American Tabloid by James Ellroy
2001年度版「このミス」の海外部門2位ということで,購入しました。 その紹介記事にWhite
Jazzは傑作,という一節があり,同時に購入。American
Tabloidは厚くて字が小さく,White Jazzは薄くて,字がまばら,それでWhite
Jazzから読み始めましたが,これは大変無謀な試みでした。全国のエルロイファンから嘲笑を浴びそうなばかげた行為でした。White
JazzがL.A.暗黒街シリーズの最終巻であり,その文体は著者自身が語る,読みにくいもの。
大変苦労して読みました(娯楽小説を苦労して読んでどうするんでしょう?)。この反省を元にAmerican
Tabloidは慎重に読み始めました。登場人物のメモもとりました。(登場人物が多くてすぐに頓挫しましたが…)。それから,歴史上有名な人物,Howard
Hughes, Micky Chohen, Batistaなどもそのつどインターネットや百科事典などを駆使して学習しました。(ハリウッドの映画スターなんか一杯登場したようです)
そのかいあって,後半は読みやすく,一気に読めました。White
Jazzはどうも2回は読まないと,うまく味わえないようです。
"What have you been doing? When I left you were two sheets to the wind."
「何をしてたんだ。俺が出かけたときは,『風まで二枚だったじゃないか』(???)
JEH: Don't try to butter me up. You may have undergone an apostasy regarding
the brothers, but your political beliefs
are still suspect.
WJL: Be that as it may, Sir, I'm still not
giving up. I'm going to think of something
else. I haven't given up on the King.
JEH: Bully for you. But please be advised that I do not wish
to be informed of your plans.
WJL: Yes, Sir.
「私にバターを塗る?」 「あなたにはイジメ?」
Pete walked out to the patio-pool view, a
good bird-dog spot.
「良い鳥−犬の場所?」
アヴァは彼に鳥を振った?
a sheet in the wind 少し酔って.
three sheets in the wind(かなり酔って)から.
の変形のようです。これは主人公(三人いる?)の一人Littellの発言ですが,彼は前半アル中。いつでも酒を飲んでいました。したがって,「ほろ酔い加減だったろう」ぐらいでしょうか。
(It's) bully for you!《俗・古》[おどけて] すごいなあ,でかした。
若い米国人のかたに聞きましたが,知りませんでした。
butter ..up / おべっかを言う
JEH:おべっかを使うのは止めなさい。仲間とは手を切ったかもしれないが,政治信条には疑わしいところがある。
WJL:それはそのままで。まだあきらめていませんよ。他のことを考えてみるつもりです。キングのことはあきらめていません。
JEH:そりゃたいしたもんだ。でも,計画については私の耳には入れないように。
bird-dog 「監視する」
「ピートは監視には絶好のプールが見えるベランダへ歩いて出た。」
鳥が犬に警戒している→監視する....言われてみればその通りですが…
これを知らなかったのはかなりまずいことです。英語教師としては…
おそらくアメリカの政治,社会を勉強している人には常識中の常識だと思われます。 反省