Muw&Murrue
- 凍れる夜の物語 05
- 鏡に映ったのは、東の国の光景でした。城下には市がたち、あちらこちらに、テントや幕屋が張られて、いろとりどりのリボンが風になびいていました。
マリューは王妃にだけ別れを告げると大急ぎでお城を飛び出し、東の国へと出かけました。一頭の馬を借り、背中に乗ってどれくらい走ったでしょう。
何日かたったある日、遂にマリューは東の国の市へと辿り着きました。
このテントのどれか一つに、あの魔法使いと、そして彼の側に繋ぎとめられているネオがいるはずです。
宿に泊まったマリュー、は荷物の中から、一枚の布を取り出すとすっぽりと頭から被りました。魔法使いにばれないように、彼女はドキドキしながら、石畳の広場にたくさん現れた幕屋を覗いていきます。
幕屋の中ではいろんな物が売られていました。
不思議なツボや、手鏡は、どうやらマリューの国の物のようです。
その他にも、不思議な果物や、キレイな衣装や、とにかく雑多な物が並んでいます。
一つ一つ丁寧に見て行くマリューは、櫛を売っているお店の前で立ち止まりました。
笑顔で愛想のいい店員が、金色の櫛はいかがですか?とマリューに薦めます。
その彼の足元を見て、マリューは、はっと息をのみました。
彼には影が無かったのです。
(この人だわ・・・・・・。)
マリューは丁寧に断ると、雑踏の中を歩いていきます。胸がどきどきして張り裂けそうです。
宿にに戻ってきたマリューは、期待に震える手で、小さな瓶を取り出しました。中には、キレイな空色の液体が入っています。
マリューの母が作って持たせてくれた、変身のための薬です。
それを一口飲んで、マリューは胸の中で変身したい姿を思い浮かべました。
小さくて、ふかふかしてて、耳の長い、アイボリー色のウサギ!
気付くと、マリューはあの、アイボリーウサギへと変わっていました。
さあ、変身していられるのは、月が昇るまでです。
マリューはぴょい、と跳ねると大急ぎで宿から飛び出しました。
耳が、色々な音を拾ってきます。いくつもの香りが鼻を掠めます。
彼女は市のある正面の道路ではなく、後ろの草むらを駆けつづけました。
途中で犬に吼えられたりしましたが、気にせず一目散に駆けつづけました。
逢いたい。
逢いたいよ。
逢いたいよ、ネオ!
走って走って、そして、マリューはついに見つけたのです。
魔法使いの幕屋の後ろで、身を伏せて、ふてくされている彼を!
マリューは足を止めました。胸がどきどきします。
そこにネオがいます。
大好きな彼が居ます。
でも、マリューの足はすくんだように動きません。嬉しくて、嬉しくて・・・・・・。
ふわ、と風がふき、ネオの鼻先を掠めます。その中に、懐かしく、そして大好きな人の香りを感じたネオは、はっと顔を上げました。
小さな、アイボリー色のウサギが、真っ赤に潤んだ瞳で自分を見ていました。
夢かとネオは思いました。
だとしたら、随分いい夢だなと、彼はぼんやり思います。
ぽん、と地面を蹴って、ウサギが飛び跳ねました。
こちらに走ってきます。
ああ、夢にまで見た光景に、ネオは微かに笑いました。
「夢でもなんでもいい・・・・また会えるなんて・・・・・。」
「ネオ!」
叫んだマリューがその首筋に抱きつき、その確かな感触に、がつん、とネオの胸が揺さぶられました。
この柔らかい感じは・・・・・・・。
次の瞬間、ネオはぶる、と首を振ると、マリューを振り落としました。きゃん、と小さい声がマリューから上がり、ネオは思わず駆け寄ろうとして、慌てて自分を制します。
「ネオ・・・・・・。」
悲しそうなマリューの眼が、自分に注がれるのを感じて、ふい、とネオは顔をそらしました。
それじゃないと、泣き出してしまいそうだったからです。
「小さなウサギが、俺に何のようだ?」
低く、ネオは言いました。それに、びくり、とマリューの体が強張ります。
「頭から食べられたいのか?」
冷たいネオの声に、マリューはショックを受けました。
「何・・・・・・言ってるの?ネオ・・・・わたしは」
「気安く呼ぶなよ。」
「・・・・・・・・・・ネオ・・・・・・・・・。」
それから、ネオはゆっくりと立ち上がりました。彼の首には金色の鎖が巻かれています。
それが、春の日差しに怪しく不気味に光りました。
