雲取山(2017m)

平成18年1月28(土)〜29日(日) 晴れ

登り 三峰神社登山口(9:25)〜霧藻ヶ峰(11:00)〜前白岩山(12:25)〜白岩山(13:30)〜雲取山荘(14:30)
   雲取山荘(15:20)〜雲取山(15:45)
下り 雲取山荘(8:15)〜白岩山(9:30)〜前白岩(10:00)〜霧藻ヶ峰(10:50〜11:55)〜三峰神社登山口(12:55)
 
 そろそろ山に登りたい症候群に掛かっていた私に雲取山のお誘いメールが届いた!『雲取山って何処にあるの?』 確か百名山だったような・・・。
 奥秩父の三峰神社からのコースは、約10キロと距離がある上にアップダウンを繰り返し5〜6時間もかかるらしい・・・三ヶ月振りの登山はどうなる事だろうか。重いザックを担ぎ歩き通せるのかしら?と心配しながらも、山頂から眺める富士山を思い浮かべていた・・・。


 27日(金) 夜9時過ぎ長岡インター駐車場で待ち合わせ、埼玉は花園インターを目指し高速道を走る。小千谷を過ぎ川口辺りから湯沢まで三回も除雪車の後を行儀良く走りながら、助手席の車窓から見る高速道両脇の雪壁の高さに驚く!
 関越トンネルを抜けてからは順調に花園インターへ。その後は国道140号をひたすら走り秩父道の駅まで。今宵はここで車中泊。雪は無いが底冷えが厳しい!
 28日(土) 道の駅秩父を後にしてさらに国道140号を三峰神社駐車場へ。ここからは二人旅・・・。
 

 大きな登山口の標識があるにもかかわらず、神社の鳥居を通り抜けてと思い込み最初反対方向へ歩いてしまった・・・。
暫くは山腹をトラバースする緩い登り道で、まっすぐに伸びた杉やヒノキ、その下にはササが広がっている。この時期新潟ではそう味わえない陽だまりを感じながら、久しぶりの山歩きに気持が踊る。しかし、陽射しも強いが風も強い!忘れてはいけないここは冬山。汗をかかないように歩かなければ行けない。

足取り軽く

 三峰奥の院への道を過ぎたことから、だんだん傾斜が強まり登山道らしくなる。グラニュー糖のような雪が登山道を覆い、ジグザグに登って行くと地蔵峠に出る。湿った新潟の雪と大違い!登山靴が濡れない。
  
サラサラに乾いた雪                                   地蔵峠
 
 地蔵峠から5分ほど登ると霧藻ヶ峰の三角点に着く(1523m)。ここからの眺めは良いが全く山座同定ならず・・・。三角点から少し進むと霧藻ヶ峰休憩所があった。ベンチがあり展望も良い。ここで後発隊に電話する。この辺りから風がさらに強まってくる(涙)

霧藻ヶ峰三角点(1523m)

 霧藻ヶ峰を過ぎ、いったん下り鞍部のお清平に出る。ここからが本格的な登山の始まり!見上げると・・・ぞっとする。風は強風といっても過言ではないくらい強い!防寒用の手袋をしていても手先が冷たくなり、歩きながら手先をグーパーに動かす。手も冷たいが顔も冷たくさらに鼻水が容赦なく出てくる(笑) 可憐な?オバチャン二人は、ここでなんと手鼻の話になった! でも、手鼻は無理だぁ〜(笑) 早速ティッシュを取出すが風で紙が上手く広がらないで困った。
  
お清平                           ここからは急な登り

 
 お清平からはひたすら登る、のぼる、ノボル・・・。さらに北西の風が吹きつけ稜線じゃないのに飛ばされそうだ!老木からはミシミシと不気味な音が出ている。今にも倒れそうな木の音!思わず『どの木だろうか・・・?』と立ち止まり辺りを見渡す。先を急ぎたいがザックの重さもありなかなか足が前に進まない・・・。
 お清平からの急登を登りきると前白岩の肩にでた!ここから15分ほど登ると前白岩山(1776m)に到着。白岩小屋まで待てず、少し下り風の当たらない場所で10分ほど休憩。冷たくてボロボロのおにぎりを食べた・・・。
 白岩小屋の裏手からは素晴らしい眺望があったが、やはり山座同定ならず。景色を眺めた後はまた急な登りの始まり。30分ほどでようやく白岩山(1921m)に着いた!少し奥に標識があり樹林に囲まれていて眺望はない。
  
