64列マルチスライスCT検査の特徴
○初期のヘリカルCTでは,らせん(ヘリカル)状に高速でエックス線管球を360度連続回転させ撮影します。(検出器は1列)
これにより一回の息止め(8秒ほど)で8〜10枚のスライス画像を撮影することができます。これを数回繰り返します。
(あくまでX線管球1回転につき1スライスの画像が得られますのでX線管球も8〜10回転します。)
ヘリカルCT撮影

☆マルチスライスCTはX線を扇状に広い角度に照射し、対側の検出器自体を細分割して多列化したもので、検出器の数により数タイプあります。
今回導入した Supria Grande(日立製作所)は64列のマルチスライスCTです。
1回のX線管球の回転で64スライスの撮影が可能です。(管球の回転速度も高速になってます。)

たとえば 0.625mm厚スライス の高詳細撮影の場合、8秒間の息止めで撮影できる範囲は

となり、64列マルチスライスCTでは 胸部〜下腹部 まで一度で撮影することが可能です。
つまり同じ範囲を撮影した場合、より短時間・低被曝で撮影できます。
[64列マルチスライスCT Supria Grande の特徴]
・75cmの大口径ガントリ。背骨・骨の曲がった方、体格の大きな方、閉所が苦手な方の撮影に有効。
・高速かつ高画質で撮影。(16列CTでの同部位・同条件撮影時と比べ撮影時間は1/4)
・全ての撮影で0.625mm厚の薄いスライスでの撮影が可能で、小さな病変部分も詳しく検査できます。
・CTデータ解析専用ソフトを使用して2次元の高詳細な画像を元に3次元の立体画像を作成したり、縦・横・斜めとあらゆる方向のスライス像を作成できます。出来上がった画像も高詳細画像となります。
・解析用PCによる体内脂肪・肺機能・仮想内視鏡による気管支・消化管の検査が可能。
・撮影時間の大幅な短縮により被曝線量も軽減。
[体脂肪解析]

近年、食事の欧米化や運動不足による肥満体質、あるいは隠れ肥満の人が急激に増えてきています。
肥満は、生活習慣病の元になると言われており、その生活習慣病が原因で引き起こされる糖尿病や心筋梗塞、高血圧などといった重大な病気になる前に、予防または治療することが重要です。
生活習慣病の大きな原因であるとされる「内脂肪型肥満」を、CT画像データを解析してわかりやすい画像で確認出来ます。
腹部CT画像から内臓脂肪と皮下脂肪に相当する面積を算出し色分けして表示し測定、その結果をレポートとして作成します。前回検査との比較も分かりやすく表示されます。
CTによる体脂肪解析はメタボリックシンドロームの診断において最も有効な検査とされています。
[LAA解析]
国内のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者がこの10年間で激増しており今後も増加する見通しです。
主に喫煙を原因として肺の細胞壁が破壊される疾病である「肺気腫」を、CT画像によりデータ解析します。
胸部の断面画像を基に破壊された細胞を彩色して表示し面積を測定。[LAA:低吸収領域]
%LAA(肺全体に占めるLAAの百分率)を算出し肺機能を診断します。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)に有用な検査で肺気腫等の描出に優れており、レポートで前回の検査との比較も出来ますので、経年変化の観察に優れています。
[気管支・消化管解析]
胸部・腹部の2次元CT画像から気管支や胃・大腸の仮想内視鏡画像を作成します。
気管支鏡や内視鏡を体内に入れる事も、バリウムを使う事も無く、普通のCT検査と同じ様に短時間で検査可能です。
作成された画像により様々な方向から検査部位を観察可能です。
検査を受ける方への負担が少なくポリープ等の発見に適しています。
★肺がん検診
下の図で説明しますと、胸部レントゲン画像では心臓の影に隠れてしまって赤い○の付近には何も見えません。
しかし、赤い線の所のスライスをCTで撮影すると初期の小さなガンが発見されました。
胸部レントゲン 胸部CT

このように簡単な健康診断だけでは100%カバー出来ない場合があります。
毎年健康診断を受けておられる方でも50歳以上で喫煙指数(1日の喫煙本数 X 喫煙年数)が 600以上の人や、6カ月以内に血痰があった人は肺がんの高危険群(ハイリスクグループ)とされていますので、マルチスライスCTによる検査をお勧めします。
1.肺ガンの危険因子の高い方。(長期の喫煙者やその同居者など)
2.咳、痰の長く続く方、喀血などの既往のある方。
3.胸部レントゲン写真で異常を指摘されたことのある方。
4.50歳以上の方。 にお勧めです。
