燕山荘 (2763m)

11月13日(土) 小雪のち快晴

登りコースタイム 中房温泉登山口(8:30)〜第一ベンチ(9:00)〜第二ベンチ(9:25〜30)〜第三ベンチ(10:00〜20)
            富士見ベンチ(10:48〜11:00)〜合戦小屋(11:33〜11:45)〜燕山荘(12:50)

下山コースタイム 燕山荘(14:25)〜合戦小屋(15:03〜15:10)〜富士見ベンチ(15:50)〜第二ベンチ(16:20)
            第一ベンチ(16:33)〜中房温泉登山口(17:01)

 『今週末山でも登りませんか?』とAさんからメールが来た。『いいよ。お天気はどうだろうね〜。』 この時私の頭のなかに浮かんだ山は里山だった。小春日和の穏やかな日が続いたが、週末はお天気が崩れるようだ。たぶん山は中止だろうと思っていたら『土曜日は晴れるみたい。決行じゃ!』と・・・。そして、この時期にまさかの北アルプス!5年前に北アルプスデビューで登った燕岳を目指すことになった。


 中房温泉登山口までの道はカーブが多く苦手な道。でも、二回目ともなると景色が分かり不安はない。チラチラと粉雪が舞ってきた・・・。本当に登れるのかと不安になる。このまま雪が降り続いたら車での帰り道が心配。高い山は雪になる予報だ。
 6時30分駐車場に着くと既に車が5台ほど止まっていた。雪が降っているため少し様子を見ることにし仮眠する。7時過ぎ隣の車の人達は身支度をし始めて登るようだ。『うわぁ〜雪の中登るんだね・・・。どうする?』『う〜んもう少し様子見る?』こんな感じは何時もの事だ。迷いながらも、もう登る時間のタイムリミットが来た。『降ってるけど行ける所まで登りましょう!』・・・登山開始時刻は8時30分となった。

8:30 中房温泉登山口スタート!粉雪舞うなか歩き始める。
 久しぶりに雨具を着用しスッパツも着け完全装備で登山開始。アルプス三大急登の一つとして有名な合戦尾根の登りだが飯豊や朝日に比べたらそう急登とは感じない。中房川の勢いのいい音を聞きながら、葉が落ちた木々に粉雪が降り、まるで白い花のように咲き見事な風情を醸し出していた。雪国育ちで雪はもちろん珍しくないが、気温が低く湿気の少ない雪が笹の葉にふわふわと綺麗に積もり雪の結晶まで見えるようだ。登山道はとてもよく整備されて歩きやすい。5年前の8月は汗を拭きながらの登り。緑が濃く深く樹林帯の山歩き。今日は夏の景色から一変し墨絵のような世界を歩く。空気も凛とした冷たさが、頬に気持良く寒さは感じない。
9:00〜登山開始jから丁度30分で第一ベンチ着。
 夏の賑やかな第一ベンチと全く違い静寂が漂っている。ベンチの後ろから下ったところに水場があり、先回の夏はそこで喉を潤した。今日は水場に行かず第二ベンチを目指す。ここからも今までと同じような登りが続く。晴れるかねぇ〜等と話しながらどんどん歩く。
9:25〜第二ベンチ着。ベンチに腰掛おせんべいを食べる。雪でお尻が冷たく感じる。
この辺りはまだ幻想的な感じで、晴れるか心配だった・・・。
第二ベンチからの登りはかなり楽な感じになる。
10:00〜第三ベンチ着。ゆっくり休憩しプリンとチーズケーキそしてコーヒータイム!
 第三ベンチからは少しずつ空が明るくなって来た。青空が期待できるかも・・・。次の富士見ベンチで富士山は見えるかしら?なんて話しながら期待に胸が膨らむ。遠出のため何も作ってこなかったが『ゆで玉子持って来たよ!』と。つかさづ『俺も』・・・あららダブりましたね。『私、四つ』『俺、二個』。
 第一ベンチ辺りから、大きなザックを担いだ方と前後しながら登る。テント泊の人かな?と想像していたが・・・。
10:48 富士見ベンチ!なんと富士山がお姿を現した(^^)
八ヶ岳 富士山と甲斐駒ケ岳

