飯豊本山(2105.1m)

平成18年9月23〜24日 晴れのち曇り

一日目 9月23日(土)
御沢キャンプ場(7:05)〜登山口(7:15)〜下十五里(8:00)〜笹平(9:25)〜横峰(9:40〜50)〜地蔵小屋跡(10:25)〜剣ヶ峰(11:30)〜三国小屋(11:50〜12:25)〜種蒔(13:30)〜切合小屋(13:50〜14:25)〜草履塚(15:00)〜御秘所(15:20)〜一王子(16:10〜20)〜本山小屋(16:30)

 御沢キャンプ場の駐車場は、山都町渓流釣大会参加者の車で大混雑!7時に大会開始のサイレンの音を聞きながら、荷物を準備しザックを背負い車を後にした。4年前は朝から大雨でやむなくキャンプ場を後にした・・・。『三国小屋まで5時間』を心の中で呟きながら木漏れ日のなか長い山旅がスタートした!


 御沢キャンプ場から林道を10分ほど歩き、御沢小屋跡である飯豊山表参道川入口に到着!(大滝遊歩道との分岐)
山都町天然記念物『御沢の杉・栃』の看板があった。推定樹齢400年の杉と200年の栃。所有者は飯豊山神社と明記。

樹齢400年の杉

飯豊山表参道川入口

 ここから登山がスタート!長坂と呼ばれる尾根の登りになる。大きなブナの林の登りは急な感じだが歩きやすい。
飯豊詣でに使われた登山道は下十五里、中十五里、上十五里と平坦な休憩所がある。
(当時は掛け小屋があり、お茶を出していたのだろうと下山時に喜多方の登山者から聞いた。)
最初の休憩は下十五里と決めていた。
ゆっくり進むが身体がまだ登山になれず、喉も渇き下十五里を待てずに大木の根が地面から出ている広い場所で休憩をした。
『きっと直ぐ登ると下十五里があるんだよね〜』なんて言いながら休む。

上十五里

休憩後、登り始めると直ぐに下十五里に着いた!やはりこんなもんだ。平坦で広い空間が広がっている。
ここから20分ほどで中十五里さらに20分で上十五里とペース良く登る。遠く磐梯山の姿が見えた!
笹平を過ぎ横峰小屋跡で少し休み、その先は地蔵山経由の登山道を歩く事にした。

磐梯山遠望

横峰小屋跡の先で小白布沢への分岐にでる。川入の民宿に泊まればこの登山口まで送迎してくれるらしい。
少し歩いて地蔵山への分岐に着く。地蔵山への登山道は深く掘られた登山道で、苔むした石の上を歩きとても疲れる。
ツルツル滑りながら地蔵小屋跡に出た。少し歩き五段山方面のとの分岐に出る。
地蔵山の三角点を探しに登ってみたが分からなかった。
地蔵山1485mと看板標識があったが山頂らしくなかった・・・。木の標識は血の池・地蔵山となっている。
これから目指す三国岳と小さく三国小屋が見えた!遠い〜!

三国岳

 明日の下山時に通る秀峰清水への分岐看板を確かめ三国岳を目指して歩く。
澄み切った青い空が眩しい!どんな景色がこれから待っているかと思うと気持が逸る。
アップダウンを繰り返し剣ヶ峰へ・・・。

剣ヶ峰

『剣ヶ峰』と名のつく所はだいたいが岩稜。ここも鎖場があり慎重に道を外さないように気をつけて登る。
登りきれば三国岳そして三国小屋!
想定通り約5時間ほどで三国小屋・・・お昼休憩。コーヒーゼリーが美味しかった!
本山と大日岳が見えるらしいがどんよりと雲に覆われ始めた。

三国小屋裏からこれから向かうまだ長い道のりを目で追う・・・。少し下り七森へ登り返す。
川入りからのルートは登りと平坦な道を交互に歩く。
長く急な登りが続く他の登山道に比べ歩きやすい。でもロングコース・・・。

