
一般的にSCSIよりIDEの方が小さい単位でのオーバーヘッドは小さい。
SCSIは1本のバスに複数のデバイスを繋ぐ事を前提にしている為、高度な機能(コマンドキューイングやディスコネクト:切断機能)を備えていますが、その高機能故にオーバーヘッドはIDEより大きいと言われています。
逆に言えば、IDEは1つのバス間(プライマリ、セカンダリ)に繋がれた機器間同士のパフォーマンスは良くない、とも言えます。
オーバーヘッドとは、コンピュータ・システムで何らかの処理を実行する際にかかる時間的・空間的なコスト、負荷。
コマンドキューイングとは、コマンドが終了する前に次のコマンドを受け取り、効率の良い順番に並び替えて実行する機能
ディスコネクトとは、処理に時間の掛かるコマンドを受け取った場合、他のSCSIデバイスがSCSIバスを使用出来る様に自らそのSCSIバスから切り離し効率的な処理をする機能
・・・・・で、結局のところ、どうなの? (笑
このアダプタの賢い使い方としては、起動ドライブと言うよりデータドライブ、価格性能差(コストパフォーマンス)を考えると出来るだけ大きな容量のIDE-HDDを繋ぐと言う事になるでしょう。
実際に取り付けて使用した感想としては
時々(と言いますか、今回の検証の為に色々なコネクタを抜き差しした結果ですが)AEC-7726H自体の認識がされない場合、起動DISK(SCSI-HDD)が突然見えなくなってしまった事が有りました。(デバイススキャンやWindows起動中に)
また、LVD側にAEC-7720UWを繋いだ場合(SEモード)、更に上記現象が再現される確立が多くなりました。
起動デバイスとしてはテストしていません、多分この先もAEC-****経由でシステムを組む場面は無いと思ったからです。(^_^;)