本船のオーナーは山城の国の住人である。釣りが好きで、特に、カジキ釣りに熱中して10数年のキャリアを誇り、最近までは、50ft型クルーザーでカジキ釣りをしていた。しかし、この50ft船は高速ではあるものの、そのため、外洋での波浪に弱いのが難点であった。 この経験から、波浪中で漁船並の耐候牲を持ち、常時22〜23ktの航海速力で航走できる船を要求されたのであった。すなわち、本船建造にあたり最も重要なことは、外洋において荒天時にも他漁船と同等以上の操業ができ、他漁船以上に迅速に帰港できる性能を持たせること、である。と、同時に、「あそび」の要素から、船体の外観・船室の内装はクルーザー並に魅力的であることを強調された。
そのために「シンプルと格調高さ」を基本に、形のバランスとカラーに特徴のあるデザインとし、その他にも下記の点に留意し、設計した。
- 凌波性に優れ、追い波に船首を突っ込まないこと。
- 甲板室の高さを低くし、復原性を向上させる。
- 低振動、低騒音の船体構造とする。
- 作業性を良くするため、作業甲板スペースを広くする。(船尾張り出しを極力長くした。)
- 航海計器類は全て最新型高性能のものを装備する。
- 主機関は2基2軸とする。
- 総トン数は船長資格の関係上19トンとする。
また.本船は平成6年5月より改正となった小型船舶安全規則が適用され小型船舶検査機構鳥羽支部では12mを越える最初の小型船舶である。
(H19.9.30) 主機関x2基、補機関x1基を新しくしました。また、船体、船室等の外部の全塗装工事を完了し、一新しました。基調は白で外観イメージは変わりません。
|