獣医師のための参考ページ Tea Tree Oilの使用法(アイラ工房) 
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Tea Tree Oil を主剤とする調合油、Shampoo等の使い方

                                       アイラ工房   青木澄男

1.MA (旧名:Tea Tree Oil Medical A)

   Tea Treeシリーズ(TeaTreeを中心に他の精油(Essential Oil)との組み合わせで設計された製品類)の中心的製品。最初のMAを数多くの臨床結果を反省し改良を続けた。細胞修復能力の向上を絶えず考慮して殺菌能力を高めた。最近の著しい成果は、MRSA感染症3例、重度の喘息の治癒例がある。殺菌能力、細胞修復能力、溶解能力が共に働くことから、多くの応用例が報告されている。多くの症例から「症例と手法」に関する中間報告を編纂中である。

能力:抗細菌・抗真菌作用、角質などの溶解、抗炎症作用、細胞修復、菌などによる毒性の除去(「TeaTree Oilの基礎と臨床」参照)等が臨床的には証明されたと考えられる。

抗菌・抗真菌作用は抗生剤が反応を示さない場合にも十分な能力を発揮した(「感染症」に関する鷲巣誠先生(日獸大)の7症例、MRSAに関する石井博先生(須賀川動物病院)の実験結果など)。以下は臨床結果をまとめたものです。

(1)皮膚疾患

外耳炎、内耳炎:生理食塩水または4%食塩水で簡単に洗浄後、MAで洗浄、拭き取った後で、新たに1滴塗布。耳介部に薄く塗布しておく。難治性の外耳炎では、特に患部表面が乾燥している場合は洗浄を行わずにMA塗布のみで効果が得られることもある。外耳孔が塞がっているような場合はMAで炎症を抑えて、脱脂綿などにM Aを少ししみ込ませておくのもよい。

湿疹:俗に言うホットスポット、接触性皮膚炎などは、1日2〜3回患部に塗布すればよい。症状が軽減された時はOintment-αを使用。原発疹のうちに適切な治療が必要。痂皮の増大、硬化、肥厚、潰瘍などが生じた場合は長期間の治療を余儀なくされる。

脂漏牲皮膚炎、膿皮症:Tea Tree Shampoo(M)で毎日洗浄し、患部にM A塗布。かゆみのひどい場合はOintment-βが速効性があってよい。

アレルギー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎を含む):Tea Tree Shampoo(G)で頻繁に(毎日、または、少なくとも3日に一度)洗浄し、Ointment-βを塗布。細菌感染が認められる場合はMA→General Shampoo→Ointment-β。なお、オキサミド、タンニン酸ジフェンヒドラミン、フマール酸クレマスチン、塩酸シプロヘプタジンを棊剤に混ぜたものを投与し続けると効果的であった。

皮膚真菌症:MA塗布、Tea Tree Shampoo(M)使用。Griseofulvinをmineral剤(KELAMIN使用)、Vitamin入り栄養剤から成る基剤に混ぜて投与すると一層の効果が得られた。

耳血腫:MA注入、および、塗布。ゴールデンレトリバーの厚さ2cmに及ぶ耳血腫に3ケ所にMA注入、全体にMAを塗布。3日で完治。

外部寄生虫性皮膚炎(ニキビダニ症、ツメダニ症):Tea Tree & Cloves-Sの項に記述。

(2)感染症:

腹腔内・膀胱内などを洗浄後、MAを注入、洗浄用ドレインから注入すると便利である。(獣医東洋医学研究会誌/鷲巣誠先生症例参照)また、手術後に術部に塗布して二次的な細菌感染を防ぎ、組織の回復を速める効果がある。縫合後の消毒にも使われている。この場合、組織の回復が早いので抜糸の時期が短縮される。


(3)創傷:

多くの症例が報告されている。(須賀川動物病院ホームページ、獣医東洋医学研究会誌/安川明男、石井博、青木症例参照)

(4)口内炎:

口腔内に1-2滴塗布。必ずしも患部でなくても有効。下記 Tea Tree Solutionを10倍希釈したものを口腔内に噴霧しても良い結果が得られる。歯根部には注入が効果的。歯石、歯垢を取り除き、マッサージするように歯茎に塗布。23ゲージ注射針を用いて注入する必要がある場合もある。この場合できるだけ注入オイルが溢れ出さない程度が効果的である。最後に再塗布。

(5)気管支疾患;

気管支虚脱:精製水10ml中に4滴を加えてネブライザーで気管内噴霧。虚脱そのものが治癒した例が1例(イングリッシュセター)。Tea Tree & ωの併用が効果的である。ケンネルコッホ、気管支炎も特効薬的効き目がある。

(6)火傷;

水で冷却した後にMAを塗布、乾いたら塗布を繰り返す。直後の塗布ではどんなひどい火傷でも24時間以内に完治する(細胞修復能力の例)。ネコの尾部の低温やけどについての興味深い症例もある(南小岩ペットクリニック石田)


