Proof   by Dick Francis


Dick Francis狂の同僚推薦の1冊。ワイン,ウィスキーの薀蓄が一杯。
途中,Bellsの利き酒シーンがあって,思わずウィスキーが飲みたくなりました。
大昔に読んだ,Twice Shy, Deciderについで,Odds Againstと4冊目。私の読んだDick Francisは身よりのない青年の成長物語,という感じ。今回もずっと引け目を感じていた父親の人間的な一面に触れて,主人公が一皮向ける,という場面が感動的でした。

"We need someone now who knows whisky. Someone who can tell malt whisky from grain whisky, as Flora says you can."
 "Someone who knows a grain from the great gray green greasy
Limpopo River?" I said.
"
The Limpopo River, don't forget, was full of crocodiles."  
"I'm not asking you to do anything dangerous," he
said reasonably.
"No." I sighed. "Go on, then."

(p.106)




"I half expected you to cry off," He said. When hepicked me up at two the next day.
 "I half did."
 
"But?"

"Curiosity, I suppose."
 He smiled. Neither of us pointed out that
it was curiosity that got the Elephant Child into deep trouble with the crocodiles in the Limpopo River, though it was quite definitely in my mind, and Gerard, as he had told me to call him, was of the generation that would have had the Just So stories fed to him as matter of course.

(p.110)

物語の前半になんの脈絡もなく登場しました。どうも二人ともしっている「有名な」話のよう。
インターネットで検索すると,この物語とおぼしきページがありました。http://www.cs.nott.ac.uk/~ef/kathak/ChotaHathi.htm

【抄訳】
大昔,まだ,世界ができたばかりの頃,動物たちは今とは違っていました。
たとえば,象は,現在のように灰色のゴワゴワした膚で,大きな耳をしていましたが,鼻の長さは私たちと同じくらいだったのです。

さて,インドに大きな象,中くらいの,小さな象の群れが住んでいました。

その中では一番小さな象は「チョタ・ハシ」(小さな象)と呼ばれていました。チョタ・ハシはいつでも,違った質問を考えては,質問ばかりしていました。叔父さんのサイにもよく聞きました。「ジェンダ・チャチャ,どうして鼻の先にあの歯があるの?」ジェンダ・チャチャは分からないので,彼の固い,固いひづめでチョタ・ハシをたたきました。

また,ある日にはおばさんの豹に,「チタ・チャチ,なぜ,斑点についているの」と聞きました。チタ・チャチは分からなかったので,彼女の優雅に振れる尻尾で彼をたたきました。

ある日,叔父さんのクジャクに会いました。「モラ・チャチャ。どうして尻尾がそんなにきれいなの?」モラ・チャチャはわからなかったので,チョタ・ハシを鋭い,鋭いつめでたたきました!でも,ぶたれても,ぶたれても,チョタ・ハシは質問を止めることはしませんでした。

ある朝チョタ・ハシは全く新しい質問を考えついて目が覚めました。クロコダイルは食事に何を食べるか知りたくなったのです。

彼はありとあらゆる友達や親戚に聞きました。「シュリマン・マグル・マッハが食事に何を食べたか知っていますか?」彼は従兄弟の鹿に聞きました。「ヒラン・バイ,シュリマン・マグル・マッハが食事に何を食べているか教えてください。」でも,みんな逃げ出しました。みんなとても恥ずかしがり屋でした。最後にひいおばあさんの象のことを思い出しました。

そこで,ひいおばあさんのハシは大変賢く,チョタ・ハシに言いました。「ワニが食事に何を食べるか知らないがね,その調べ方はわかるよ。草原を越え,ジャングルを通り,高い山を越え,高い樹木に囲まれた大きな緑色に輝くリンポポ川に行く長い旅に出なきゃいけないよ。そこでシュリマン・マggル・マッハに会えて,食事に何を食べているか聞けるよ。」

チュタ・ハシは出発しました。彼は草原を抜け,ジャングルに出ました。ジャングルを抜けるとき,森の猿たちが彼に声をかけ,どこに行くのか聞きました。彼は,シュリマン・マグルを探して,食事に何を食べるか聞くつもりだ,と話しました。彼は猿たちに知っているか聞きましたが,ただ笑って,ココナッツとバナナを投げつけました。

次に山へ着き,そこを上りつづけました。頂上から遠くに川が見えました。あれが大きな灰緑色に輝くリンポポ川に違いありません。降りると,川岸の木にたどり着きました。大きな蛇が木に巻き付いているのが見えました。「ナマステ,ナガ・チャチ。シュリマン・ムグル・マッハを探しているんですが,どこにいるか,なんて知りませんよね。彼に質問があるんですが」ナガ・チャチはいいました。「水の中の茶色の木を見な。あれがシュリマン・マグル・マッハだよ。質問はできるが,気をつけな」「ありがとうナガ・チャチ」チョタ・ハシは言いました。

彼は丁寧に叫びました。「ナマステ,シュリマン・マグル・マッハ。あなたに,食事に何を食べるか聞きたくてやってきました。」茶色の丸太は二つの目を開け,言いました。「もう少し近くに来てくれ,よく聞こえないよ」そこで,チョタ・ハシ一歩近づき,言いました。「あなたに,食事に何を食べるか聞きたくてやってきました。シュリマン・マグル・マッハ。」「もっと近くに来てくれ。耳に水が入ったに違いない。」そこで,また一歩近づきました。そしてシュリマン・マグル・マッハは口を大きく開けて言いました。「今日は,チョタ・ハシを食べるよ!」彼はチョタ・ハシの小さな鼻をつかんで,彼を川の中へ引っ張り始めました。「タズケテ!タズケテ!イダイヨ。ハダヲハダジテ!」しかし,シュリマン・マグルはチョタ・ハシを川の中へと引っ張りつづけました。幸いナガ・チャチがチョタ・ハシの助けを呼ぶ声を聞きつけ,体半分を木から解き放してチョタ・ハシの後ろはしに巻きつけました。「さか,引っ張って!チョタ・ハシ!」彼女が言いました。それでチョタ・ハシとナガ・チャチが岸に引っ張り,シュリマン・マグルは川の中へ引っ張りました。大変な綱引きが行われ,最後のひとひきで,ナガ・チャチはチョタ・ハシを無事,シュリマン・マグル・マッハから引き離して,岸に引き上げました。

「本当にありがとう。でも,僕の鼻はどうなったの?」チョタ・ハシの鼻は伸びて,長いゾウの鼻になっていました。「友達や親戚はなんて言うだろう?僕のことをぶつと思うよ。ナマステ,ナガ・チャチ,助けてくれて本当にありがとう。」チョタ・ハシは家にむかって出発しました。

彼は山を越え,ジャングルに来ました。猿たちは彼がやってくるのを見て,長い鼻を見たときには大笑いしました。チョタ・ハシは思わず長い鼻を使って,木からココナッツを取り,猿の群れに投げつけました。この鼻はとっても役立つでしょう!

ジャングルを抜け草原を渡り,とうとう友達や親戚と会いました。みんな彼をぶつ準備ができていました。でも,チョタ・ハシはすばやく地面から泥や砂を拾い上げて投げつけました。家族はなんとびっくりしたことでしょう。長い鼻がどんなに便利かわかりました。

ひとり,また,ひとりとシュリマン・マグル・マッハにが何を食事に食べるか聞くことにしました。そして,ひとり,また,ひとりと長い鼻で戻ってきました。ちょうど現在のゾウがそうであるように。

この話が下敷きになっているようです。