谷川岳(1977m)

平成19年7月28日(土) 晴れ一時雨

『大丈夫・・・?』
『大丈夫だよ・・・!』
『だったら、もう少し早く歩いてよ・・・。』
『これ以上早くは歩けませんよぉ〜』


おっ〜と!チンタラ歩いていたら駄目だしのお言葉・・・。
それもそのはず!羽を広げた蝙蝠のような雨雲が
背後から追っかけてくる!
抜けるような青空が広がっていたのに・・・山の天気は変わりやすい!
まして、上越国境の『魔の山』と呼ばれる谷川岳

一ノ倉岳を発ったのは12時5分
肩の小屋には13時までに入りたい・・・。

ここ最近、チーム蓑虫はず〜とガスガス登山が続いてる
晴れ狙いでパソコンの天気予報と睨めっこ!
登りたい山の天気はイマイチはっきりしない・・・。

思いがけないエリアが晴れマーク!
谷川岳なんてどうかしら?
チーム蓑虫にとって初登頂の谷川岳になる

金曜日17時のヤフー天気予報で曇りに変わった・・・。
19時のNHK予報は晴れ・・・ただし前線通過あり!
ここまで来れば、もう谷川岳でしょう(笑)

マチガ沢

いやぁ〜びっくり!
マチガ沢から眺める谷川岳は稜線がくっきりはっきり!
駐車してある車は6台
登山者達は準備をして出発・・・5:35〜蓑虫隊員も少し遅れて出発!

谷川岳を登るなら巌剛新道と決めていた
なぜなら、谷川に詳しい
ヒロタンま〜くのお薦めルート!
生い茂った草むらを歩き
直ぐに登山道は沢状に・・・涸れ沢に水が流れ込んだみたい
紫陽花が登山道に沢山咲き
オオカメノキは実を結びソバナ?は秋を思わせる

オオカメノキ

ソバナ?

登りやすい登山道!でも少し滑りやすいかも・・・。
なんと言っても青空の下を歩けんるなんて幸せ!
だんだん汗が出始めて来た
先発の登山者達を追い越すと登山道は左へ
6:20〜『第一見晴』の標柱あり
男性登山者が一人休んでいた

ここからマチガ沢と谷川岳を眺める!
マチガ沢へ下る道がついている・・・登山道マチガワないように!

マチガ沢

紫陽花

ノリリウツギ?

登りながら振り返ると綺麗な山並みがシルエットのように見える
あの山が朝日岳?
たぶん白毛門〜笠ヶ岳〜朝日岳だね
そして谷川岳もぐんぐん迫って来る
道は右へトラバース
涸れ沢で冷たい風に吹かれる
上部を見ればオオバキボウシの群生

トラバース道

左から白毛門〜笠ヶ岳〜朝日岳(中央奥) (撮影::松本)

花も多くカラマツソウやシモツケソウ、クガイソウなど
盛夏から秋を感じさせる花々・・・。

クガイソウ(撮影:松本)

谷川岳とマチガ沢とワタシ

登山道は岩場が多くなり鎖場が出てきた!
鉄梯子もあるけれど・・・高度感はない
鎖場が終われば西黒尾根に上がるはず!
ダケカンバの木肌と緑が眩しく感じる

岩と鎖の登山道を登る


鎖場の後は右へ右へと道は進み
7:30〜登りきると西黒尾根合流地点
ガレ沢の頭に出た!

西黒尾根ガレ沢の頭

西黒尾根の登り

ここから西黒尾根上半の登りが始まる
初めは快適な尾根歩きが続く
やがて登山道は広がり大きな岩が出始め
ガレ場が続く

山の斜面はお花が咲き乱れてる
ここでもオオバキボウシが目立つ
斜度は緩いような感じ・・・。
青空と心地好い風に吹かれて
疲れを感じさせない登り・・・いや、疲れたような感じもする

岩場に咲いてる花にカメラを向けて
花を撮り続けながら登る
登るに連れて岩と岩の間やザレた場所に
イブキジャコウソウが貼り付いて咲いている
  
   シモツケソウ        オオバキボウシ(撮影:松本)     ミヤマキオン?(撮影:松本)

イブキジャコウソウ

西黒尾根後半の登り
 
クルマユリと向こうは天神平スキー場 (撮影:松本)

近そうでまだまだ遠い谷川岳!
題して
『谷川岳に挑む!』
腰に手を当てポーズを取る・・・少しだけ山女風の蓑虫

スタートから二時間半・・・休憩なしだった!
歩けなくなると怖いので『氷河の跡』と呼ばれる一枚岩で30分程休憩
バナナとお稲荷さん&お茶


『氷河の跡』

遠くに巻機山その奥に越後駒ケ岳と中の岳が見える
越後の山は山座同定が出来る・・・。
そして笠ヶ岳〜朝日岳が見える
『朝日岳って綺麗な山だね〜。登りたいよね!』
『山好きだね〜。山女なんだね・・・普通の人はそんな事言わないよ!』

岩の間からワレモコウが咲いてる
この花を見ると秋だと感じる!
何時までも腰を下ろして休んで入られない・・・。
青空に雲が出てきた!
午前は晴れマークの天気予報が頭を過ぎった・・・。


東尾根シンセン岩峰とタカネイブキボウフウ?(撮影:松本)

『氷河の跡』を発つと直ぐにザンゲ岩の標識が出てきた
肩の小屋は近い
ハクサンフウロ、ウツボグサ、キンコウカが出迎えてくれる

ハクサンフウロ

ザンゲ岩を登りきると天神尾根を歩く多くの登山者が見えた!
まるで蟻の行列のようだ・・・。
小屋手前にはハクサンコザクラが一株咲いている
9:10〜少し小屋を覗いてから山頂へ
時間が早いのか山頂へ向かう登山者はまだ少ない

肩の小屋と縦走路

谷川岳トマの耳

オキの耳を睨む!