「お前なんか知らない。食べられたくなかったら、どっかへいっちまうんだな。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
あまりの出来事に、マリューは言葉を継ぐことができませんでした。
大きな彼女の瞳に涙が滲みます。ネオのしっぽが、不安げに揺れました。でも、精一杯気持ちを張って、ネオは言います。
「俺の側に来るな!お前なんか!」
ぽろぽろと涙がマリューの目から溢れて、ネオの身が切り裂かれるほど痛くなりました。
ダメです。
これ以上マリューを見ていることなど出来ません。
ネオはふい、とそっぽを向きました。
マリューの呪いは解けたはず。
解けて人間になるのを、ネオは見たのです。
なのに彼女はまた、ウサギになってネオの前に現れました。
(俺が・・・・・・未練ばっかり持ってるからだ。)
だからマリューは人間の世界で、人間として幸せに生きようとしないのです。
大好きなマリューに幸せを。
「あんたなんか知らない。ウサギなんか嫌いだし、顔も見たいくない。」
風が、吹きました。
目を閉じたネオの鼻が、マリューの香りが遠くなっていくのを感じました。
つぶったはずなのに、涙が溢れて止まりません。
「なんで涙が出るんだよ!」
ネオは前足で、ごしごしと目をぬぐって、そしてふと、マリューが立っていた場所に落ちているものを見ました。
それは、ネオがさよならのつもりで置いていった、彼女の、大事な大事なハンカチでした。
それからは、マリューの甘い香りがします。そして横には、落ちて潰れた、ネオの大好きなビスケットが一つ。
どうしようもなくて、ネオは泣きました。
空を見上げて泣きました。
カッコ悪いとか、みっともないとか、そんなのおかまいなしです。
ただただ、悲しくて。
風に乗った彼の声は、春の柔らかい空を駆けて行きました。
宿に戻ったマリューは、力いっぱい泣きました。
とうとう彼に嫌われたと、最初はそう思ったのです。でも、違いました。
彼のしっぽは、情けないくらい垂れ下がっていて。
自分がネオをあんな風にさせたのかと、魔法使いに飼われる立場にしてしまったのかと、そう思うと悔しくて悲しくて仕方なかったのです。
泣き続けるマリューは、ふと、ベッドの横に置いてあった、母の鏡を取り上げました。
もう来るなと言われたけれど。
じゃあ、もう一度だけ彼を見たい。
マリューは涙で曇った頭でそっと鏡を持ち上げました。
ああ、どうしたら彼と幸せに暮らせるのだろう・・・・・・。
ふと、彼女の胸に過ぎった言葉。
「あ・・・・・・・・・・。」
それに答えるように、鏡が強く強く光り輝きました。
そこに、現れたのは。
金色の髪の、一人の青年でした。
青い目が綺麗で、すっきりとした立ち姿の彼に、マリューの目がひきつけられます。
この青い眼差しは・・・・・・・。
「ネオ・・・・・・・なの?」
金色のオオカミにそっくりな、その瞳とくすんだ髪の色に、マリューはどきりとしました。
「鏡さん、教えて!あの人が人間になる方法があるの!?」
すると、鏡は銀色の鏡面を小波のように揺らしました。小さな波紋がいくつも広がりそして、川で溺れる少年を映し出しました。
手を伸ばして助けたくなるほど、夢中でもがく彼に、マリューはハラハラしました。と、その時です。
誰かが、沈みかかっていた少年を拾い上げました。
「あ・・・・・・・・。」
なんと、それはあの、魔法使いだったのです。
「あ・・・・・・ああ・・・・・・・。」
彼女の見ている前で、魔法使いは溺れてぐったりしている少年に、冷たい笑みを浮かべました。そして、なんということでしょう。彼に魔法を掛けたのです。
ぐったりしていた少年は、魔法使いのマントにつつまれ、彼がくる、と回転した次の瞬間にはもう、金色のオオカミになっていました。
そこで、鏡の映像は途切れました。
マリューは放心したようにベッドに座り込んでいます。春の遅い夕日が、窓から斜めに差込み、美しく緑に輝く空に、細くて白い月がのぼりました。。
窓から見えるこずえの先に、その細い月を見て、マリューはぎゅっと唇を噛み締めました。
彼は、人間なのです。
でも、それはもう、ずっと昔の事だから、すっかり彼はその事を忘れてしまっているようです。
そして、あんな酷い魔法使いに飼われているなんて!
