あまいぞ!男吾

(Moo.念平/小学館)


私にとって、忘れられない作品です。

この作品が、月刊コロコロコミック誌上で連載されていたのは、私が小学生の頃でした。

主人公の巴 男吾が、ケンカあり笑いありの日常を送る様を描いた作品なのですが、これがとても惹かれるんです。

無論、暴力を肯定するわけではありません。

ですが、男吾のケンカは、一味も二味も違うのです。

昨今のいじめ等による陰湿さは欠片も無く、己の信念の為、誰かを守るためのケンカであるところに、爽やかさと暖かさを感じるわけです。

この辺は、「キン肉マン」や「DRAGON BALL」等にも通じるものがあるように思えます。


さて、自分でお金を稼げるようになってから、多くの古本屋を巡ってコミックスを買い集めたものの、遂に全巻を揃える事がかなわなかったこの作品ですが、復刊ドットコムに復刊の要請が数多く寄せられたために英知出版から全三巻のデラックス版として復刊されました。

これによって、私はこの作品の全エピソードを見ることができたわけです。

現実の世界では、もはや絶滅してしまったともいえる「ガキ大将」が、この作品の中では生き続けています。

生活に追われ、学歴社会に急き立てられ、豊かさを得る代わりに失った大切なものに気付かせてくれる、・・・そういう作品です。

未見の方は、是非一読されることをオススメします。


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