クロスボウ


日本語では弩弓とも呼ばれる、カラクリ式の弓です。

形状としては、矢をセットする溝と、弦を固定する引き金のついた握り部分に、交差させる形でシュートボウが組み合わせた物となっています。

その形状から、ショートボウやロングボウでは不可能な、伏せた状態から矢を発射する事が可能で、また、一度矢をセットしておけば、その状態のまま持ち運ぶ事が出来るという利点もありました。

登場初期の頃は、木製のショートボウを固定したものに過ぎなかったこのショートボウも、時代を経るに従い、鋼鉄製の強力な弓が取り付けられるようになりました。

この為、ロングボウを超える射程距離と貫通力という新たな利点が加わる事となります。

ただ、それに伴う欠点も存在し、例えば、鋼鉄式にしたために、木製の頃のように簡単に弦を引き絞る事が出来なくなり、この為、特製の巻き上げ機が必要となりました。
行軍におけるデッドウエイトが追加されたわけです。

また、こういった巻き上げ機を使うという事は、即座に発射することが不可能となったわけで、その点では、ロングボウ、ショートボウといった昔ながらの弓に遅れをとることとなりました。
百年戦争において、クロスボウ部隊を配したフランス軍を、速射性に勝るイギリス軍ロングボウ部隊が打ち破った事からもその欠点は明らかです。

ただ、それまである程度の腕力が要求された射撃戦において、機械仕掛けでその腕力を補うことで、視力と技術があれば戦力に出来るというこのクロスボウは、画期的な武器だったといえるでしょう


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