都市伝説〔2004年3月9日〕
今日(2004年3月9日)のYahoo!のニュースで、「大型ドラッグストアの店外トイレで幼女が男に乱暴されたというデマが拡大し市教委が対応に大わらわしている」という内容のものが掲載されていた。
これは、以前からある都市伝説のひとつだ。しばらく下火になっていたのだが、ここに来て再燃したらしい。
もっとも、最近冗談ではすまないような陰惨な事件や、少女が(時には少年が)ターゲットになるような事件も頻繁に見られるため、保護者としては、神経質にならざるを得ないのだろう。
私は、怪談とか、都市伝説といったものが好きだ。なぜならばそれはなかなか読ませる創作物語だから。自分が稚拙ながらも小説のようなものを書いているせいか、こういった物語に純粋に惹かれる。もっとも、中にはあまりにもバカバカし過ぎて、怪談というよりも笑い話としてしか読めないものもあるのだが。
今回のお題の「都市伝説」だが一口に言っても色々な噂話の集合体で、その実態は様々なカテゴリに分類できる。
「怪談」あり、「単なる噂」あり、「民間信仰」的なものもある。
かつては自分も信じていたものが結構あるので笑えるのだが。
「口裂け女」が流行ったのは小学校低学年の頃だったので、今から20年も前の事だろうか。入社試験で「GNPを頑張れ・日産・パルサー」と答えて合格したという話は中学生時代に聞きずっと信じていた。「死体洗いのバイト」もその頃知って信じていたものの一つだ。
「当たり屋のナンバープレートを記載した警告FAX」に至っては、つい数年前まで信じていたぐらいだ。
こうして順を追って書いてみると、そのときの自分の精神的な成長の度合いと、信じている噂が比例関係にあるように思える。
「口裂け女」を笑い飛ばせるようになっても、「GNP」や「死体洗いのバイト」を信じていた中学・高校時代は、やはり将来の就職というものが気になっていたからなのだろう。
「当たり屋FAX」を信じていたのは免許とりたての初心者マークな時期だったので、まだ運転に自信が無かった頃だ(もっとも、今でも運転に自信があるわけではないが・・・)。
今回の「ショッピングセンターで乱暴された幼女」の噂も、もっぱら本気にして恐慌に陥っているのは、幼い女の子を持つ親御さんが中心との事。
やはり、自分にとって、最も関心のあることはそれの真偽はともかく気になってしまうものなのだろう。
今や情報は新聞・ラジオ・テレビといったものの他に、インターネットによって迅速に、また大量に、何よりも気軽に入手する事が出来る。
大事なのは、そうして得た情報を自分で判断して真偽を見極め、自分の糧とすることだ。
結構難しい事だとは思うが、これからの時代、今まで以上に重要になってくる部分でもあると思う。
・・・それにしても、都市伝説にはあまりハッピーなものは少ない気がする。「幸せを呼ぶケセランパサラン」のような内容のものはそんなに多くあるわけではない。
かつて「S.I.C 仮面ライダー」のパッケージのコメントに都市伝説をなぞらえた一節があった。
白いバイクに跨る骸骨仮面の噂・・・。時代によって青いマシンに赤い仮面であったり、白いマシンに銀の仮面であったり・・・。
首無しライダーの類の怪談話かと思う記者に異を唱えるのが、かつて喫茶店などを経営していた男で、彼は男に「骸骨仮面は、人類の自由と平和の為戦っているんだ」と語る。
無論これは、商品を盛り上げる為の創作であり、件の骸骨仮面は、もちろん仮面ライダーのことである。
だが、実際の都市伝説にも怪談に対抗する「何か」があったりするものだ。
それが「口裂け女」に対抗する為の「ポマード」であったり、「怪物」を撃退する「呪文」であったり、「迷宮」から脱出する為の「正しい道順」であったり・・・。
ライダー好きの私としては、「怪人・赤マント」や「恐怖のリカちゃん電話」、「ディズニーランドの誘拐組織」などに立ち向かう「バイクに乗った骸骨仮面」という都市伝説があってもいいかな・・・なんて思ったりもするのだが。
何はともあれ、世相を反映して生まれるのが都市伝説なので、今後も色々な「伝説」が生み出されていく事だろう。
どうせなら、「笑える」とか「幸せ」な「都市伝説」が、多く生み出されるような世の中になってもらいたいと半ば以上本気で思っている。