不滅の仮面ライダー。その魂の系譜。


1971年、爆音を轟かせながら、一人のヒーローがブラウン管に登場しました。

輝くマシン

真紅のマフラー

そして、

緑の仮面

仮面ライダーの初陣です。

悪の秘密結社「ショッカー」によって改造された、本郷猛は、脳改造寸前で脱出。

サイボーグとなった悲しみを胸に、人類の自由と平和を守る為、「仮面ライダー」としての戦いが開始されたのです。

以来、多くのライダーが誕生し、悪と戦い続けてきました。

彼らの多くは、自分の望まない形で、普通の人間としての生活を奪われ、悪との戦いを余儀なくされます。

21世紀を迎えた現在、30年以上の時を経た今もなお、ヒーローであり続ける不滅の戦士。


では、仮面ライダー魅力とはどこにあるのでしょう。

一つは、己を犠牲にしてでも、皆の為に戦う姿にあるのではないでしょうか。

ライダー達の大多数は、最初は私怨の為に戦います。それは自分を改造したことへの恨みであったり、家族を殺された事への憎しみであったり、親友の敵を討つ為であったり・・・と、復讐の戦士として立ち上がるのです。

ですが、物語が進むに従い、彼らの目的は、自分達の悲劇を繰り返さない為、もう誰も悲しまないように、他の誰でもなく、自分自身の拳を振るうのです。


話は少し脱線しますが、旧来の仮面ライダーファンだった私ことハカりんは、最初「仮面ライダークウガ」を認めていませんでした。

なぜなら、変身ベルトを手に入れただけで変身出来るようになった彼には、過去のシリーズで取り上げてきた、「改造人間にされた(なった)事への主人公の悲哀というものが、失われているような気がしてならなかったのです。

このため、本放送中は、意識して「クウガ」を避けていました。

ですが、第2話を改めてDVDで見た時に、この先入観は打ち壊されました。

主人公・五代雄介のセリフ「こんな奴らの為に、これ以上誰かの涙は見たくない!みんなに笑顔でいてほしいんです!だから見てて下さい!俺の変身!!

・・・負けました。確かに彼は改造人間では無いかもしれません。しかし私には、戦いを決意した彼の心の中に、紛れも無くそれまでの仮面ライダー達が持っていた「精神」というか「」というものを感じました。

形式」や「伝統」が大事なのでは無い。その「精神」こそが大事なのではないでしょうか?


もう一つの魅力としては、主人公が決して諦めないこと。

ライダー達は時として敗北することもあります。

強大な敵を目の前にして恐怖に駆られることもあります。

しかし彼らはそういった挫折を味わいながらも、最終的にはそれらと真っ向からぶつかって、克服していくのです。

その姿には大いに勇気づけられます。「逃げずに一生懸命頑張れば、必ず勝てるんだ」そういうメッセージが込められている気がします。


先のテロ事件や、カルト教団が引き起こした悲惨な事件を例にあげるまでも無く、私達をとりまく現状は非常に混沌としています。

ショッカー」や「ゴルゴム」、などの悪行と比べても、決して遜色の無いような出来事が現実に起きています。

また、堂々と正しいことを行うのは気恥ずかしく、避けられがちで、また真面目な生き方をする人を偽善者であるかのごとく嘲笑する風潮がある一方で、不正が商売として成り立つ世の中です。

・・・言うまでもないことですが、この現実世界には「仮面ライダー」は存在しません。

ですが、彼らの「精神」、「」といったものを私達が受け継ぐことは出来るのではないでしょうか。

決して暴力を肯定したいわけではありません。悪い奴に天誅を喰らわす事を奨励しようとも思いません。そんなことは悪い奴と同じぐらいにたちの悪いことです。

○他人を思いやり、自分本位にならない生き方をすること。

○諦めないで常に努力する生き方を心がけること。

それは、「当たり前に生きる事」、言い換えるなら「人間らしい生き方をする事

・・・決して難しいことでは無いと思います。ほんの少し勇気を出しさえすれば。


仮面ライダー精神を受け継ぐ人達。
そう、貴方もまた、仮面ライダーになれるのかもしれません。


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