*MAは皮膚(無構造な組織)に用いられると稀に感作を起こすが、それ以外の組織には全く毒性がない。Cloveを混入した場合は皮膚感作はない。


2.Tea Tree Oil B-dil 
MA を使用して患部が刺激を受けた場合、アトピー性皮膚炎で患部の感受性が過敏な場合はB-dil を使用した方が良い場合がある。MAとの相違は、効き目が穏やかであること、角質の除去には向かないこと、かゆみを取るのに優っていること、人のアトピー性皮膚炎にも使えることなど。ただし、最近ではOintment-β、Tea Tree & Clovesの使用の方が一般的である。

3.Tea Tree & Cloves-S
Clovesの真ダニの殺傷率は97%以上、しかも、免疫力を高める作用が強いので、ニキビダニ症、ツメダニ症に使用する。アカルス症の場合は完治症例は多数ある。アミトラズ、安息香酸ベンジルなどの殺ダニ剤を用いた場合より免疫力低下をもたらさないし(逆に、免疫力は向上する)、ダニの毒性を消す力も強い。(獣医東洋医学研究会誌/三阪和徳・青木症例)


* 免疫力を向上させるT例:精子欠乏症の牡犬(10〜12歳)に用いたところ3〜4日で効果を示した。

10歳:使用前精子数2億4千万、3日連続使用後4億以上

12歳:使用前精子数2億7千万、使用後4日目7億9千万(2頭のメスが受胎)

これらの症例は日獣大動物病院だけで、6例。

使用法:へその辺りからペニスの付け根辺りまでの間に塗布し、軽くマッサージする。1日1〜2回、交配の日まで3〜4日続ける。人雄については精子欠乏症治癒2例。

4.Tea Tree Solution
Tea Tree Oil 抽出の際の廃液?をエタノール割りしたもの。10倍希釈したもので室内消毒、犬ネコの身体についた蚤の駆除(アルコールが含まれているので、30分以内に洗浄する)。

コップ1杯の水に3〜4滴滴下し、うがいや口をすすぐのに使用。口臭の除去、口内炎の治療、咳きどめ、軽い気管支炎の治療、ケンネルコッホ治療に効果的。

朝晩のうがい水として使用している人は多い。

5.経口投与剤 Tea Tree & ω   
   リンパ球性プラズマ細胞性慢性腸炎の治療のために設計された。最初に2頭の犬(アイリッシュセッター、ラブラドールレトリバー)でステロイドが有効でなかった症例に使用した。極度に痩せて、血の混入した水便が止まらず、体力もその衰弱が限界に来ていた。10時間位ボイルした牛肉(もも肉)に野菜を水煮したもの、ぶたレバーのすり身、ビタミン剤、ミネラル剤(Kelamin)を混ぜたものを与え、Tea Tree &ωを朝、夜の2回、空腹時を選んで朝2ml,夜3mlを投与したところ、1週間で完治。その後、須賀川動物病院(石井博)で6例、川村犬猫病院(川村正道)でも顕著な症例がある。

* ここに用いられている?剤(Essential Fatty Acids)は青木が設計し調合したもの。ω3・6・9群のERA,DHA,GLA等の理想的成分比を文献から算出し、Harp-Seal Oil, 月見草オイル等を調合した。すべて国内で精製された原料を用い、極めて高純度、新鮮なω剤を作成した。特に抗酸化剤は用いていないが、Essential Oilとの混合は酸化を遅延させ、体内での酸化を回避できた。

主成分:Linoleic Acid, Oleic Acid, Linolenic Acid, EPA, DHA, GLA

* EFAそのものに機能回復作用があるらしく、脱毛後の発毛促進、体重調節機能の回復も見られる。また、炎症による不飽和脂肪酸の著しい欠乏を補える。

6.ω剤EFAs (5に使用しているもの) 
   ある年令(犬6歳、人30歳)を越えた場合は健康飲料として毎日服用することが望ましい。特に、皮膚疾患、アレルギー疾患の場合は服用ガ必要であると思われる。通常の必要量:人で1日2〜4ml、動物0.5ml/10kg(1日)

7.軟膏(OINTMENT α、β、γ) 
α:Medikal-Aを使用した時、皮膚の保湿に用いる。

β:人の重篤な全身性アレルギー性皮膚炎を治療するために2〜3ヵ月の苦闘の末に完成を見た軟膏。基剤は最新のものを用いたが思うような効果が得られる、最後に白色ワセリンを用いて成功した。ホワイトワセリンの全くの無能がよい結果をもたらしたのは皮肉な、逆説的な教訓を得ることになった。この軟膏は、かゆみをとめる効果が強く、5〜6秒くらいでたいていのかゆみは取り除く。しかも、4〜10時間も効果が持続する。化粧品として人間のアレルギー性皮膚炎への適用が行われている。

γ:抗菌作用、抗ウイルス作用が強いが、Medical Aより遥かに穏やかである。乾性の結膜炎などに用いた症例が寄せられている。

*症例集、または、手法集の蒐集編集に取りかかっております。須賀川動物病院/三阪動物病院/池田動物病院の全症例、西荻動物病院の使用例、日本獣医畜産大学の付属病院の症例、症例解説を含めてかなりのボリュームのものになると思います。簡単なホーマットを提示いたしますので、御協力をお願い致します。