三国岳と三国小屋を振り返る

 三国岳から一時間ほどで種蒔山の平坦な道に出る。切合小屋まで1キロの標識!
細く掘られた感じの登山道を下っていると、前方から単独の下山者が登って来た。
ふと顔を見ると・・・どこかで見かけた顔?!アッ!
『井上さんですよね!』と上ずった声で話しかける。優しい笑顔で『はい、そうです。』と・・・。
きゃぁ〜あの飯豊朝日登山者情報の井上さんにお会いできた!ミーハーなワタシは一緒に写真を撮ってもらった!

大日杉コース

井上さんと別れると直ぐに大日杉コース分岐に出た。
大日杉コースはダケカンバ林を歩く幻想的な登山道らしい・・・。
切合小屋に着きここで30分ほどコーヒータイム。
サーモスの湯が温かったのかスティックコーヒーのクリープが分離・・・カプチーノと思って飲む(笑)
さらに賞味期限が切れてた。

切合小屋を過ぎて少し登った水場で登山者が水を汲んでる。雪渓から流れてくる水なのだろうか・・・。
明日の下山時に寄ることにしよう。この辺り地図によれば下山時迷いやすいと明記。

草履塚より飯豊本山

ガスが掛かり始め草履塚へは30分ほどで着いた。
残念ながら本山はガスの中・・・それでも時たま切れ間から姿を現す!
姥権現のある鞍部を目指して下る。

御秘所の岩場と姥権現(右下)

 姥権現で登山者が休憩している。その先は一番心配していた岩場の御秘所が待ち構えている!
   
 年を重ねるごとに手元、足元が悪いので、ワタシはストックをザックに終い御秘所に立ち向かう!
鎖の岩場は予想外にすんなりと通過できた!
唐松岳から五竜岳に向かう鎖場に比べたら短くて危険は少ない。
ガスが多くなり風も強くなってきた。
御秘所を過ぎいよいよ飯豊本山への最後の登りだ!
御前坂は石に印された赤いペンキの○印しを頼りにジグザグに登る。
ガスが濃くなり先は見えない。『これを越せば一王子』と何度も思いながら登った。
なかなか一王子にたどり着かない!思った以上に長い・・・。
ガスで先がまったく見えない!

飯豊本山小屋

やっとたどり着いた一王子は風も強く真っ白で何も見えない・・・。
ザックを下ろしレモンティーにウイスキーを入れる(マイブーム)
ミニドラ焼きを食べ10分休憩。
ガスの切れ間から本山小屋が見えた!やっと着いたと実感する。テント場にはオレンジのテントが一張り。
飯豊山神社と小屋へ向かう。
 飯豊山神社は扉が閉まっていた。お参りを済ませ飯豊本山小屋を覗いてみた。
既に沢山の人達で賑わっている!
風があまりにも強いので今夜は小屋泊まりと決定!
周囲の眺望も得られないので直ぐに夕食。今夜はすき焼き丼と中華丼。これが凄く美味しかった!


夕日に染まる飯豊本山 (撮影:松本)

 350mlのビールを二人で飲みまったりしていると・・・風も止み静かになった。
小屋窓に西日が当たる。
素晴しい光景が待っていた!
明日の天気は?どうなの?期待できそう!
夜の小屋からは夜景と星空が綺麗に眺められた。

二日目 9月24日(日) 晴れのち曇り
本山小屋(6:20)〜飯豊本山(6:30)〜御西小屋(7:40〜8:15)〜御西岳(8:25)〜飯豊本山(9:25)〜本山小屋(9:40〜10:00)〜御秘所(10:40)〜草履塚(11:00)〜水場(11:10〜20)〜切合小屋(11:35〜12:20)〜三国小屋(13:15〜25)地蔵分岐(14:05)〜上十五里(15:00)〜登山口(15:55)〜御沢キャンプ場(16:05)

飯豊本山
 
 朝食のお粥を食べてぐずぐずしているうちにご来光のチャンスを逃してしまった・・・。
 飯豊本山と大日岳がモルゲンロートに染まり綺麗!
北股岳、烏帽子岳、杁差岳まで見える。

大日岳(右)と牛首山
 
 『飯豊本山から御西岳に向かう稜線歩きと御西岳付近のあの空間がとてもいい感じで大好きなんだぁ〜』と松本氏。
飯豊本山ピストンしか頭になかったワタシは想定外の展開に興奮!いざプチ縦走へ!

