宇宙船サジタリアス


遥か未来の地球。惑星間の移動が当たり前になった世界が舞台です。

宇宙船サジタリアス号を保有する、中小企業「宇宙便利舎」は別名「宇宙時代の何でも屋」と呼ばれていた。そこにに勤務する、宇宙船パイロット、トッピーとラナは久々に帰ってきた地球の宇宙空港で、ひょんな事から考古学者のアン教授と知り合う。悪い奴に追われているというアン教授を助けた彼らだが、宇宙便利舎に出社すると、そこには先程アン教授を追っていた男が・・・。

彼はアン教授の助手でジラフという青年で、自分の学説を証明する為にベガ第三星に向かおうとしていたアン教授を、必死に止めようとしていたとのことだった。

ジラフはアン教授を連れ戻す事を依頼しにきたのだ。

トッピーとラナに正式に会社の依頼人となったジラフを加えた3人は、一路ベガ第三星を目指すのだった・・・。


これが後に2年以上にわたって放映されることとなる「宇宙船サジタリアス」の第一話のあらすじです。

当時、私はまだ小学生でしたが、このアニメのことは印象に残っていました。

このアニメの特徴は、影山ヒロノブ氏が歌うOP主題歌、「スターダスト・ボーイズ」の歌詞が、ズバリ当てはまるといえるでしょう。

つまり、

「どこから見てもスーパーマンじゃない」

「スペースオペラの主役になれない」

「ため息つくほどイキじゃない」

「拍手をするほど働かない」

でも、

「だからといってダメじゃない」

「星屑の俺達、結構いいとこあるんだぜ」

他のアニメの主人公達とはあきらかに違う、特殊な力を持っているわけでもない、大層な宿命を背負っているわけでもない。

言ってみるならば、庶民が主人公なのです。

彼らが泥だらけになって頑張る姿は、確かにスマートではないし、イキではないのかもしれません。

でも決してかっこ悪いとは思わない。むしろその姿がカッコよく思えた人は、きっと私以外にもいたはずです。

2001年になって、DVDという形で、彼らが帰ってきました。

喜び勇んでDVD−BOX1巻を手に入れた僕は、BOXを手に一言呟きました。

「お帰り、また逢えたね」

と。

10数年ぶりに彼らの活躍を目にし、20代半ばの大の大人の私が不覚にも涙を流してしまいました。

一言では言い尽くせません。

是非見てくださいというより他にはありません。

見る為に費やした時間が、決して無駄ではなかったといえる、数少ない名作の一つです。


何処かでテロや殺し合いをやっている連中に見せたい作品です。

人間が、一生懸命生きる事の素晴らしさ、生命の尊さ、夢を持つ事の大切さ。

そんな事を気付かせてくれる名作です。

この作品に関してはページがいくつあっても足りません。

最後にEDテーマである、影山ヒロノブ氏の「夢光年」より、

「ああ、夢見る喜び、再び」

「ああ、夢見る幸せ、再び・・・、夢光年」


願わくは、未来をになっていく少年少女達が、この作品に出会ってくれる事を・・・。


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