8.Tea Tree Shampoo & Conditioner
風変わりな説明

   人間にとって身体を洗う石鹸ないしボディーシャンプー、頭髪(と頭皮)を洗うシャンプーが必要なのとおそらく同程度に、同じ理由で犬猫にとってシャンプーが必要である。健康な犬猫では獣医が介在できないためかペットショップのかなり乱暴なシャンプーが幅を聞かせている。人間用も同じだが不必要な成分が多すぎるし、決まって化学薬品が使われている。ビタミン入り、アミノ酸入り、古式豊かに粘土だの・・・。
   犬の被毛を観察するとまるで化学薬品のコーティングである。洗浄力は強いらしく脂質を完全に取り去ってしまう。ペットサロンはこのサラサラ感を売りものにしている。奪ってはならない脂質まで奪ってしまったお返しに化学薬品でコーティングする。利潤が大きく見栄えがいい。ところがこの化学薬品は直射日光や熱で化学変化を起こし、被毛どころか皮膚も傷めている。化学変化を起こした薬品のにおいもひどいものだ。そんなとき、アメリカ製のティーツリーシャンプーに出会った。しかし、化学薬品を用いたシャンプーにティーツリーオイルを混入しただけのもので失望した。
   動物病院を覗くとさすがに多くの薬用シャンプーが揃っていた。抗菌性のシャンプー、アトピー性皮膚炎用のシャンプー、角質溶解タイプのシャンプー等々、ステロイド入り、抗ヒスタミン剤入りまである。機能別に種類が多ければ仕事が楽になるのだろうか。蒐集癖という悪癖を持った獣医もいる。対処療法好みはこの悪癖と、西洋人の分析好みに由来する。素材は化学薬品。薬用ならばそれはそれでいいのだろうが、黄色ブドウ球菌がついていて、皮膚が肥厚し、かゆみを伴っていたらどうする?獣医はこう教えてくれた。「優先順位に従って交互に使って下さい。ただし、3〜4日空けないといけません。」本当か?かなりの権威ある獣医学者の意見も同じなのにショックを受けた。そんな治療を遅々とやっている内に我が愛する犬達は苦しみ続けるのだ。MAを完成した時(今でも改良はし続けているのだが、一応完成した時)、これを用いて一挙に抗菌性、角質溶解性を合わせ持ち、かゆみ止めにもなるシャンプーを作れないものかと思った。設計思想はこうだ。「素材を統べて天然成分にする。シャンプーは所詮洗浄剤だから、薬効はそこそこでいい。たとえば、菌を殺すのは抗菌剤でよい。シャンプーにその機能をある程度以上に持たせることはない。」メーカーとの討論が続いた。何を作る時でもこちらの意図はまず否定される。しぶしぶ承知してもらってTea Tree Shampoo (M)ができた。Medical AのEssential Oil群は3.8%含有とした。
   自分では結構気に入っていて、動物病院ではトリマーにまざってせっせと犬を洗った。1日に数箇所の病院を回り10数頭の犬洗った日もある。出来栄えは上々で、適当に殺菌できて、適当に肥厚した皮膚を柔らかく、薄くできた。アレルギーも少し治まっているようだし、残っている被毛は美しくなった。膿皮症や脂漏牲皮膚炎は素早く治ってしまった。この「適当に」ということも大いに気に入った。これがシャンプーの位置のように思えたからだ。このことが分からない獣医はTea TreeShampoo Medicalに注文をつける。「Tea Tree & Clovesがかなり痒みをとるのだから、クローブを入れたシャンプーを作ってくれ。」と。とんでもないことだ。開発には半端でない金がかかる。それよりも痒みはシャンプーに責任転嫁しないでくれと訴えたくなる。シャンプーの一義は犬を清潔に保つことだ。それでもMedical Shampooの欠点は敏感な皮膚には刺激が強すぎたし、治りかけた皮膚のそれ以上の治癒には不向きのようであった。今度は更に入念に優しい素材を用い健康な皮膚・被毛が更に健康になるように意を用いた。香にも重きをおいた。こうしてTea Tree Shampoo General (Type)ができあがった。Essential Oil群の含有率は0.8%とした。実は、頭のかゆみに悩まされている女性のための高品質のShampooをイメージしたものだ。このShampooは更に気に入った。頭ばかりではなく身体全体を洗うのにもよいように思われた。犬を洗ってみて、殺菌力、アレルギー鎮静力ではひけをとらないこともわかった。角質溶解作用ではMedicalにはるかに及ばないし、組織修復能力は重症ではMedical、軽症ではGeneralと言っていい。ついでにConditionerも作ったのは人間(女性)のためであった。結果として犬に用いるとシャンプー頻度が落とせるし、何しろ香がいい。
最後に、Tea Tree Shampooは、実は、MA Shampooであることを打ち明けておきましょう。