マヴァール年代記
(田中芳樹/角川書店)
アルスラーン戦記・銀河英雄伝説でおなじみの、田中先生の隠れた名作。
架空戦記モノなのですが、同系列の作品であるアルスラーン戦記と異なって、こちらには魔法や超自然的な力は出てきません。・・・一部人間離れした化け物は登場しますが。
物語は、三人の青年を中心に進みます。
マヴァール王国の若き王にして、のちにマヴァール帝国の初代皇帝・カルマーン
マヴァール王国にて重要な地位にある、智謀の士。金鴉公国国公・ヴェンツェル
虎翼国公の義弟であったものの、さる事件を切っ掛けとして、幼い息子と共に各地を渡り歩く流浪の騎士・リドワーン
かつて少年時代に共に学んだ三人の、それぞれの人生を描く大河ロマンです。
戦いと陰謀とが渦巻く北の大地を舞台に、マヴァールと周辺諸国を巻き込んだ激動の歴史が展開されるのですが、登場するキャラクターが魅力的なのです。
お気に入りは、盲目の前黒羊国公・アールモシュ老公。・・・どうも私はこういう老将に弱いですね。
ある意味、アルスラーンよりも好きな作品です。
全3巻と、比較的短いですので、ちょっとした時間が有るときなどはオススメの一冊です。