本名御神楽(1266m)

平成17年6月5日(日) 曇り時々小雨

登り(休憩含む) 駐車場(6:50)〜登山口(7:35)〜八乙女ノ滝(7:55)〜尾根取付地点(9:00)〜杉山ヶ崎(9:45)〜
           避難小屋(10:30)〜 山頂(10:50)

下り(休憩含む) 避難小屋(12:45)〜杉山ヶ崎(13:30)〜鞍掛沢(14:10)〜八乙女ノ滝(15:05)〜登山口(15:25)〜
           駐車場(16:15)


 晩秋の粟ヶ岳山頂から尾根筋の奥に見えた綺麗な山。『あの山は?』・・・『あれが御神楽岳だよ!』と。それ以来登りたい山、気になる山だった。しかし、なかなか登るチャンスに恵まれなかった・・・。
 登山口は三箇所。何処から登るか色々と考えた結果、福島県金山町本名から登る事にした。そして、今日は山開きだったが雨のため中止になった。町職員から記念バッチを頂戴し、『福島県で一二の厳しい山行きです。ここを登れば福島の山は何処でも大丈夫です!気をつけて登ってください!』とお言葉も頂戴した・・・。そんなに厳しい山行きなの?


6:50〜林道が通行止めのため3キロ程手前の駐車場からスタート!
 林道は昨年の橋梁災害で通行止め登山口まで車で入れない。3キロ程手前の駐車場から歩き始める。
 Fさんとは唐松岳以来の登山となる。

7:35〜やっと登山口!
 林道を45分ほど歩きようやく御神楽岳の登山口。先行者は新潟市から来たご夫妻。『このルートはとても景色がよく歩いて楽しいですよ』とアドバイスを貰いワクワクしながら歩き出す。生憎小雨模様だが緑が綺麗に見え是もまた好し!
 霧来沢沿いに杉林のぬかるんだ道を緩やかに登るり、途中タムシバの花が咲き始めたばかりでようやく春が来たような感じ。
7:55〜これが八乙女ノ滝。
 
 霧来沢の川音を聞きながら進むと八乙女ノ滝に出る。高さはあまり無いが勢いのある滝。滝の巻き道の岩場には鎖が付けられていた。雨で濡れた鎖場の下りは嫌な感じだ。慎重に降りると今度はへつりの鎖場!これはもっと苦手!この二つの難所を過ぎるとナメ沢沿いの平坦な登山道となる。途中真っ白なニリンソウのお花畑が出没!沢沿いに更に進むと八丁洗板と命名された美しい滑底が見られる。ここを過ぎると沢筋に多くの雪渓が見え始めた。登山道脇も雪が消えたばかりなのかカタクリの花は蕾だった。『帰りには咲いているかもね!』とFさん。
8:45〜鞍掛沢を渡る。
  
 たぶん鞍掛沢と思われる雪渓を横切り、霧来沢の川音がだんだん遠くなるに連れ道はすこしずづ登りとなり、やがて右に折れ急な尾根の始まり・・・。
9:00〜尾根取付地点。ここからが厳しい!
 ここからは予想以上の急登が始まった!まるで飯豊や朝日の登山道!ブナやマツと思われる大木の美しい張り根を見ながら一歩一歩喘ぎながら登る。風も強くなり始め辺りはだんだんとガスに覆われ始めた。登山道脇にはチゴユリやウゴクツクバネウツギが風に揺られていた。尾根の途中で大休止を取る。Fさんが今年初めての登山だった事を知る。今シーズン初登山で4時間コースしかも急登、鎖場、標高差1000m近く・・・。こらからまだ鎖場があるんだけれど・・・ごめん。
  
        ブナなどの大木の根                           想像以上の急登!     

         チゴユリ                       ウゴクツクバネウツギ               ガスに覆われる
9:45〜杉山ヶ崎(948m)ピーク
 急登を登り続け約一時間近く、ようやく杉山ヶ崎というピークに着いた!でもガスで全く周囲が見えない。どうんな風景なんだろうか・・・。たぶん進行方向北側には本名御神楽が見えるはず。豪雪にみまわれた壮絶なスラブ『会越の谷川岳』と呼ばれる山並みの前ヶ岳などが見えるはずだだった・・・。
 せっかく登ったのにここからは少し下り、最後の難所である鎖場を目指す。尾根沿いにはベニサラサドウダンやイワカガミが咲いてた。
10:15〜熊打場・・・。最後の難所!
  
