Kodakとフジ


この雑記帖で一番書きたかったのがコレかも知れない。もしかしたら自分のWebサイト作ったのもコレが言いたかったからかも・・・と思わないわけではない。
だって、他人トコでこんなこと書いたら煙たがられるもんねぇ。多くの人は事なかれ主義みたいだからさぁ・・・(汗)

今やディジタルの時代(デジタルではなくディジタルだ! なんで、digitalを日本の多くの場所ではデジタルと言うのか不可解だ)、今更、銀塩フィルムの話なんぞどうでも良いと多くの方は思うだろうが、私が言いたいから書くのだ。Kodakフジを書くならコニカも書けと言われそうだが、私は使ったことないので無視である。

さて、Kodakと言えばやはりKodachrome。私は写真を始めて10年近くはこのKodachromeを愛用していた。使用頻度の順で書くとPKMPKREPRの順である。知らない人の為に書くと、リバーサルフィルム(ネガフィルムもそうかも知れないが、使わないので私は知らない)はどれも大体2〜6文字程度のアルファベットもしくはアラビア数字、もしくはローマ数字を組み合わせた略称を持っている。例えば、”コダクローム64プロ下さい”と言うより”PKR下さい”と言ったほうが、多少は写真を解ってるように見せかけることも出来るし、何よりスマートだ。(と、書いてることがかなりカッチョ悪い。(汗))
上に書いたPKMPKREPRは各々、Kodachrome 25 ProKodachrome 64 ProEctachrome 64 Proというフィルムに対応する。ちなみに現在主に使っているVelVia100は”RVP100”である。
さて、リバーサルフィルムには現像方式の違いで外型と内型の2種があるのをご存知だろうか?
最近は殆どのフィルムが内型で、おそらく、ただ1種、Kodachromeのみが外型フィルムである。(間違ってたらご免なさい)
内型と外型の違いは、内型がフィルム内に発色剤を持つのに対して、外型はフィルムに発色剤を持たず、現像過程で発色剤を加える、という表現が正しいかどうか解らないが、私が知識として持ってる情報ではそういうイメージで脳に記憶されている。
で、内型フィルムの現像は機械があれば何処ででも出来るのに対して、外型フィルムの現像が出来る現像所は日本で数ヶ所しかない。記憶では東京と大阪に一箇所ずつであったと思う。(これも間違ってたらご免なさい)数が少ないのはかなり特殊な設備を必要とするからなのだろうと想像している。

さて、ここからが本題。
私は、何年か前、Kodakのフィルムと決別し、フジに乗り換えた。
それは、Velviaの発色の魅力に勝てなかったからではない。Kodakの品質管理、サービスに対する不信感が積もり積もった結果である。

私は写真始める前からKodakが好きだった。写真撮るときに使うフィルムはKodakしかないとまで思ってた。
When I think back on all the crap I learned in high school ・・・・Kodachrome,They give us those nice bright colors. They give us the greens of summers ・・・” と、私の好きなPaul Simonも歌ってるからだ(半分冗談、半分本気)。当然カメラ買って最初のフィルムからKodachromeだった。

そんな私が、Kodakから決別したのは、次のようなことだ。

(1)現像に時間がかかり過ぎる。 1980年代後半の私が写真を始めた頃は4、5日で上がってきてたように思うが、暫く写真を離れて再開した1996、7頃には1週間掛るようになってた。

(2)現像品質もしくはフィルム品質が悪い。具体的に”品質が悪い”とは以下のようなことだ。

・現像途中で付着したと思われる泡によりその部分が丸く色が着いてないことあり。

・現像途中もしくは乾燥時に付着したとしか思えないゴミが多数フィルムの現像面?に付着、色と一緒に固まって除去不可の状態であったことあり。

・現像むら。写ってる写真とは無関係に数コマに渡って色の濃い分と薄い部分ができ、それが帯状になってた。当然、其処に写ってる写真はボツ。

・プリントに出した写真(自分ではかなり自信作だった)が帰ってくると、肝心な部分に丸い色がおかしい部分があり、調べてもらうと、フィルムに唾かなにかが飛んでその部分が変色してる。
その前に何度かサイズを換えてプリントしててその時は正常であった為、このプリント時におかしくなったことは明白。この写真もボツになった。



私がKodakを使ってた最後の辺りでは、不良率20%くらいは行ってたのじゃないだろうか。(かなり頭に来てたからホントはもっと少なかったかも知れないが・・・)
忍耐強い私もさすがに、これには堪忍袋の緒が切れた。

かつて、Kodakフジを相手に、”日本国内でKodakのシェアが少ないのはフジが不当な市場操作をしてるからだ”みたいな訴訟を起こしてたと思う。
もしかしたらフジがそういうことをしてたかもしれないが、私は、それよりKodakの品質に対する怠慢が原因の大きな部分ではないかと思う。
最近のKodakには縁のない状況なので現在はどうなのか判らないが、Kodakユーザーの為に以前よりはもうちょっとマシな品質体制になっていることを願う。
写真撮ってる人間はその1コマを撮る為に、かなりの時間と労力と金銭をかけてることがあるのだ。もし、Kodakの関係者がこれを見ることがあったら、その辺を考えて品質向上に努めてもらいたい。
少なくとも、フジでは幸いにも今のところ上に挙げたような問題にぶち当たったことはない、ということも書いておく。

最後に・・・
私の愛用してたPKMは知らぬ間に生産中止になってたらしい。ちょっと寂しい。




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