2日目 7月24日(日) 曇りのち晴れ

 山の朝は早い!午前3時前からテント場は賑やかだ。今日の天気はどうなんだろうか・・・。4時過ぎに行動開始。簡単に朝食を済ませご来光を見るためにテントを出る。あれ〜ガスじゃないのさぁ・・・。テント場裏の稜線に上がりご来光を見ることに!でもガスで白馬岳や杓子岳は見えない・・・。ガスが切れることを期待して暫く待つ。学校登山の中学生達も元気に登って来た。やがて登山者の思いが通じたのかガスの切れ間から素晴らしい光景が!やっぱ晴れるねぇ〜今日は・・・。


モルゲンロートに染まる杓子岳と鑓ヶ岳


白馬岳とテント場
 6:30〜テント場発!
 早朝は晴れる!と思っていた・・・。しかしテント場を出る頃にはまたまたガス。スカイラインのような稜線歩きはどうやら望めないようだ。デジカメの電池も少ないから丁度いいかな・・・。なんて考えながらの稜線歩きが始まる。まずは白馬鑓ヶ岳を目指して!

 
    視界は何メートル?                          電池を気にしながらも花を撮る

 ガスの中の稜線歩きはつまらない!それでも昨日のように雷鳥が出てこないかとキョロキョロしながら歩いていた。すると杓子岳付近でコマクサを見つけた!きっとこの辺りは一面コマクサの群生なんだろう。でもガスが濃くて直ぐ近くしか見えないのが残念。デジカメの電池を気にしながらも写真を撮り続ける。露に濡れた花がまた良い感じ!でも上手く撮れないもどかしさ・・・。はっきり言ってピントがあってるのかどうかよく分からない・・・。液晶画面が小さすぎ!いやいや老眼の始まりでしょう(笑) 
 登山道両脇はニョキニョキと終わりかけたウルップソウが沢山並び、ミヤマクワガタは今を盛りに咲いている!ブルーや紫系の花が好きな私には白馬の山歩きはたまらない(^^) イワギキョウも咲き始めた。 
 
高山植物の女王コマクサ            瑞々しいイワツメクサ


語りかけるようなミヤマクワガタ


ヨツバシオガマとタカネヤハズハハコ

 濃いガスの稜線歩きも小鑓付近からは少し明るくなってきた! すると益々花たちが綺麗に姿を現す。デジカメの電池を気にしながらもバチバチ撮る・・・。『意外にしぶとい電池だね・・・まだ大丈夫?』 心配を他所にホントしぶとい(笑) それにしても次から次と花が・・・。今回初めて見るミヤマムラサキ、チョウノスケソウ、イワウメ♪小さくて可愛らしい。高山植物はみな小さく可愛い!
  
ミヤマムラサキ               チョウノスケソウ             イワウメ
 8:40〜小鑓付近・・・少し青空が見えた!
 
   
小鑓付近より鑓ヶ岳                            急な登り

 青空が見え鑓の山頂が見えた!山頂に立つ登山者の姿も見える。しかし、このもう少しが急登だ。登りながら岩肌には沢山の花たちが咲いている。見下ろす斜面にはお日様に照らされアズマギクが『私を撮って!』と言っている。なかなか前に進まず困ったのもだ。
 
撮って頂戴!
 9:15〜ようやく鑓ヶ岳山頂!

カメラ放さずチャンスを待つ
 ガスが晴れ青空を期待し30分ほど休む。富山側から厚い雲がどんどん早足でやってっくる。どうやら晴れそうにない。ここでの眺望は諦めゼリーを食べ鑓温泉の分岐へと進む。
 
 10:05 鑓温泉への分岐。

稜線歩きとお別れ・・・。

鑓温泉への分岐で稜線歩きも終わる。あぁ〜下るだけだぁ〜。なんて考えていたがここからが凄い凄いお花畑の始まりだった・・・。稜線を歩いている時、下に雪渓が見えその付近を登山者達が立ち止まっているように見えた。きっと鑓ヶ岳を見上げているんだろう・・・?と思っていた。でもここに来てやっとわかった。それは大出原のお花畑を楽しんで歩いていたのだ!雪渓を通過してからそれはそれは素晴らしいお花畑が広がる♪未だかつて見たことのないお花畑!
 