白岩山                              シラビソ等の樹林
  
 急な登りが続いたが白岩山からは樹林のなかをスルスルと下る。芋の木ドッケの標識のある鞍部に出た。ここは分岐で健脚向きの尾根沿い道と、右側の巻き道の二通り。もちろん巻き道へ進む。
 階段状の急な下りが幾つかあり、山腹のトラバースは右側が切れ落ちている。凍りついた箇所も少々あり滑り落ちると谷底へ・・・。アイゼンはまだつけてないので慎重に歩く。
 長沢背稜への分岐を二ヶ所ほど過ぎると平坦になり、山稜の左を緩く巻いて歩いて行くと大ダワに到着。ここで初めて先行者集団に会った。

凍りついたトラバース道

 大ダワの分岐は、右の雲取ヒュッテ経由の男坂と左の巻き道に分かれていた。迷わず左の巻き道へ・・・。緩やかな登りを30分ほど歩くと待ちに待った雲取山荘に到着!風と戦った長〜い登りが終わった。
 雲取山荘で宿泊の手続きを済ませる。なんと部屋は個室が用意されていた!入ると豆炭コタツが用意してあった!暖か〜い!少し休み富士山を見るため山頂を目指す。

 15:20〜寒いからダウンなど着込み防寒対策をしっかりとして、アイゼンを付けいざ空身で山頂へ・・・。ここも急な登りだったが足取りは軽く20分ほどで山頂に着いた!待望の富士山は薄く遠くに見えたがやはり綺麗!記念の写真を撮り避難小屋辺りまで下ってみた。小屋を覗くと既に仮眠している登山者が数名居た。 こちら側は風も無く穏やかな登山が出来たようで、登山者は雨具を着ていなかった。
 

遠く薄い富士山
 
避難小屋付近より
    
 16:05〜そろそろ後発隊が来ている頃だろうと話しながら下山する。明日はモルゲンロートに染まる富士山を眺めよう・・・。

 部屋の扉を開けると後発隊の二人は既にコタツでくつろいでいた!夕食まで時間があるので軽くお酒を飲む。何時もはワインを持参するが、今年初登山なので八海山を持ってきた。後発隊は昼に出発だったのでなんとお刺身を持ってきてくれた!これらは夕食時に楽しもう(^^) 夕食のメインは美味しいハンバーグ!
 夕食後は部屋で大人の討論会?となり、最後は気持ちよく『僕の胸でおやすみ♪』をささやくように小声で歌う中年デュオ・・・。

 朝食後に雲取山荘前でご来光を拝み山頂に向う。原生林の間を標高差200mほどを登る。この急登を登りきると白衣を纏った富士山がす〜とそこにあった!予想外に富士山の雪は少なかった・・・。なんでも上越国境が大雪の時は富士山や関東の山々の雪は少ないらしい。雲取山の雪も例年より少ないようだ。
 山頂からは南アルプスの山々も見えた・・・。

富士山

 8:15〜雲取山荘出発。ここから大ダワに向かい今日は尾根道を快走する!芋の木ドッケ標識まではトラバース道が凍っているだろうとアイゼンを着装して歩く。ドッケ標識で一息入れていると登山者の『鹿だ!』の声に辺りを見渡すが、残念ながら見ることは出来なかった。でも、鹿の『ピー!』と甲高い鳴き声は聞いた。
    
 白岩山の原生林の中を歩きながら陽射しがだんだん増して来て、薄っすらと汗がにじむ。日焼けを考えるとニット帽より庇のある帽子のほうが良いようだ。女優達?は日焼けが気になる!
 白岩小屋裏からの景観を楽しみ、他の登山者達から山々を教わる。浅間山がわりと大きく見え、八ヶ岳、立山連峰も見えた。他にも真っ白な山々が連なっているが・・・。

白岩小屋裏から
 
 白岩小屋からお清平までアップダウンを繰り返す。途中前白岩山で最後の富士山を眺める。下りは軽いジョギングのような足取りでガンガン下る。
 最後の尾根の下りからお清平を見下ろし、昨日は強風と戦いながら登った事を思い出す。あぁ〜やっぱり凄い登りだったのだぁ・・・。
 
さよなら富士山
 
 お清平から20分ほど登り霧藻ヶ峰に到着。少し早目のお昼休憩でおでんパーティーの開始!青空の下で展望が開けているベンチに腰掛て温かいおでんを頬張り至福の時を過ごす。背中には暖かい陽射しを浴びながら!(少しでも日陰に入るとやはり寒い。)
 一時間ほど休みここからは小春日和の登山道を下る。
  

 奥宮参道入り口から三峰神社を目指すが、時間がないので少し登った所で引き返す。それにしても陽射しが眩しくて春を感じる!登山道の枯れ葉は乾燥していて歩くとふかふかで気分が良い。湿気たっぷりの新潟では考えられない。

奥宮へ・・・。
 
 12:55〜緩やかに下り三峰駐車場が見えてきた!お疲れさま〜(^^) 楽しい二日間ありがとう♪