マリューの中に、怒りにも似た物が溢れてきました。
「鏡さん!」
真っ赤な瞳に力を込めて、マリューは鏡を覗き込みました。
「教えて!彼を・・・・・ネオを助ける方法を!」
その日の朝早く、マリューは荷物をまとめると、足の丈夫な馬にまたがりました。
鏡は教えてくれました。
今ここに居る魔法使いは、影だという事を。
本物は、ここから更に東に行った、最果ての島に住んでいるのです。そこのお城で永遠の命を得るために、眠りに付き、そして自分の影を世界に飛ばして悪さをして回っているのです。
その本物に、「いのちの雫」を与えると、彼は千年の眠りから覚め、それと同時に寿命が尽きて死んでしまうということでした。
まずマリューはいのちの雫を探しに、北へと向かいました。そこにある、一番高い山の、凍れる頂に、一本の木が立っています。その木の葉っぱを一枚、すりつぶし、水のようになるまでにした物が「いのちの雫」でした。
何日も何日も馬に乗り、その山のふもとに馬を預けて、マリューは山を登りました。
貴女のようなお嬢さんには無理だと、町の人に散々言われました。
途中に化け物がでて、どんなに勇敢な人間も食われてしまうのだと。
それでもマリューは行かなくてはならなかったのです。
自分のために、魔法使いに使われる道を選んだネオ。
彼を幸せにするために。
凍って冷たい道に、マリューは何度も転びそうになり、なんども滑りました。山肌にへばりつかなくては渡れない道も、いくつも通りました。
寒さにかじかんだ手は切れて、血が滲みます。
風になぶられる髪の毛に顔をしかめ、それでも頑張ってマリューは頂上へとたどり着きました。
真っ白な雪の頂に、それは奇妙でした。
真っ白な幹。氷柱が下がる枝。木肌には、吹き飛んだ雪の欠片や、氷のつぶてがくっついて、模様を描いています。
なのに、そこから姿を見せる木の葉は、深く艶やかな緑で、まるで夏の新緑のような色合いでした。
「あった・・・・・・・。」
乾いてひび割れた唇で、マリューはほ、とつぶやきました。溜息も、凍えて落ちていきます。
彼女は木の葉を一枚得ようと、手を伸ばしました。
その時です。
誰だ、私の眠りを妨げるのは。
凍えるような声がして、マリューははっと手を引っ込めました。みるみるうちに、足元の雪が盛り上がり、一匹の、銀色のオオカミが姿を現しました。
両目に傷を受けた、盲目のオオカミです。
「あの・・・・・・そこの木の葉を一枚いただきたいのです。」
ふっさりしたしっぽが、マリューを値踏みするように揺れるのが見えました。
震えるマリューの声に、ふん、とオオカミは鼻を鳴らします。
いいだろう。
低く告げられた言葉に、マリューはほっとしました。けれど、その後に続いた言葉に、マリューは身を強張らせました。
その代わり、お前のその、美しい両目を私にくれないか。
「え・・・・・・・・・・。」
マリューは青くなりました。この目をなくしてしまったら、もう、二度と明るい日の光を見ることも、真っ青な空を見ることも出来ないのです。
どうした。番人の私の申し出を受け入れられないのか?
マリューはぎゅっと手を握り締めて、震える声で言いました。
「わかりました。この目をあなたに差し上げます。ですからその木の葉を一枚、私に下さい。」
マリューは光を失いました。真っ暗闇の中で、でも手にした葉っぱの色や、緑はそれでもよく判りました。
ですが、行きと比べて帰りは酷く困難でした。何度も落ちかけ、何度も怪我をして、それでも彼女はふもとまで辿り着くと、宿屋の奥さんに、木の葉をすりつぶしてもらいました。
さあ、いのちの雫が手に入りました。
「本当に行くのかい?」
不安げな奥さんに、マリューは貰ったキレイな色の包帯を目に巻いて、こっくりと頷きました。
透明な笑顔に、奥さんの胸が潰れるほど痛みました。
「ありがとうございます。」
強く告げると、マリューは東の方向を教えてもらい、後は馬の導きによって東へ東へと進みました。
見えない旅は困難だらけでした。
それでもマリューは懸命にがんばりました。
雨の中でも、かんかんでりでも、突風が吹いても、街の子供に馬鹿にされても。
そして、とうとう、マリューは最果ての海岸へと辿り着いたのです。
マリューは乗ってきた馬を売って、一艘の小船を買いました。
ちゃんと帆の張れる小さくても立派な船です。
それに乗って、彼女はただただ東を目指しました。彼女は目が見えません。だから、船を売ってくれた漁師に頼んで、東に向けて押し出してもらいました。
ただ、それだけです。
風が真西から吹く、都合のいい日でした。
マリューは見えない眼に力を込め、それから耳や鼻を使って、懸命に魔法使いの城を探しました。
恐ろしいほど海は静かで、ただ風が西から東へと吹いていきます。
魔女の血を引く家系のマリューは、とても運が強かったのです。
とうとう彼女の小船はどこかに打ち上げられました。衝撃で砂浜に放り出された彼女は、直感でここが魔法使いの住む最果ての島だと気付きました。
彼女の胸は震えました。