雪渓を遊びながら滑り下りる                 いよいよお花畑カメラの準備
 次から次と出てくる花たちに歓喜の声!いや雄叫び?を上げながら撮影。この素晴らしさを伝えられないカメラ技術が悔しい!花好き山好きにはたまらないコース!時期も丁度良かったのかもしれない。やがてガスも上がり稜線が見えた!
 


   

 


大手原のお花畑

 こんなお花畑があるなんて・・・。白馬岳周辺のお花畑は混雑覚悟でやはり毎年訪れたい。あぁ〜来年もまた来たい。何時までもこのお花畑を眺めていたいがそうもしていられない。今日は帰らなければ。出来るならば鑓温泉でもう一泊してもう少し花を楽しみたい。次回はそうしたい。名残惜しいがここで大手原のお花畑と別れ鑓温泉へ・・・。
 鑓温泉へは途中鎖のトラバースを幾つか越えて40分程で着く。鎖場もだいぶ慣れたが慎重に下る。ニッコウキスゲが見え始めると鑓温泉に着いた。時間は丁度12時。お昼を食べゆっくりと休憩する。前後して到着した登山者達は山荘で作ってもらったと思われるお弁当を食べ早々に鑓温泉を後にし下っていった・・・。皆休まないんだね。何時もの事だが1時間20分も休んでしまった。
 13:20〜鑓温泉出発
 
 
 温泉に入っているおじさんに見送られ元気よく下り始める・・・。おじさんは露天風呂から手も振ってくれた(笑) 小屋の人から途中雪渓が四ヶ所あると聞く。こちらのコースに雪渓が残っているとは思っていなかった。なんと浅はかな登山者なんだろう。調査不足を反省する。
 ここからは長い長い下りが待っていた。雪渓の下りとトラバースそして巻き道が続く。双子岩手前の最後の雪渓が杓子沢だ。双子岩付近には大きなダケカンバが印象的。そして今来た道筋を振り返り鑓温泉も遠く小さく見える。う〜ん鑓付近は私の力量ではとても山スキーできそうにない。その向こう側には八方尾根と八方スキー場が見える。唐松岳山頂方面は厚い雲に覆われている。

双子岩付近より下ってきた雪渓と鑓温泉・・・。
 15:05〜小日向のコル。水芭蕉が大きく成長していた・・・。
 
 小日向のコル付近は湿原が広がっていた。水芭蕉は既に終わっている。ワタスゲやニッコウキスゲ、コバイケイソウがまばらに咲いていた。この小日向山は山スキーができるが夏道はない。藪になってうっとしい感じだ。スキーに来たいが滑り始めは急らしい・・・。駄目だな。
 この先樹林帯の登山道を1時間半ほど下るがとてつもなく長く感じる。実際長いのだろう。標高も下がり身体も熱くてたまらない。まだかまだかと思いながらもまだ続く。大きなヘリの爆音が聞えた。どうやら小屋に荷揚げをしているらしい。台風が来るから早めの荷揚げか・・・。二機のヘリを見送ったが行き先が違うようだ。白馬岳方面と鑓温泉小屋かな?
 だんだん足早になり幾つかのパーティーを追い抜きやっと鑓温泉登山口に着いたのは16時25分。ここから猿倉までは直ぐだ。着いたらソフトクリームが食べたい!なんて言いながら満足度120%の二日間を思い出していた・・・。
 16:35〜猿倉山荘着!

デジカメの電池もこれを最後に・・・。
 お疲れ様!長い長い下りもやっと終わり猿倉山荘着。ソフトクリームはなかったけれど、牧場の手作りアイスを食べながら充実した二日間の山旅をかみしめた。気にしていたデジカメの電池もしぶとく最後まで持ち(笑) 猿倉山荘をバックに撮った下山写真が最後。
 『あぁ〜今年の夏山は終わったわ〜!』と。『えっ!まだ始まったばかりだよ!』  そうでしたね(笑) 
 そして新潟もやっと梅雨明けしたようだ。



クロユリ