7月6日
ウランバートルより約70キロのテレルジ国立公園へ向けて出発。途中、“おぼう”をお参りして旅の安全を祈る。亀岩を見学してゲルキャンプ到着。ゲルとは遊牧民の移動式テント住居で木の枠と羊毛のフェルトからできています。ここは北海道より北にあたり夜は冷えるので薪ストーブがあります。遊牧生活の基本は夏は高地に住居ごと移動して遊牧し、冬は低地に降りてくるのだそうです。想像するよりも中は広くできておりました。小さな入り口が一つ、天井に空気抜けはありますが窓はありません。
この日は乗馬体験の予定でしたがあいにくの雨で中止。ではということで全員参加のトランプ大会になりました。キャーキャー、ワーワーとこれが意外にも盛り上がりまさに女鉄火場でした。大草原の中で誰にはばかることも無く時間が過ぎるのを忘れました。
夕方(といっても日暮れの気配は無く明るい)雨が上がり、牛の乳搾りを見学し遊牧民宅を訪問。ゲルの中には中央に仏様が飾ってありますが家具は至って質素、必要最小限でした。住居は移動を前提にしたものとのこと。チーズ、バター、ウルムなど乳製品をごちそうになりました。新鮮なミルクの香りがいっぱい。口の中でフアッと広がります。楽しみにしていた馬乳酒の試飲がなかったのは残念。夕食は公園のレストランで石焼羊肉。ガイドさんに教えられて熱々の石を両手の中で転がしその手で顔や手を擦る(滑らかなお肌になるとか)。岩塩のみの味付けだけなのに、なんでこんなに美味しいのでしょう!羊肉を敬遠していた方にも好評でした。
夜中の12時、“星が見える!”の声に飛び起き寒さに震えながら、きらきらと輝く星群とその中を流れるように横切っている銀河に見入りました。”これが宇宙だ“と実感しました。流れ星にそれぞれ願いを託しました。
7月7日
モンゴルに来たからには何が何でも馬に乗らねばと、一人10分位でしたが(前日なら1時間は乗れたはずなのに残念!)乗馬体験をしました。モンゴル馬は予想より小ぶりで素朴な感じでした。でもサラブレッドなど世界の馬の原種だそうです。この馬を駆ってチンギスハーンは遠くヨーロッパまでを席巻したそうです。皆さん背筋をぴんと張ってしっかりと乗りこなしました。珍しい可愛い花がいっぱいに咲く草原の散策を楽しみ、その後、ゲルキャンプ地を後にしてチベット仏教のアリヤバル寺院を見学(かなり高い山の中腹にあり喘ぎぎ喘ぎでしたが全員到着)してウランバートルへ帰りました。来る時もそうでしたが道路は深くえぐれた轍がそのままの天然道路で、車外は土煙。踊るバスの中で上下左右に撹拌されました。(必死に掴まっていましたが私は座席から通路に放り出され向う脛に真っ青な打ち身をつくってしまいました。)しかし波うって広がる草原を背景に牛、羊、やく、馬などの群れがゆっくりと移動しながら黙々と草を食んでいる姿、これはここまで来なければ見れないとっておきの風景!バスの外に出て全員夢中でシャッターを切りました。
夜はダワーさんご家族(6年間彦根に滞在し15年前に帰国。帰国時、長女アリウンちゃんは城西小学校の6年生、次女ゲレルちゃんは3年生、長男バットちゃんは彦根生まれの3歳)と食事会でした。予約の段階で、ダワーさんが“日本料理店を”と気を使ってくださったのですが、モンゴル料理店にしてもらいました。ダワーさん一家が在彦根の間に来日されたお母さんも来てくださり思いがけない再会を喜び合いました。
7月8日
ガンダン寺、ボグドハーン宮殿博物館など市内観光とダワーさんが所長を勤めるモンゴル・日本人材開発センターを訪問し案内していただきました。日本の芸術品、文化が収められた立派な施設でした。ダワーさんに日本流のお見送りを受けながらセンターを後にしました。モンゴル滞在時間も残り少なくなった夜はモンゴル民族音楽やホーミー、ダンスなどを楽しみました。それらを通じて中央アジア文化の雰囲気にも触れることができました。
7月9日
朝、6時半チンギスハーン空港を出発、昼前関西空港到着。飛行機を出た瞬間の熱風。頭がくらくらしました。ホームランド、日本に帰国。短い旅でしたがメンバーは、“華やかなご一行様”、それはそれは賑やかな中味も濃い充実した楽しい旅でした。
以上、モンゴル旅行をかいつまんで報告しました。遊牧民は各国とも定住化が進んでいて、ここのような昔からの遊牧生活(放牧ではなく)が見られるのは世界でも数少ないとのことです(県立大名誉教授小貫先生の話)。貴重な経験でした。いろいろの映像については後ほどの報告会で、と考えております。
6年前のマレーシアからの帰路に持ち上がったモンゴル旅行(日本から近いのに割高)がようやく実現、全ての日程を消化し全員が無事帰って来ました。