まずは飯豊本山へ
 
 メインだった飯豊本山より気持と目線は大日岳へ。心は大日岳に奪われてしまった!
澄み切った空の青さが眩しく、そして長い長い道のりの飯豊本山に辿り着き満足。
四年越しの飯豊本山!そして険しいダイクラ尾根を眺める。何時か登ってみる?

山頂

ダイクラ尾根

大日岳に続く雄大な景色

北股岳

 本山を超えて主稜の山々を眺めての高原漫歩は足取りも軽い・・・空身は楽チン。
夏は御西小屋まで沢山の花々で覆われるのだろう。
花の終わったチングルマやマツムシソウが沢山。
また花の頃にも尋ねて来たい!
そして・・・今年二度目の遭遇。
ヒロタンチームとばったり。でも、これは想定内でした。

牛首山と大日岳

御西小屋
 
 一時間程で御西小屋に到着!ここから眺める大日岳はさらに大きく立派!益々魅せられる。
時間がなく大日岳には登れないので雄姿を眺めまったり過ごす。
写真撮りすぎ・・・大日岳ばかり(笑)

何時かはあそこに登りたい!
 
 あまりにも幸福を感じてゆっくりし過ぎた!それでも帰りに御西岳のピークを踏む。
足早に本山に向かう。本山に着く頃は下界からガスが上がり始めた・・・。
小屋で少し休み下山に備える。



ガスに覆われる

御前坂
 
 昨日はガスで様子が分からなかった御前坂を下る。少し秋色に染まってる!
山の紅葉は駆け足でやって来る。
 

マツムシソウ

御秘所を下る
 
御秘所を慎重に下る・・・岩場や鎖場は登りより下りに注意を払う。
御秘所を無事に通過し姥権現から草履塚への登りが堪える。
振り返り飯豊本山を眺める。

草履塚付近より飯豊本山

草履塚を下り水場にて給水・・・岩をつたってチョロチョロと流れてる水。
切合小屋に着く昼食タイムで賑わっていた。
水場で汲んだ水でラーメンを作り食べる45分の休憩・・・休み過ぎ?
昼食を済ませ切合小屋を後にしてからは何故か急ぎ足でスタスタと歩き進む。
『登山口着が6時頃になるかも・・・』の言葉が気になったから。
ワタシの頭では4時30分頃着の予定だったけれど・・・。

剣ヶ峰より地蔵山
 
もくもくと歩き三国小屋、剣ヶ峰を過ぎ樹林帯に入り地蔵分岐から水場を通り横峰小屋跡へ。
分岐から水場は直ぐで山の腹から湧き出でてる。地図には『秀峰水』と明記。
山のお土産として1L持ち帰る。

秀峰水
 
順調に下り上十五里で地図を確認。
昭文社の地図は2000年と2003年ではCTの時間がかなり違う。
4時過ぎには登山口に着きそうだ!
地元喜多方の登山者曰く『登山口から45分〜15分〜15分だよ』
なるほど『登山口〜下十五里〜中十五里〜上十五里』までのCTですね。
昔の人は茶屋で休みお茶を飲んで本山詣でをしたのだろう。
最後は疲れた足で御沢キャンプ場まで林道歩き。
登る時より林道歩きが長く感じられた・・・。
お天気に恵まれ充実した飯豊の旅!

飯豊本山付近より (撮影:松本)