砂を踏んで、彼女はよろけるように、まっすぐに歩きます。指が冷たくて硬い物に触れました。そ、と撫でてみると、それは門のようです。
軽く押すと、呆気ないほど簡単に、その扉は開きました。門を抜けて、マリューは真っ直ぐ歩いていきます。何かにづまづいて、マリューは転びました。階段です。膝に血が滲みましたが、マリューにはわかりません。ずきずきと痛む足を引きずって、マリューは階段を慎重に上ると、差しだした手が、何かにぶつかりました。
冷たくて、物凄く大きな扉です。
力を込めると、それは音もなくゆっくりと開きました。ぐるりを窓に囲まれた、丸い部屋が目の前に現れました。
その真ん中に、あの、仮面の魔法使いが横たわっています。
硝子のベッドで眠る彼の周りのシーツは、皺一つありません。
千年もの間、ぴくりとも動かなかった証拠です。
当然です。彼は身体を離れて遠いところに居るのですから。
そして、そんな光景を見ることも出来ないマリューはゆっくりゆっくり歩を進め、時間をかけて硝子のベッドの存在を知ると、冷たく横たわり、昏々と眠る魔法使いを見つけました。
さあ、これが最後です。
マリューは何度も何度も彼の顔を触って、口の位置を確かめると、胸元から小さな瓶を取り出しました。
中には宿屋の奥さんに作ってもらった「いのちの雫」が入っています。
それを、マリューは魔法使いの口に流し込みました。
彼の眠っていた体が、どくん、と動きました。止まっていた時間が再び流れ始めます。屋敷いっぱいに設置されていたはと時計が、くるったように鳴き始め、マリューは慌てて耳をふさぐと部屋の隅にしゃがみ込みました。
頭の痛くなるようなやかましさです。
そして、脈打っていた体が、突然起き上がり、大声で叫びました。
「誰だ!私を永遠の眠りから覚ましたのは!!!!」
艶やかな彼の肌が、見る見るうちに枯れていきます。
「お前か!!!マリュー・ラミアス!!!!」
干からびていく身体を起こし、目を怒らせた魔法使いが、部屋の隅で震えるマリューを捕らえました。
「やはり殺しておくんだった!やはり全身をばらばらに刻んでやるのだった!!よくも私を起こしたな!この馬鹿女が!!!」
口汚くののしりながら、魔法使いは軋む身体を引きずって、マリューへと近づいていきます。
「今日こそ呪い殺してやる!!!」
絶叫し、魔法使いが手を振り上げた瞬間、ぴたり、とはと時計達が止まり、一瞬で辺りに静寂が落ちました。
魔法使いの時が、使い果たされてしまったのです。
彼はマリューに手を上げた状態で絶命してしまったのです。
海から優しい風が吹き、それが、マリューが入ってくるときに開け放したドアから吹き込んできて、朽ち果てた魔法使いの体が、灰になってさらさらと飛んで行きます。
そうです。
とうとうマリューは魔法使いをやっつけたのです。
「終わったのね・・・・・・・。」
震える声でマリューは呟きました。
「終わったんだ・・・・・・ネオ!」
マリューは飛び上がって喜びました。これでもう、ネオは元に戻ったはずです。彼女はよろけて何度も転びながら、大急ぎで船に戻りました。それから、来た方向へと勘で船を押し出しました。
最果ての海岸では、マリューを心配した漁師の若者や、町の奥さんが心配そうに彼女を待っていました。
やがて無事に戻ってきた彼女に大喜びし、膝の怪我に薬を塗ったり、抱きしめて喜んだりしました。
「あの・・・・・この鏡!」
そんな中、マリューは宿に預けていた荷物から、例の鏡を取り出すと町の人に頼みました。
「お願いです・・・・・この鏡に何が映っているのか、教えていただけませんか!?」
震える手に持つ鏡には、マリューのたった一つの願い・・・・・ネオが今どうしているのかが写っているはずです。
それを見ることの叶わないマリューに代わって、漁師の若者が恐る恐る鏡の中を覗いてくれました。
「キレイな男の人が映ってる・・・・・。」
掠れた声に、マリューは息を飲みました。
「金髪で、背が高くて、青い目の・・・・・。」
ああ、よかった・・・・・・。
本当に良かった!
両手を握り締めるマリューに、若者は続けます。
「これは、東の国の国旗じゃないのか?」
「え?」
若者が、年配の人に聞きました。
「そうだそうだ、東の国の国旗だ。あんれ、この人、東の国の皇子様みたいだ。」
マリューは息を吸ったまま、吐き出せませんでした。
ネオは、東の国の皇子だったのです。
へたり込むマリューに街の人たちが慌てました。
「とりあえず、今日は休め。な?」
優しく薦められて、マリューはがくがくと首を振りました。
ああ、でも、ネオはやっぱり人間で、そして人間に戻れたのです!
こんなに喜ばしい事は有りません。
疲れた身体を引きずって、マリューは薦められたベッドにもぐりこみました。粗末なベッドでしたが、彼女はあまりにも嬉しくて、そのまま一気に深い眠りの底へと落ちて行きました。
(2005/11/17)
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