      熊がつく名前は嫌な感じ                            鎖場はやはり急だ!
 熊打場の目の前には、ガスに覆われているが垂直のように見える大きな岩場が聳え立っていた!これが最後の鎖場だ。先行の宇都宮から来た若者達の賑やかな声が聞える。鎖をしっかり持って一気にぐんぐんと登る。Fさんは重いザックを背負い慎重に登ってきた。登りきれば15分ほどで避難小屋に着いた。Fさんのザックをデポし山頂へ向う。ガスの中を歩いていると右手東側に、まだ大きな雪庇が残っていた。登山道の両脇にはカタクリの葉が沢山。花はこれからかな?
  
          二階建ての避難小屋                           山頂手前の雪庇 
10:50〜本名御神楽山頂!乳白色の世界が広がる。
 ようやく本名御神楽の山頂に着く。山頂はわりと狭い感じだ。そして360度ガスで全く見えず・・・。一面真っ白!どんな景色なのだろう。あぁ〜欲求不満!御神楽岳や水晶尾根、つばくろ尾根が見たかった。ガスが無ければ360度のパノラマが楽しめたはず!
 
 暫くガスが晴れるのを待つが、期待できそうにないので御神楽岳は諦め今日はここまで。ここからの景色は次回の楽しみとしよう。ふ〜う、寒くなった来たので小屋でランチタイムに!
12:45〜避難小屋出発!
 Fさんが担ぎ上げてくれた500mlの缶ビールを飲めないなどと言いながら二人で二本空けてしまった・・・。鎖場があることをすっかり忘れている。少しほろ酔い気分で小屋を出るとガスが少しづつ晴れてきている♪
 鎖場にさしかかると登ってきた尾根筋が見え始め、東側にのびる尾根が見えた。小屋方向を振り返るがまだガスが掛かっている。

  
       東側の尾根                               鎖場から先行者を見下ろす
  
       鎖場を振り返る                                前ヶ岳のスラブが見えた!
 登りにはガスで見えなかった垂直の大きな岩の鎖場が見えた。西側には前ヶ岳の壮絶なスラブが見え思わず圧倒され声が出てしまう。だいぶガスも上がり杉山ヶ崎までの尾根の感じが見えてきた。そして杉山ヶ崎付近から振り返ると本名御神楽と思われるお姿が・・・。違うかしら?
  
   杉山ヶ崎を目指して尾根を下る                              本名御神楽? 
 13:30〜杉山ヶ崎。稜線歩きは終わる。
 杉山ヶ崎からは急坂を一気に下りたいが、木の根や濡れた落ち葉が滑りやすく慎重に下る。右手方向には前ヶ岳に続いていると思われる尾根筋をブナ林の隙間から眺める。時折吹いてくる風が快い。

 雨上がりで木々の緑が綺麗。
14:10〜鞍掛沢
  
          大きなブナの木                             鞍掛沢?と思う雪渓
 鞍掛沢の雪渓を渡りまた霧来沢沿いのぬかるんだ登山道を進む。今朝蕾だったカタクリも花開き、サンカヨウの花がみずみずしく咲いている。川音が大きくなると八丁洗板に着く。ここで休憩し川で手を洗い水の冷たさに驚く! そして朝露で花びらを閉じていたニリンソウのお花畑は見事に花開いていた。
  
 15:05〜八乙女ノ滝。
  
          八乙女ノ滝                                  へつりの鎖場の対岸
 対岸にピンクのツツジを見ながら鎖のついたへつり道を歩き鎖場を登る。やがて八乙女ノ滝が見えてくる。登山口までもうすぐだ。御神楽岳の登山コースは色々な場面があり飽きる事がなかった。
15:30〜登山口着!
 無事に下山。ここから駐車場までの林道歩きが待っている。早く橋が架かり車で入りたい。
次回は紅葉の頃にFさんまた一緒に登りましょう(^^)
 そして、福島で一二の厳しい山を登る事が出来た!

 今年もいよいよ夏山シーズンへ突入♪