★★ X線検査について ★★

レントゲン検査ではX線を使用します。このX線は電離放射線ですので、X線検査をすると人体は放射線によって影響を受けることになります。原子力発電所や核施設等の事故のイメージから体に重大な悪影響をもたらすと思われがちですが、実際は医療分野で取り扱う医療放射線量はそれらの事故などでの被曝量と比べはるかに小さく、人体に対する影響においてまず問題ありません。

☆ 主なX線診断の際の線量   (当医院の検査機器での概算値)


胸部撮影    0.05     mSV

腹部撮影    0.9       mSV

頚椎撮影      0.6      mSV

腰椎撮影    1.0      mSV

消化管検査  3.3       mSV

体部CT     4       mSV                                                    


(自然放射線量は 1 mSV/年 です。これは絶えず地球上に降り注いでいる宇宙線や天然に存在する放射性物質からの放射線で、何もしなくても地球上にいる限り年間1mSVあびている事になります。)

●確定的影響(閾値あり)    一度にある線量以上をあびた場合に発生すると考えられている障害


皮膚・・・初期紅斑          2000      mSV

水晶体 白内障         5000      mSV

造血組織 機能低下      500       mSV

卵巣 永久不妊      2500〜6000    mSV

精巣 永久不妊      3500〜6000    mSV

◎ ここで注意しなければならないのは、上記の値はいずれも一度にあびた場合の値という事です。
つまり消化管検査を年に一度10年間定期的に行なったからといって、それだけで3.3×10=33mSVの線量をあびたと言う事にはなりません。というのも人間の細胞というのは絶えず新しく再生されているからです。

放射線によって細胞が影響を受けても、その影響を受けた細胞はどんどん新しい正常な細胞に作りかえられていきます。その作りかえが追いつかないほど一度に大量にあびた場合、上記の確定的影響が現れると考えられています。


わかり易くたとえるなら "しょう油" を考えてみてください。しょう油一升瓶全部を一度に飲めば確実に内臓に悪い影響を与えます。しかし毎日少しづつ使用して、そのうち一升瓶がカラになった所で内臓には影響はありません。

つまり放射線をあびるといっても、一度に大量にあびない限りは大丈夫です。


医療現場でのX線量は、影響が出ると思われる線量よりもはるかに低い値ですので安心してください。

●非確定的(確率的)影響 (閾値なし)

これは直ちに細胞や組織が死ぬことはないような少量の放射線を受けたときに、何年も後になってから起ることがある「ガン」や「遺伝的影響」のことです。これらの影響は必ず起るのではなく、「起る可能性(確率)が生ずる」ことからこのように呼ばれています。現在の放射線医学の知識では、確率的影響が微量の放射線で生ずるのかどうかは解明されていません。それは、ガンや遺伝的影響は放射線以外の様々な原因(薬、食品、化学物質、環境etc)でも発生するので、明確に放射線が原因であると判断出来ないためです。


妊娠している可能性のある方は、検査前にお知らせください。