 富士見ベンチからは青空が広がり、左手に常念岳方面を眺めながら登る。空の青さが眩しい!
シラビソ?の林を歩きながら合戦尾根を目指す。
11:33〜合戦小屋。トイレあり。
合戦小屋は夏のスイカが名物!
確か8分の1位で800円だったような。
冬期は全てクロス。看板の緑が目立つ。
11:55 合戦沢の頭!ここからは稜線歩きが始まるよ(^^) 槍の穂先も見えた♪
 合戦小屋から急坂を登り合戦沢の頭にでる。今日は久々の山登り、まして北アルプスで既に標高は2489m。足が重く感じる。雲海に浮かぶ有明山や右手に燕岳、左手に大天井岳そして遠くに槍の穂先も稜線の上に頭を出している!素晴らしい景色に疲れも飛んでしまう(^^)
東餓鬼岳方面 大天井岳、槍ヶ岳を眺め放心
雲海に浮かぶ有明山と遠くに八ヶ岳かな もう直ぐ燕山荘だ!

 景色に魅せられシャッターを切る回数が多くなり、それと共に私の足がなかなか進まず時間的に燕岳までは登れない。今日は燕山荘から360度のパノラマを楽しむ事に決定。ごめんなさいね。ここからは、右へトラバースせずまっすぐ燕山荘の裏に出る登山道を歩く。以前歩いた夏道と違った。これは後に分かったのだが冬期小屋があるからだろう。
12:50 燕山荘着(^^) 素晴らしい景色が待っていた! 
 燕岳には小屋から30分程で登れるが今回は眺めることに。誰も居ないから大胆にも燕山荘前の階段で昼食。Aさんがおでんを温めてくれた。冷たい風が時々強く吹くが、晴れ渡ったこの素晴らしい景色に釘付けとなる!遠く妙高山、火打山まで見えた。
 『おでんが出来たよ〜食べて食べて〜』と言いながらAさんは、何やら箸で鍋の中を・・・。『おでんの具は全部半分にしたよ〜』お見事です(^^; 冷たい風が吹くなか眺望をご馳走とし外で食べ続ける・・・。
 燕山荘

流石に北アルプス風が強く寒い!(この時期あたりまえですが・・・)風のあたらない場所へ移動するが何処も同じ(^^; お尻の下に座布団を敷き座っていたが、ひょいと立ち上がった瞬間に座布団は風に吹き飛ばされた。慌てて下迄降りて回収。良かった(^^)
 今朝私達より一時間ほど早く登り始めたご夫婦が燕岳へ。冬期小屋でお昼を食べ今夜は小屋泊まり。そうか、冬期開放の小屋があるのか・・・。
燕岳をバックに イルか岩と・・・トド
表銀座縦走コースへ 槍ヶ岳のアップ!
14:25〜冬期小屋を偵察後下山。
 まだまだ北アルプスの雰囲気を堪能したいがそろそろ下山しないと・・・立冬も過ぎ日没は早い。後ろ髪引かれながら冬期小屋を眺め残照に輝く槍ヶ岳を眩しく見つめながら、もう一度燕岳に目をやり小屋を後にする。この瞬間は何時も名残惜しい。
 
登りに重かった足も軽くなり合戦沢の頭まで一気に下る。
雲海に浮かぶ有明山 燕山荘とお別れ

 お天気が良すぎるのも困ったものだ!写真ばかり撮っていてなかなか下山が進まない。しかし、私が写したものは、これといって良い写真がないのが残念だ・・・(涙)。
今日は歓喜の雄たけびと感動の言葉の連続だった(^^)『うわぁ〜きれい!いい感じだねぇ〜。やっぱ北アルプスはいいね〜♪』と。景色に見とれながらも下山を急がないと。暗くなる前に下山だ!しかし・・・。
16:05頃〜第三ベンチ。幻想的な合戦尾根の下り。だんだん暗くなって来た・・・
 薄暗くなり始めたので足元に注意しながら下山する。ヘッドランプを着けるか迷うが、どんどんと下ることにする。
それにしても、初冬の北アルプスに登れるなんて!の充実感をかみ締めながら一路登山口を目指す。中房川の川音が聞こえ始め、登山口のトイレの明かりが見えた。
17:01 暗くなりましたが無事に下山!
テレビや映画の楽しさの登山でした(^^)北アルプスに誘ってくれてありがとう!
何時もながらAさんには感謝です!ホントありがとうね♪
Aさんから沢山の画像を頂きました!感謝!