9:30〜谷川岳トマの耳!
双耳峰なので次はオキの耳へ

トマの耳から駆け下りる・・・トレイルランナー風に!
しかし、直ぐに転んでしまった(涙)
どうやらトレイラルランナーには向かないようだ・・・。

谷川岳山頂(オキの耳)
9:50〜谷川岳(オキの耳)着!
今日はここで終わりじゃないので・・・。
次なるピークの一ノ倉岳にGO!

一ノ倉岳〜茂倉岳まで歩く予定・・・。
まだまだ青空は広がってる!
なんと苗場山の方から過激な音楽が聞えてくる
フジロックコンサートの音が聞こえるのだ!

一ノ倉岳に続く稜線の登山道は右側は切れ落ち
左側は優しい感じで笹が生茂ってる
『ノゾキ』から一ノ倉沢を覗く・・・。
空恐ろしくて・・・ぶるぶる(笑)
登りは結構な急登で、転んだ時に擦りむいた膝が痛む
擦りむけた傷に絆創膏を貼る
そして歩いてきた谷川岳を振り返る

ノゾキより一ノ倉沢

谷川岳を振り返る

一ノ倉岳山頂
 
10:50〜一ノ倉岳山頂は平坦な通り道?と言う感じだ
ドーム型の避難小屋があった・・・収容人数は1〜2人ほど
ふんわりとガスに覆われてきた・・・。
茂倉岳が見え隠れする
ここから20分程で茂倉岳山頂
ここで引き返す登山者達もいた

茂倉岳へ!

一ノ倉岳〜茂倉岳までの稜線歩きは
ニッコウキスゲ、タテヤマリンドウ、ウツボグサなどのお花畑!
一ノ倉岳の新潟側の斜面にはハクサンコザクラの群生
遠目には紫の絨毯に見える

タテヤマリンドウ(撮影:松本)

茂倉岳山頂                             山頂から土樽を眺める
11:25〜茂倉岳山頂!
山頂周りはニッコウキスゲのお花畑
丁度
土樽へ続く登山道途中には茂倉避難小屋が見えた!
綺麗で立派な感じだ

ここから土樽までは3時間ほどの下り・・・。
出来ればここから土樽に下りたいね!
11:30〜でもマチガ沢に車があるから・・・と踵を返して一ノ倉岳に向かう

茂倉岳から谷川岳を望む


優しい姿の一ノ倉岳
左側斜面にハクサンコザクラ群あり!

11:50〜再び一ノ倉岳
ここで軽く休憩でおにぎりタイム!
大きなザックの縦走者が3人登って来た
12:05〜一ノ倉岳出発
予定は13時に肩の小屋!
またまたガスに覆われ始める・・・。
一ノ倉岳を下りオキの耳へと登り始める頃
だんだんと怪しい空模様になってきた・・・。
新潟側から雨雲が追って来る

逸る気持はあるが、足が前に進まない
早く歩いて!と駄目だしの言葉も出たけれど・・・。(冒頭の文へ)

ポツリポツリと雨があたる
こんな空模様なのに
これから茂倉岳までピストンする登山者が来る!
肩の小屋泊なのだろうか・・・。
稜線で雷はゴメンだ・・・魔の山にはならないで!

12:40〜谷川岳オキの耳

登山者は雨具を着る準備をしている
ここまで来たなら肩の小屋を目指そう
トマの耳は山頂をスルー
小屋に向かう途中で今朝追い越した登山者と挨拶を交わす
雨脚が早くなった来た

12:55〜肩の小屋着!
小屋の入り口は登山者で混雑
中に入りホットコーヒーを注文し雨具の準備・・・。
小屋で飲むコーヒーは一段と味わいが深い


幸いにも雨は上がり、魔の山は微笑んでくれた!
団体登山者達も下山し小屋が静かになった頃
13:25〜肩の小屋を出る
 
谷川は魔の山ではなかった!
でも天神尾根を軽装で下る登山者達には少し驚く・・・。

へっぴり腰の下り

氷河の跡

西黒尾根一望

滑りやすい岩場を一歩一歩慎重に下る!
雨の下りならきっと滑って転ぶ事だろう・・・。
軽装の女子大生?風の方も必死に下ってた!
14:15〜巌剛新道分岐 (西黒尾根ガレ沢の頭)
ラクダの背を見ながら西黒尾根下部の下りとなる
分岐から5分でラクダの背に着く
ここからは垂直?の鎖場を三ヶ所?下る・・・。

鎖場
足元の悪い鎖場を無事に通過し
歩きやすい樹林帯に突入
程よい下り・・・。
でも、苔むした石や滑りやすい木の根には注意

樹林帯の登山道

送電線の鉄塔がある広場に出る
ロープウエーの音が聞こえた
登山口は近い
途中の水場で何時ものように水を汲む
山の土産はこれに限る

15:40〜西黒尾根登山口に到着
車道を歩いてマチガ沢へ・・・。
16:00〜マチガ沢駐車場!
久し振りの青空登山は快適だった
初めての谷川岳は魔の山ではなかった!

『魔の山なんて言わないで・・・』
肩の小屋の手拭に書いてあった言葉を思い出す!

紅葉の頃に歩きたい谷川連峰!